戻る トルコ地震・原発 戻る

●初めに
 2023年2月6日午前4時(現地時間)すぎ、トルコ東部のシリア国境近くでマグチュード7.8の地震がありました。トルコ・シリア両国の死者は5万2000人(2023年3月6日)を超えました。これは東日本大震災の死者数を大きく上回る大災害となりました。
 トルコでは東日本大震災以降にも、安倍内閣(経産省内閣とも言われる)と三菱重工が原発の売り込みを行っていました。黒海側のシノップ原発です。結局は計画断念となりましたが、計画通りであれば、今回の地震の年(2023年)に運転開始となっていました。心の底から、計画断念となってよかったと思います。
 一方、ロシアは地中海側のアックユに原発を建設中で、核燃料はまだ装荷していないとのことです。今回の地震で被害が無かったのは、ただ運がよかったにすぎないと思います。
 大事故を経験したはずの二つの国が、地震が頻繁に起きると分かっているトルコに原発を作ろうとする。黒海、地中海が事故により汚染されたら、未来永劫、日本、ロシアは非難されることでしょう。
 そして、日本では、自らの国の事故により、原発の価格が高騰したため、原発の海外展開が難しい状況になったことにより、今度は、国内にということで、60年超運転、原発建て替え、次世代原発検討等を打ち出して来ました。これは福島原発メルトダウン事故を経験した私にも、とても許しがたいことです。

 以下に、今回の地震と、トルコで起きた地震、トルコの原発等々の記事をまとめましたので、トルコの地震と原発について、理解が深まれば幸いです。
 項目は以下の通りです。クリックすると該当項目の先頭に移動します。
 
●1964/06/14 トルコ東部でM6の地震発生(死者8人)
●1999/08/17 トルコ北西部でM7.6の地震発生(死者1万7千人)
●2011/10/23 トルコ東部でM7.2の地震発生(死者600人)
●トルコで三菱重工のシノップ原発輸出計画 2018年12月に断念
●トルコでロシアが建設中のアックユ原発 地震(2023年)被害は無かった模様
●2020/01/25 トルコ東部でM6.7の地震発生(死者36人)
●2020/10/30 トルコ西部でM7.0の地震発生(死者116人)
●2023/02/06 トルコ・シリア地震発生(M7.8、死者5万人超)


●トルコの地震と原発
(53)毎日新聞 2023/02/06の記事の図に原発・過去の地震を加筆

上記トルコの地図とほぼ同じスケールの日本地図。
トルコの面積は約780,000平方キロメートルで、日本の約2倍です。
また、人口は約84,680,273人で(2021年、トルコ国家統計庁)


●記事一覧


=================================================
●1964/06/14 トルコ東部でM6の地震発生(死者8人)(*1)
=================================================
( 1 ) 毎日新聞 1964/06/17 新潟地震 タンク消火が急務 一番困る飲料水 国鉄被害は戦後最高
 トルコでも 地震、洪水 死傷5千人越す
 【アンカラ16日ロイター=共同】トルコのアンカラに16日はいった非公式情報によると、トルコ東部地方は地震と洪水で死者21、負傷者5千人以上を出した。マラトヤ州では繰り返し襲った地震で1千戸が倒壊した。また、アナトリア地方は長雨による洪水で大きな被害を出し、カラブエの町で1500戸が水中に没した。

(*1)地震のM等は 「世界の被害地震の表(古代から2017年まで)」 による。

=================================================
●1999/08/17 トルコ北西部でM7.6の地震発生(死者1万7千人)
=================================================
( 2 ) 朝日新聞 1999/08/21 死者1万人に トルコ地震4万人推定も
( 3 ) 朝日新聞 1999/10/17 活断層 真上で地震の被害集中 台湾 またいだ橋次々落下
( 4 ) サイエンスネット 1999/11/01 イズミット地震と北アナトリア断層_奥村晃史
 1999年8月17日,トルコ西部のイズミット付近を震源とするマグニチュード7.4の大地震が発生して,15,000人以上が死亡した.その衝撃がまださめやらない9月21日,今度は台湾中部でマグニチュード7.8の大地震が発生して2000以上の人命が奪われた.現地からの生々しい報道映像を見て,多くの方が1995年の阪神淡路大震災を思い起こしたことであろう.そして,その記憶が早くも薄らいでいることに気づいた方もあったのではないだろうか.
 
 トルコ時間(GMT +2 時間)の8月17日未明午前3時1分すぎ,トルコ西部の工業都市イズミット南西の地下15kmを震源とするマグニチュード(表面波マグニチュード)7.4の地震が発生した.この地震は,イズミット湾の南岸から,イズミット東方の低地の南縁に沿って延びる北アナトリア断層の再活動であった.断層沿いに分布する町や村では多くの家屋が倒壊して15000名余りが犠牲となった.地震後の調査ではイズミットの東西で延長120km余りの北アナトリア断層に,4m前後の右横ずれ(断層線を挟んで,反対側が相対的に右に動く)が報告された.地震波の分析からもほぼ同じ領域の地下10〜20kmより浅い断層面で最大7m,平均3mのずれが起こったとみられる.
 
 深夜の地震であったため,死傷者のほとんどは,倒壊した住宅の下敷きになった方々であった.倒壊した低層集合住宅の多くはすべての壁がつぶれて,各階の床がすき間なく重なる,パンケーキ崩壊を起こしている.耐震基準を無視した違法な建築が被害の元凶とする報道もあるが,被害にあった建物も免れた建物も同様の弱点をもつ建築方法で建てられていることが多い.トルコの町で普通に見られる建物は,鉄筋コンクリートで作られた重い床を,鉄筋コンクリートの細い柱で支えて築かれ,壁は中空の軽量ブロックを積み上げて漆喰を塗っただけである.従って,柱が震動に持ちこたえられない場合,壁は床の重量を支えることも,揺れ動く建物を復元することもできずに,一気にパンケーキ崩壊に至る.重なり合う強固な床は被災者にとって致命的であると同時に,救助の大きな障害ともなっている.

( 5 ) 東奥日報 1999/11/07 社説 活断層避けた街づくりを
( 6 ) 地震保険研究12-No12_2 2007/05/01 トルコ共和国2006年調査〜 第2章 トルコの地震危険
( 7 ) ダイヤ 2016/04/21 熊本地震と阿蘇山噴火、南海トラフは関連するのか 島村氏に聞く
( 8 ) 防災科学 2016/07/15 北アナトリア断層に沿った大地震の震源域
 内陸部における同様の現象の例として,図7.16には,トルコ半島の北アナトリア断層に沿って1939年から1967年にかけて発生した一連の地震の震源域が示されています.
 1967年の震源域の西隣りは未破壊領域として警戒されていましたが, ここに1999年8月,M7.4のトルコ大地震(イズミット地震)が発生したことは記憶に新しいところです.

図7.16 北アナトリア断層(トルコ)に沿った大地震の震源域
(笠原慶一,「地震の力学」,鹿島出版会より)

=================================================
●2011/10/23 トルコ東部でM7.2の地震発生(死者600人)
=================================================
( 9 ) 東奥日報 2011/10/24 トルコ東部M7.2地震 建物倒壊、死者千人か
【カイロ共同】米地質調査所(USGS)によると、トルコ東部で23日午後1時40分(日本時間同7時40分)ごろ、マグニチュード(M)7.2の地震があった。ロイター通信によると、トルコの気象当局は推定500〜千人が死亡したとの見方を示した。被災地の自治体の首長は緊急支援が必要と語った。地元メディアによると、少なくとも50人が負傷した。

( 10 ) 東奥日報 2011/10/28 原発計画に地震の影響なし トルコ天然資源相
 【ワン(トルコ東部)共同】トルコのアナトリア通信によると、同国のユルドゥズ・エネルギー天然資源相は26日、日本が受注を目指すトルコの原子力発電所建設計画について「地震によるリスクに対してあらゆる対策を講じている」と語り、今回の大規模地震による影響はないとの考えを示した。
 トルコは、同国南部の地中海沿岸と北部の黒海沿岸で原発建設を計画。地中海沿岸についてはロシア企業が受注し、2013年に着工、18年に電力供給開始の予定。

( 11 ) 静岡新聞 2011/11/10 トルコでM5.6地震 10月の被災地
( 12 ) 毎日新聞 2017/11/13 イラン・イラク国境地震 プレート押し合い 過去にも頻発

========================================================
●トルコで三菱重工のシノップ原発輸出計画 2018年12月に断念
=========================================================
( 13 ) CNIC 2014/01/31 トルコの原発事情 シノップに原子力発電所はいらない
 トルコ共和国では現在2つの原子力発電所建設計画が進行中だ。一つは地中海沿岸のアックユで、ロスアトム社(露)が4基のVVER-1200原子炉(出力120万kW級のロシア型加圧水型原子炉)を建設する予定で、もうひとつは黒海沿岸のシノップに、日本企業が主導する国際コンソーシアム(三菱重工、伊藤忠商事、GDFスエズ(仏)、トルコ発電会社などから構成)が4基のATMEA-1原子炉(出力110万kW級の加圧水型原子炉、三菱重工とアレバ(仏)の合弁企業が開発)を建設する予定となっている。
 
 1月7日には、来日中のエルドアン・トルコ首相と安倍首相が会談し、原子力発電所輸出の前提となる原子力協定(調印済み・国会未承認)を速やかに締結することで合意しているが、同協定は、第8条で「移転された核物質及び回収され又は副産物として生産された核物質は、両締約国政府が書面により合意する場合に限り、トルコ共和国の管轄内において、濃縮し、又は再処理することができる。」と記載されており、核拡散上、問題が大きいものとなっている。

( 14 ) 東奥日報 2014/04/02 原子力協定 賛成へ 民主「次の内閣」
 民主党は1日、国会内で「次の内閣」(*1)会合を開き、トルコとアラブ首長国連邦(UAE)へ原発輸出を可能とする原子力協定締結承認案件に関し、それぞれ賛成する方針を決めた。会合内で対応を一任された海江田万里代表が、政権担当時に原発輸出を進めたことを踏まえて判断し、了承された。
 桜井充政調会長は会合後の記者会見で、賛成方針について「原発輸出は慎重であるベきだというのが党の立場だ。消極的賛成でまとめた」と述べた。
 次の内閣会合では、長妻昭元厚生労働相ら数人が「2030年代の原発ゼロを掲げた党方針と矛盾する」などと、反対意見を述べた。
(*1)民主党政権は2009年8月から2012年12月

( 15 ) 東京新聞 2014/07/04 東芝、ブルガリア原発受注 国内メーカー海外に軸足
 日本の原発メーカーは東京電力福島第一原発事故以降、受注の伸びが期待できなくなった国内から、新増設計画の多い海外に軸足を移した。安倍政権の原発輸出政策も各社の海外展開を後押ししている。
 三菱重工業はフランスの原子力大手アレバと組んでトルコで四基の受注を固めるなど、各社しのぎを削っている。

( 16 ) 茨城新聞 2015/05/25 福島第1 大津波実効的対策怠る IAEA報告書 安全評価も不十分
( 17 ) 東奥日報 2017/01/08 輸出原発 揺れ小さく評価 トルコで日仏合併 建設コスト対策か
 日仏合弁会社がトルコ北部で建設を目指しているシノップ原発を巡り、原発を襲う地震の揺れ想定は最大加速度400ガル程度と、日本側が小さめに評価していたことが7日、原発立地の調査関係者への取材で分かった。日本の原発よりも小さく見積もられ、国内なら原発規制基準を満たさない可能性が高い。専門家は、予定地周辺の地質や地形を考えると「日本の基準に照らせば、少なくとも500ガル程度は必要だ」としている。耐震化工事などで建設コストが高くなるため、小さくしたのではないかとの見方もある。
 
 トルコも日本と同様、有数の地震国。日本では、九州電力川内原発(鹿児島県)で620ガル、関西電力大飯原発(福井県)で856ガルを想定し、千ガルを超える原発もある。
 評価は経済産業省資源エネルギー庁の委託事業で、日本企業がからむトルコやベトナムの原発立地での調査の一環。事業費は約24億円で、日本原子力発電(東京)が請け負った。原電は、活断層調査や地震の揺れ評価を日本の調査会社などに再委託した。
 シノップ原発は、三菱重工業とフランスの原子力大手アレバ社との合弁会社が加圧水型原発(出力110万キロワット級)を4基建設する計画。トルコ政府との契約に成功すれば、2023年の運転開始を目指す。
 日本の研究者によると、黒海沿岸にあるシノップ原発予定地の周辺には活動性が疑われる断層も多く、1968年には西側でマグニチュード(M)6程度の地震もあった。トルコの研究者の中には大地震が起きる可能性を指摘する声もあるといい、現地では反対運動が起きている。

( 18 ) たんぽぽ 2017/01/28 破たんの一歩手前 東芝の損失はどこから生じたか(その1) 山崎久隆
 三菱重工業も東芝と似た道を歩んでいる。アレバ社の損失をかぶる格好になるベトナム・トルコ原発輸出の失敗、米国での欠陥蒸気発生器売り込みによる巨額損失、国産ジェット機開発の失敗、三菱が破たんするか、不採算部門の原子力を切り離すことが出来るか、軍需産業として巨額の防衛費でなんとか凌いでいる会社が、東芝以上のリスクを抱えていることもまた事実だ。

( 19 ) 週プレ 2017/01/28 まさかの「東芝倒産」が現実に?日本の原発政策の愚かさを嘆く
( 20 ) 現代ビジ 2017/01/31 東芝「債務超過」へのカウントダウン〜残された時間はたった1ヵ月
 それまでは日本の電力各社がかけたコストの平均値で1基当たり3000億円程度とされていた建設費は、仏原子力大手アレバの試算で1兆円、その試算を検証したEU委員会の判断で2兆2500億円前後と大きく跳ね上がった。
 安全に敏感な先進国はもちろん、それほど過敏ではない新興国や途上国のほとんどで、原発は高嶺の花になってしまった。

( 21 ) プレジデ 2017/10/21 日本も原子力発電ゼロは「達成できる」
( 22 ) 時事通信 2018/03/15 トルコ原発輸出、事業費倍増も=23年の稼働、後ずれ必至
 官民で進めている原発のトルコへの輸出計画の総事業費が、安全対策の強化などで当初想定していた2兆円の2倍以上に膨らむ可能性があることが、15日分かった。目標としていた2023年の稼働開始も困難な情勢。政府は成長戦略として進める原発輸出で、費用負担も含めた計画の見直しを迫られそうだ。
 トルコは黒海沿岸のシノップに原発4基を建設する計画。三菱重工業をはじめとする日仏企業連合による受注が13年に事実上確定していた。

( 23 ) 毎日新聞 2018/04/24 伊藤忠 トルコ原発離脱へ 事業費倍増、利益確保困難に
( 24 ) 東京新聞 2018/05/03 トルコ原発「費用倍困難に」 事業費4兆円超、伊藤忠会長懸念
 伊藤忠は事業化の可否を見極める調査に加わっていたが、2015年時点で「商社ができる役割は限られており、参画は極めて困難」などと参入見送り方針を表明。契約期限の今年三月で正式に調査を終え、計画から離脱した。三菱重工は調査を続けているが、安全対策費用がかさみ、目標とする2023年の稼働開始は見通せない状況だ。

( 25 ) 東京新聞 2018/05/16 原発のない国 機運高まる中 エネ計画 原発推進鮮明
 経済産業省は16日、2030年に向けた中長期的なエネルギー政策の方向性を示す「第五次エネルギー基本計画」の素案を公表、審議会に示した。原発については「重要なベースロード(基幹)電源」と位置付けるとともに、「原子力政策の再構築」を掲げ、再稼働や核燃料サイクル、原発輸出などの推進姿勢を明示した。

( 26 ) 東洋経済 2018/05/21 日立・三菱重工が挑む「原発輸出」のジレンマ
 ビジネスにリスクがあるのは当然でも、海外での原発事業はリスクとリターンのバランスが取れていないように思える。それでも日立も三菱重工も原発輸出をあきらめられない。国内で原発新設の望みが薄い中、技術を含めて原子力事業を維持するために海外で原発を造るしかない、という強迫観念がある。

( 27 ) 毎日新聞 2018/05/28 <日立>英の原発計画を継続 電力買い取り価格なお隔たり
( 28 ) 時事通信 2018/08/02 トルコ原発で報告書提出=建設費大幅増は不可避−三菱重工
( 29 ) 時事通信 2018/08/04 三菱重工、トルコ原発「単独ではできない」
( 30 ) 東京新聞 2018/12/04 トルコ原発輸出、断念へ 三菱重工、巨額建設費で難航
 政府と三菱重工業が、共同で進めてきたトルコへの原発輸出を断念する方向で検討に入ったことが四日わかった。関係筋が明らかにした。建設費が五兆円と当初想定の二倍にのぼる見込みとなり、安価な建設を求めるトルコ側との交渉が難航しているためだ。安倍晋三政権は原発の海外輸出を成長戦略の柱に掲げており、トルコへの輸出計画が頓挫すれば戦略の見直しは避けられなくなる。 (吉田通夫)

( 31 ) THE PAGE 2018/12/16 日本の国策「原発の海外輸出」が頓挫 一体何が起こっている?
( 32 ) 東京新聞 2018/12/17 英原発計画、日立凍結へ 政府輸出戦略 全て暗礁
( 33 ) 京都新聞 2018/12/18 社説:原発の輸出 「国策」の見直しが必要
( 34 ) AERA 2018/12/31 「トルコ原発輸出頓挫でも諦めない安倍政権の執念」_古賀茂明
( 35 ) 京都新聞 2019/01/07 社説:エネルギー 日本は周回遅れの自覚必要
( 36 ) 毎日新聞 2019/01/11 日立、英原発事業を凍結へ 3月期に3000億円損失計上も
( 37 ) 東京新聞 2019/01/19 【社説】原発輸出総崩れ 成長戦略の誤り認めよ
( 38 ) 毎日新聞 2019/01/21 原発はもうからない 輸出総崩れでも諦めない安倍政権 安全コストで採算合わず
( 39 ) アエラ 2019/03/20 田原総一朗「廃炉進まぬのに無責任に原発増設計画進める安倍政権」
( 40 ) HBO 2019/05/18 破綻した原発政策を国民に押し付ける経団連の「提言」
( 41 ) たんぽぽ 2020/07/10 講演「日本の原発報道」(2019年5月ウクライナにて) 浅野健一
( 42 ) たんぽぽ 2020/09/17 日立製作所「英原発建設事業からの完全撤退」正式決定
( 43 ) 東京新聞 2020/09/28 原発輸出戦略 「看板」を書き換えねば
( 44 ) 毎日新聞 2021/07/15 「原発リプレース推進」は政府の次期基本計画に盛り込まれるのか

===================================================================
●トルコでロシアが建設中のアックユ原発 地震(2023年)被害は無かった模様
===================================================================
( 45 ) 東洋経済 2019/12/25 ロシア原発ビジネスは本当に「儲かる」のか 尾松亮
 アックユ原発は2010年のロシア・トルコ政府間合意に基づいて、ロスアトムが受注したトルコで初めての原発だ。ロシア製加圧水型原子炉を合計4基(各120万キロワット)建設する大規模事業だ。エジプトのように建設前段階でのトラブルはなく、着工に至った。
 しかしアックユ原発の受注条件はロスアトムにとってきわめて厳しい。設計・建設から発電事業、廃炉まですべてを1社で担当するBOO(Build-Own-Operate)方式で、原発にこのモデルが適用されるのは世界で初めてのことだ。建設を担当するロスアトムの子会社「アックユ・ニュークリアー」社は実質100%ロシア国営で、建設だけでなく、発電事業についてもロシア側がリスクを負う。
 
 送電線の建設費用もロシアが負担する。アックユ原発は電力の消費地から遠く離れている一方、トルコ側は原発建設用地を提供して認可するだけにとどまり、送電線や変電所の建設義務もない。一方、原発建設工事の50%をトルコ企業に発注するという条件も付いている。
 このアックユ原発は、ロスアトムにとって重い十字架となる。リスクやコストの一切合切を背負い込む先例ができてしまったためだ。今後は、ロスアトムが新規に原発輸出を試みるたびに、発注国から「アックユ方式」を求められる可能性が高い。

( 46 ) ロイター 2023/02/07 ロシア、シリアとトルコに救助隊派遣 地震受けプーチン氏が電話会談
 また、ロシアの国営原子力会社ロスアトムによると、ロシアがトルコ南部で建設中のアックユ原子力発電所にも地震の被害は出ていない。

( 47 ) たんぽぽ 2023/02/09 トルコ アックユ原発が建設中 地震の脅威がある 山崎久隆
 この地震に関連し、原発への影響が心配されますが、トルコではアックユ原発が建設中で、まだ核燃料も装荷していませんから、地震による影響はありません。
 しかし地震地帯に原発を建てるという、日本と同じ問題を抱えています。
 東電福島第一原発事故の教訓からも、地震の脅威があるところに原発を建てるのは問題です。

=================================================
●2020/01/25 トルコ東部でM6.7の地震発生(死者36人)
=================================================
( 48 ) 東京新聞 2020/01/26 トルコ地震 死者22人に 負傷者1000人超、救助続く
 【イスタンブール=共同】米地質調査所(USGS)によると、トルコ東部で二十四日午後八時五十五分(日本時間二十五日午前二時五十五分)ごろ、マグニチュード(M)6・7の地震があった。建物が倒壊するなどし、政府当局は二十五日、二十二人が死亡、千人超が負傷したと発表した。国内各地から救助隊が被災地に入り、建物が崩壊した現場では救出作業が続いた。

===================================================
●2020/10/30 トルコ西部でM7.0の地震発生(死者116人)
===================================================
( 49 ) NHK 2020/10/31 トルコ・ギリシャ沖地震 「1.5メートルほどの波が押し寄せた」
 イズミル県の港に近いホテルの30代の男性従業員はNHKの取材に対し、「20秒ほどの大きな揺れを感じた。妻が怖がっていたのでなだめなければならなかった。地震のあと、15分から20分ほどしてから1.5メートルほどの波が押し寄せてきて、街の中心部が一時、パニックに陥った。

( 50 ) 時事通信 2020/10/31 トルコ西部沖でM7.0 8人死亡、200人超負傷
 【エルサレム時事】トルコ西部沖のエーゲ海で30日午後2時50分(日本時間同8時50分)ごろ、マグニチュード(M)7.0の地震があった。エーゲ海沿いのトルコ第3の都市イズミルでは集合住宅など多くの建物が倒壊した。当局によると、この地震で少なくとも6人が死亡、200人以上が負傷した。AFP通信によれば、震源に近いギリシャ領のサモス島では2人が死亡した。

( 51 ) 共同通信 2020/10/31 トルコ沖で地震、27人死亡 M7、負傷者800人超
( 52 ) 島村英紀 2020/11/13 「地震弱者」襲ったエーゲ海の大地震

========================================================
●2023/02/06 トルコ・シリア地震発生(M7.8、死者5万人超)
========================================================
( 53 ) 毎日新聞 2023/02/06 地震大国トルコ、M7級が繰り返し発生 震源付近には大きな断層

( 54 ) NHK 2023/02/07 誤情報に注意 トルコ地震 津波や原発巡り根拠ない書き込み拡散
( 55 ) 毎日新聞 2023/02/07 トルコ地震のエネルギー、阪神大震災の15倍 建物は脆弱、被害増加
 トルコはユーラシアプレートやアラビアプレートなど四つのプレート(岩板)が複雑にひしめき合う地域にある。これらの合間に、トルコ本土が乗るアナトリアプレートという比較的小さなプレートが挟まれ、東側から左回りにエーゲ海へ押し出されるような力が加わっている。米地質調査所によると今回の地震はマグニチュード(M)7・8で、震源はプレート境界にある「東アナトリア断層」付近。長さ100キロ、幅50キロにわたり断層が動いていた。

( 56 ) AFP時事 2023/02/07 トルコ・シリア地震、エネルギー蓄積や不十分な耐震化で被害拡大
 まず指摘できるのは、トルコで1939年以降、最大規模の地震だったという点だ。さらに、約200万人が住む南部の都市ガジアンテプ(Gaziantep)など人口が比較的多い地域を地震が襲ったことも、被害が広がる要因になった。
 地震が起きたのは午前4時17分だった。睡眠中の人々が「倒壊した建物の下敷きになった」ケースが多かったと、英地質調査所(BGS)のロジャー・ミュッソン名誉研究員は指摘する。

( 57 ) NHK 2023/02/07 トルコで大地震 死者計5000人超 非常事態を宣言
 八木教授によりますと今回の地震の震源域にはアルファベットのVを横に倒したように交わる2つの断層があります。このうち、最初に地震が起きたのは南西から北東にのびる東アナトリア断層帯です。日本時間の6日午前10時すぎに、マグニチュード7.8の大地震が起きました。このとき1分ほどかけて北東の方向へと地下の岩盤の破壊が広がり、長さおよそ50キロ、およそ10メートルにわたって大きくずれ動いたとみられることが解析の結果から明らかになりました。
 
 そのおよそ9時間後には最初の大地震の震源から100キロほど北に離れた東西に走る断層でマグニチュード7.5の地震が発生しました。この断層も長さ40キロほどおよそ10メートルにわたってずれ動いたとみられています。2つの断層の交わる角度はおよそ30度です。八木教授はこうした鋭角に並ぶ断層帯で短期間に規模の大きな地震が相次ぐことは珍しいと指摘しています。

( 58 ) JAMSTEC 2023/02/08 トルコ南東部で発生した地震_山本揚二朗_副主任研究員
 一方で、日本の内陸地震は、日本列島周囲のプレート運動が内陸部に及ぼす力に対する内陸地殻の反応として発生しますが、北・東アナトリア断層はプレート境界に位置するため、2つのプレート間にかかる力の影響を直接受けるという違いがあります。北・東アナトリア断層の平均変位速度は2〜3cm/年と、日本の内陸活断層に比べて1桁以上大きい値になっているのは、この違いによります。このため、トルコでは日本の内陸地震よりも短い再来間隔で、多くの大地震が発生しやすい環境になっています。

( 59 ) 中日新聞 2023/02/08 トルコ地震「空白域」断層が動く 建物のパンケーキ崩壊発生
( 60 ) JETRO 2023/02/08 トルコ南部で大地震、工業集積地でも被害(トルコ)
( 61 ) 時事通信 2023/02/08 活断層ずれ、広範囲に被害 東北大教授「内陸型では相当大規模」 トルコ地震
( 62 ) 東奥日報 2023/02/08 長大活断層、甚大被害 古い建物 パンケーキ崩壊
( 63 ) 日テレ 2023/02/09 「パンケーキクラッシュ」で被害拡大か 耐震基準“日本並み”も補強追いつかず…
( 64 ) 日経新聞 2023/02/10 トルコ・シリア地震、死者2万人に 東日本大震災上回る
( 65 ) NHK 2023/02/10 トルコ大地震 死者2万人超 生存者の捜索急ぐ
( 66 ) 時事通信 2023/02/10 断層挟み、4メートル横ずれか トルコ地震、国土地理院が分析

( 67 ) 河北新報 2023/02/11 トルコ地震「長大な活断層帯で発生」 東北大災害研が調査速報会
( 68 ) 静岡新聞 2023/02/14 トルコ大地震 活断層250キロ90秒で破壊 連動型 - 静岡新聞
 トルコ政府機関によれば揺れの強さを示す加速度は最大で約1788ガル、同じく速度は最大で毎秒約213センチだった。阪神大震災は同じく約818ガルで毎秒約97センチ。「揺れは阪神大震災の2倍くらい」(三宅さん)。断層沿い150キロの範囲が強烈な揺れに襲われた。

( 69 ) 毎日新聞 2023/02/14 「日本並み」新耐震基準生きず トルコ、「恩赦」で抜け道も
( 70 ) ロイター 2023/02/16 「腐った建物」と骨抜き規制、トルコ地震で建物多数倒壊_By_Jon_Hemming
( 71 ) 島村英紀 2023/02/17 トルコ・シリア地震で建物崩壊 04年以降は耐震化も… 島村英紀
( 72 ) NHK 2023/02/21 トルコ・シリア大地震 M6.3の地震発生 被災者の不安広がる
( 73 ) 共同通信 2023/02/25 トルコで断層9メートル超ずれ 内陸地震で世界最大級か
 マグニチュード(M)7.8〜7.5だったトルコ・シリア大地震では活断層によって地表が最大約9.1メートルずれたことが、産業技術総合研究所(茨城県)による25日までの分析で判明した。地震後に撮影した航空写真を分析した。日本の観測史上最大の内陸地震で、1891年に岐阜県などを襲った濃尾地震(M8.0)の約8メートルを超える。近藤久雄主任研究員(古地震学)は「内陸の地震で水平方向のずれとしては世界最大級だろう」としている。

( 74 ) ロイター 2023/02/28 トルコ南東部で再び地震、政府対応への批判高まる
戻る 記事終了 戻る