[2023_02_09_06]トルコで大地震発生 マグニチュード7.8(米国地質調査所) トルコとシリアで7000人以上の犠牲者 トルコではアックユ原発が建設中 地震の脅威があるところに原発を建てるのは問題 山崎久隆(たんぽぽ舎共同代表)(たんぽぽ2023年2月9日)
 
参照元
トルコで大地震発生 マグニチュード7.8(米国地質調査所) トルコとシリアで7000人以上の犠牲者 トルコではアックユ原発が建設中 地震の脅威があるところに原発を建てるのは問題 山崎久隆(たんぽぽ舎共同代表)

 2月6日午前4時15分頃、トルコ・シリア国境付近のトルコ中南部で大地震が発生しました。
 マグニチュードは米国地質調査所によると7.8とされています。
 トルコ国内の報道では7.4から7.7というものもあるようです。
 これらのマグニチュードは日本の気象庁マグニチュードとは計算方法が異なりますので単純比較はできませんが、マグニチュード7.9の関東大震災に匹敵する可能性があります。
 地上から深さ18kmの浅い横ずれ断層によるもので、最初の地震はマグニチュード7.8、そのわずか11分後にマグニチュード6.7の余震が続いたとのことです。
 この地震は熊本地震のような双子地震で、北に95km離れた場所でM7.5の地震が起きています。
 この地震は東アナトリア断層系内で発生していて、地震多発地帯でもあります。
 トルコからの映像では多数の高層マンションが横倒しに倒壊している様子が見えます。新潟地震(1964年)のマンション倒壊にも似ています。

原発への影響は

 この地震に関連し、原発への影響が心配されますが、トルコではアックユ原発が建設中で、まだ核燃料も装荷していませんから、地震による影響はありません。
 しかし地震地帯に原発を建てるという、日本と同じ問題を抱えています。
 東電福島第一原発事故の教訓からも、地震の脅威があるところに原発を建てるのは問題です。
 その原発への反対運動を続けているプナル・デミルカンさんは、日本にも何度か来ていますが、アックユ原発と地震について所属するニュースサイトyesilgazete.orgの記事でのコメントがありました。
 原文はトルコ語からDeepLで翻訳しましたので、ご紹介します。

Deprem bolgesinde bir de Akkuyu NGS tehdidi: Faaliyete gecmemisolmasi birsans Cansu Acar

地震の多い地域では、アックユ原発の脅威もある
運転していなかったのが不幸中の幸いだった
カンス・アカル著

 「カフラマンマラシュや近隣の県に大きな被害をもたらしたマグニチュード7.4の地震に打ちのめされている中、メルシンのアックユ原子力発電所の燃料集合体が国内に持ち込まれていないことは幸運と考えるべきで、将来を諦めてはいけないと思います。」
 カフラマンマラシュの地震で地域が瓦礫と化す中、アックユ原子力発電所の脅威に市民が不安を募らせました。
 nucleersiz.orgのコーディネーター、プナル・デミルカンは「アックユ原子力発電所がまだ稼働していないことは幸運だとさえ感じるかもしれません」と述べています。
 今回のカフラマンマラシュでのマグニチュード7.7と7.6の2度の大地震で、その被害の大きさを想像することもできず、まず頭に浮かんだのがメルシンにあるアックユ原子力発電所のことでした。
 現地からの情報によると、マラティヤやハタイなどの都市に住む発電所勤務の市民やその家族は、被災地へ向けて出発したそうです。
 建設機械の運転資格を持つ社員は、さまざまな瓦礫の現場に派遣され、建設機械を使った捜索・救助活動に参加しました。現在、発電所にはほとんど職員がいません。

 この日、ロシアの原子力企業ロスアトム社が発表した情報によると、アックユ原子力発電所では被害は発生していないとのことです。
 ロスアトム社のアナスタシア・ゾテエワは、アックユ原子力発電所のサイトがある地域で震度3程度の地震を感じたとし、建設・設置作業が安全に継続できるよう総合的な点検を行っていると述べています。また、建設・据付工事が続いていることも合わせて報告しています。

 また、Yesil Gazeteの原子力担当編集者でnucleersiz.orgのコーディネーターであるプナル・デミルカン研究員は、「アックユ原子力発電所のための核燃料が国内に持ち込まれていないことは、チャンスと考えるべき」と述べています。

 「発生すれば記憶に残る地震災害は、この国の現実ですが、河川敷への建設を認める法的根拠が、地震というファクターを生活から遠ざけ続けているのです。
 その結果、耐震性のない建物や道が倒壊する一方で、地震時の避難場所不足などの問題が発生し、救援・救助活動に支障をきたしています。

 また、1月19日以降、トルコとイランの間で地震が頻発しているという地震の専門家や科学者の警告が考慮されていないことも、同様に問題視されています。
 このような状況では、「アックユ原子力発電所」がまだ稼働していないことを幸運にさえ感じるかもしれません。アックユ原発の「震度3を感じた」という発言は、まるで弁明のようです。」

 デミルカンはまた、アックユ原子力発電所が地震地帯に位置することについて、次のように述べています。
 「政治的決定によって下された原子力安全評価委員会の承認に対して起こされた専門家の検証を伴う訴訟において、アックユ原子力発電所が地震を無視できない地域に建設されており、科学者が強調しているキプロスまで延びる急傾斜の陥没という線も破壊の可能性があると繰り返し強調されています」。

 デミルカンは、もしカフラマラシュの地震が、来るべき政治環境におけるアックユ原子力発電所プロジェクトの中止への警告として認識されるならば、より大きな災害を防ぐことができると強調し、「言い換えれば、現在の政治権力に対して立ち上がった「6人のテーブル」が、アックユ原子力発電所プロジェクトが国境を越えた地勢にもたらすものを予見することができる唯一のチャンスとなるかもしれません」と述べました。実のところ、AKPが政権を取る前、エチェヴィト首相率いるDSP-MHP-ANAP連立政権が2000年7月25日にアックユ原子力発電所プロジェクトを中止した要因の1つは、1999年に発生したギェルチュクとデュズジェの地震によって生じた社会的な圧力でした。」

トルコ語の原文は以下のURLです。
https://yesilgazete.org/deprem-bolgesinde-bir-de-akkuyu-ngs-tehdidi-faaliyete-gecmemis-olmasi-bir-sans/?fbclid=IwAR0bB6ZKi9L2NY05hU83hKgnWVGxWlhWQL8wls2JZH2w0zHCQodghgA87GI
KEY_WORD:トルコ_アックユ原発_:TORUKO2023_:FUKU1_:KANTOUDAISHINSAI_:KUMAMOTO-HONSHIN_:NIIGATA1964_: