[2023_02_10_02]【随時更新】トルコ大地震 死者2万人超 生存者の捜索急ぐ (NHK2023年2月10日)
 
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【随時更新】トルコ大地震 死者2万人超 生存者の捜索急ぐ

 2023年2月10日 14時50分
 トルコ南部のシリア国境近くで起きた大地震では、トルコとシリアの両国でこれまでに合わせて2万人以上が死亡しました。生存率が急激に下がると言われる72時間が過ぎ、各地で生存者の捜索が急がれています。
 現地の状況や、各国の救援の動きなど最新情報をまとめています。
(※日本とトルコとの時差は6時間 原則日本時間で表記します)

 米 国務長官 8500万ドルの緊急人道支援を発表

 トルコ南部のシリア国境近くで起きた大地震を受けてアメリカのブリンケン国務長官は9日、8500万ドル、日本円にして111億円余りの緊急人道支援を行うと声明で発表しました。
 国務省によりますとブリンケン国務長官はトルコのチャウシュオール外相と電話で会談し、最大限の支援をしていくと伝えたということです。
 アメリカはこれまでに被災地での捜索や救助にあたるため、150人以上を派遣しています。

 日本からもトルコ・シリアに緊急援助物資を供与へ

 政府はシリアからの要請を受けて、JICA=国際協力機構を通じ、緊急援助物資としてテントや毛布、就寝用のマットなどを供与することを決めました。
 また、トルコに対しても緊急援助物資を早急に供与する方向で調整しています。
 さらに、医師などで作る国際緊急援助隊のチームの先発隊を10日夜、トルコに派遣し、現地のニーズを確認したあと数十人規模の医療チームを派遣する方針です。
 林外務大臣は記者会見で「東日本大震災をはじめ過去に何度も大きな自然災害を経験したわが国として、現地の人々がいかに苦しい状況に立たされているか、容易に想像できる。人々の苦しみを共有し、共に困難を乗り越えていく」と述べました。

 「72時間」経過後も懸命の捜索活動続く

 最低気温が氷点下となる寒さの中、各地で懸命の捜索活動が続いていて、このうちトルコ南部ガジアンテプのマンションが倒壊した現場では、9日朝、がれきの中から親子3人が見つかり、病院に搬送されました。
 ただ、現地の当局者によりますとがれきの下敷きになった人は同じマンション付近だけでも数十人いるとみられ、捜索隊はがれきを取り除きながら生存者がいないか確認を進めています。

 世界銀行 トルコに17億8000万ドルの資金援助発表

 世界銀行は救援や復興活動を支援するためトルコに17億8000万ドル、日本円で2300億円あまりの資金援助を行うと発表しました。また復旧・復興支援に向けた優先地域や優先分野を特定するための被害状況調査を始めたことを明らかにしました。
 世界銀行のマルパス総裁は「今回の大地震で大きな損失を被ったトルコとシリアの人々に深い哀悼の意を表します。迅速に支援を届けるとともに現地で求められる緊急かつ大規模な支援の内容の分析を進めています」とのコメントを出しました。

 国連事務総長「国連部隊がシリアに」

 国連のグテーレス事務総長は9日、ニューヨークの国連本部で記者会見し、今回の地震について「現代における最大の自然災害の1つだ」と述べ、被災した人たちに哀悼の意を示しました。
 そして、地震のあと支援を届けることができなかったアサド政権の攻撃から逃れた人たちが暮らすキャンプなどがある震源に近いシリア北西部について「数時間前、最初の国連の部隊が救援物資を届けるためシリアに入った」と明らかにしました。
 さらに、アサド政権の協力を得て支援することも含め被災者のためにできることはすべて行うべきだという考えを示したうえで「この問題が政治化されないよう、今こそ、困っている人々を支えるために一丸とならなければいけない。トルコとシリアの人々がこれまで何百万人もの難民や避難民を受け入れ、援助してきたのと同じように、われわれは支援と寛大さ、そして連帯を示すべきだ」と述べ、国際社会にさらなる支援を求めました。

 トルコとシリア 両国の死者2万人超える

 トルコ南部で6日に発生したマグニチュード7.8の地震やその後も続く大きな揺れにより、トルコとシリアではこれまでに、トルコ国内で1万7134人、シリア側では少なくとも3317人が死亡していて、亡くなった人の数は両国合わせて2万人を超えています。
 生存率が急激に下がると言われる発生から72時間が過ぎましたが、いまもがれきの下に取り残された人が多く、各地で生存者の捜索が急がれています。

 トルコ南部 約1500年前に建設の城壁にも被害

 トルコ南部ガジアンテプ市の中心部の高台には、町のシンボルとして知られ、およそ1500年前に建設された城が残され観光地となっていますが、今回の地震の影響で石材を積んで造られた壁の一部が大きく崩れました。周辺にある土産物店などは営業しておらず、観光客の姿も見られません。
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