戻る 珠洲群発地震(2023)と志賀原発・珠洲原発(2023/5/5) 戻る

●初めに
 2023年5月5日に石川県珠洲市で、マグニチュード6.5、震源深さ12km、最大震度6強の地震が発生しました。去年の6月には、マグニチュード5.4、最大震度6弱であったので、この一連の群発地震のなかでは、最大クラスのものとなりました。去年の6月の地震が、最大であり、今後はそれほど大きな地震は起きないだろうという考えもありましたが、予想に反して、エネルギーにして、去年の地震に比較して約40〜50倍の大きな地震が起きてしまいました。
 地上の観測データ、地下水、土地の隆起等で、大きな変化がなかったので、去年が最大クラスと考えたひともいるようです。よって、今回の地震の大きさについては、地震の専門家でも、驚いている人もいるようです。今回が初めてかどうかわかりませんが、今回の震源は海上であったのも、ちょっと予想外の大きさになった要因かもしれません。
 柏崎刈羽原発を直撃した2007年の新潟県中越沖地震であったように、海中にある活断層の見落としはよく発生します。陸上と海上では調査の精度が大きく異なるという、根本的な調査の限界があります。そして、日本では海岸にしか原発を建てることはないので、常に、陸上と海上の調査の精度の問題に突き当たります。
 今回の地震では、一連の群発地震で初めて死者が出ました。とても残念です。これほど継続して地震が起きても、屋根瓦の重心の高そうな家屋を建て替えることは経済的に困難なことなのでしょうが、緊急的に何か補助金を出してても、家の建て替え、耐震化とできないものでしょうか。
 今後、マグニチュード7クラスが起きないとも限らないので、大変心配です。今回は、地震発生が日中でしたので、まだ、被害が少なくてすんだのは幸いですが、深夜、起きたらとおもうと、ぞっとします。
 去年の6月の地震の時も思いましたが、つくづく、この地に、珠洲原発2機(135万kW)が建設されてなくてよかったと、心底思います。今回の地震の震源と建設予定地の位置を地図上にプロットしてみましたが、まさに、旧耐震指針で、直下地震として、定義したマグニチュード6.5と同じであり、距離10キロ以内でこそありませんが、10数キロであり、ほぼ、定義通りの直下地震といえるでしょう。
 もし仮に、東日本大震災を起こした地震が、2011年に起きていないとするなら、日本の原発政策の流れからして、珠洲原発は建設に転じていた可能性は十分あり、そして、直下地震による地震動で、初めてのメルトダウンを起こすような事故を起こしていたかもしれません。
 とにかく、一つ一つの原発を止めていくことの大事さが重要であると考えさせられます。
 以下に、珠洲原発と志賀原発、珠洲群発地震の関連記事を示します、様々な問題点の整理に役立ててもらえば幸いです。

※記事の赤色下線は編集側(地震がよくわかる会)で加えたものです。


●図一覧

【珠洲原発予定地と珠洲群発地震(2023年5月5日)の震央】(*)

(*) 震度データベース に2023年5月5日を入力して得られた結果に
10kmスケール及び黒丸(珠洲原発建設予定地)を加筆した図である。

【能登半島で頻発する地震の震源は移動を続けている】( 読売新聞 2023年5月9日 )

【珠洲原発が計画された地区】( 論座 2020年2月14日 「関西電力の「珠洲原発」用地先行取得の舞台裏と検察OBコネクション 村山治」 )

【能登地方で地震が多発する理由(イメージ)】( 読売新聞 2022年6月19日 )
 


●記事一覧
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●2006年〜2022年 珠洲原発と志賀原発トピックス
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( 1 ) 東京新聞 2006/03/24 原発運転、初の差し止め 志賀2号機 耐震に問題 金沢地裁判決(号外)
 北陸電力志賀原子力発電所2号機(石川県志賀町)をめぐり、周辺住民らが北陸電を相手取り、運転差し止めを求めた訴訟の判決が24日、金沢地裁であった。井戸謙一裁判長は「志賀原発2号機の耐震設計には、被告の想定を超えた地震によって原発に事故が起こり、原告らが被ばくする具体的可能性がある」と述べ、今月15日に営業運転を開始したばかりの2号機の運転を差し止める判決を言い渡した。
 原発の運転差し止めが認められた判決は初めて。


( 2 ) 毎日新聞 2006/03/24 志賀原発差し止め判決理由(要旨)
 本件原子炉施設の耐震設計が妥当であるといえるためには、施設の運転期間中に大規模な活動をして敷地に影響を及ばし得る震源断層に対応する地表地震断層をもれなく把握していること、直下地震の想定が妥当なものであること、松田式、金井式及び大崎スペクトルを主要な理論的支柱とする基準地震動の想定手法(「大崎の方法」)が妥当性を有することが前提となる。
 大規模な陸のプレート内地震であっても、地震発生前にはその震央付近に相当する活断層の存在が指摘されていなかったと言われている例や、これに相当する地表地震断層が確認されなかったと言われている例が、00年の鳥取県西部地震のほか、相当数存在している。
 被告がした綿密な調査によっても活断層が見つからなかったからといって、本件原子炉の直下にマグニチュード6・5を超える地震の活断層が存在しないと断ずる合理的な根拠があるとは認めがたい。

( 3 ) 東奥日報 2007/03/26 石川で震度6強 1人死亡189人けが 175棟被害、2500人が避難
 気象庁によると、震源地は輪島市の南西約30キロの能登半島沖で、震源の深さは約11キロ、地震の規模はマグニチュード(M)6.9と推定される。石川県の能登、加賀の沿岸に一時、津波注意報が発令され、一部で10ー20センチ程度の津波を観測した。
 志賀町の志賀原発1、2号機は運転していなかったが、緊急停止に相当する揺れの強さを記録したという。

( 4 ) 東奥日報 2012/07/17 志賀原発 直下に活断層の可能性 保安院、現地再調査も
 活断層の可能性が指摘されたのは敷地内で南東−北西方向に走る「S−1断層」。北陸電は1997年の2号機増設申請時に掘削調査を実施し「活動性はない」などとしていた。
 保安院によると、東日本大震災を受けた活断層の見直しで、北陸電が国に提出した掘削調査の資料を分析した結果、S−1断層は非常に古い時代の岩盤だけでなく、13万〜12万年前のものとみられる砂や小石で構成された地層を変形させ、比較的新しい時代に活動した可能性が高いことが分かった。

( 5 ) 東奥日報 2012/12/08 「活断層の可能性」 志賀原発 25年前に専門家指摘
 北陸電力志賀原発1号機(石川県)の直下を走る「S−1断層」に活断層の疑いがある問題で、旧通産省が1987年に現地調査した際、専門家顧問が「(岩盤の上の地層が)堆積後に段差が生じた」と指摘し、活断層である可能性を示していたことが、原子力規制委員会が公開した資料で7日、分かった。
 指摘を踏まえて審査されたとみられるが、結果には反映されず、問題ないとする北陸電の評価が妥当とされた。 S−1断層の問題は、旧原子力安全・保安院の専門家会議が今年7月に「活断層の可能性が高い」と認めるまで約25年間放置された。規制当局の安全審査の不備が問われそうだ。

( 6 ) 論座 2020/02/14 関電「珠洲原発」用地先行取得の舞台裏と検察OBコネクション_村山治
 内藤: 電力が原子力(発電所)用に先行取得している用地は全国にたくさんある。関電の場合、輪島の北にたくさんある。この土地がどうなっているのかを調べたら天地がひっくり返る。
 2013年12月30日。初めて内藤宅を訪ねた朝日新聞記者に対し、内藤は、関電が原発用地として先行取得しながら、建設計画が中断し、塩漬けとなっている広大な土地について、こう語った。内藤は1980年代初めから半ばにかけて関西電力の原発立地の元締めである環境立地本部長兼副社長などを務め、それらの土地の扱いに忸怩たる思いを抱いていた。
 1970年代から反公害、反原発の運動が世界的に勃興。日本国内でも勢いを持ち、電力会社は原発立地に苦労するようになった。  そうした中、反原発世論を恐れる電力会社は立地の意図を隠し、ゼネコンなどを使って秘密裏に二束三文のへき地の土地を高値で買い取った。その「地上げ」には、仲介名目で政治ブローカーから暴力団、地域の顔役らが暗躍。地権者らによる脱税や国土利用計画法違反まがいの行為も横行した。

( 7 ) NHK 2022/06/19 石川県珠洲市で震度6弱の地震 津波の心配なし
 震度6弱を観測したのは石川県珠洲市です。このほか震度5弱を石川県能登町、震度4を石川県輪島市、また震度3を新潟県上越市、富山県高岡市 氷見市 射水市 舟橋村、石川県七尾市 羽咋市 かほく市 志賀町 中能登町 穴水町、福井県あわら市で観測しました。
 気象庁の観測によりますと、震源地は石川県能登地方で震源の深さは13キロ、地震の規模を示すマグニチュードは5.4と推定されています。
 石川県で震度6弱以上の揺れを観測したのは2007年3月25日に能登半島沖で起きたマグニチュード6.9の地震で、石川県の七尾市や輪島市などで震度6強の揺れを観測した「能登半島地震」以来です。

( 8 ) 読売新聞 2022/06/19 能登半島、地面が隆起…地下にたまった水が岩盤に圧力か
 京都大の西村卓也准教授(地殻変動学)は、海側のプレート(岩板)と陸側のプレートの隙間にしみこんだ水の一部が上昇し、地下十数キロ・メートル付近にたまって今回の震源付近の地面を隆起させたと推測。周囲の岩盤に力を加えたり、しみこんだりして地震を起きやすくさせているとみる。

( 9 ) ゲンダイ 2022/06/21 大きな地震相次ぐ石川能登で浮上していた「珠洲原発」…2003年12月に計画凍結
 同地域で多発する地震を見ていると、つくづく「あの施設」が建設されていなかったことが幸いだったろう。
 「あの施設」とは、北陸、中部、関西の電力3社が2014年から広域電源として共同運営する予定だった「珠洲原子力発電所」のことだ。
 珠洲原発は1975年ごろに計画が浮上。今回、震度5強を記録した珠洲市の高屋町、三崎町寺家の2か所に、135万kW級を2基設置する予定だった。だが、住民の反対運動などもあり、計画は2003年12月に凍結となった。
 もし、政府や電力会社が住民らの反対を押し切って珠洲原発を建設し、フル稼働させていた時に大地震が直撃していたら……そう考えるとゾッとしてしまう。


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●石川県珠洲市_震度6強(2023年5月5日)
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( 10 ) 気象庁 2023/05/05 令和5年5月5日14時42分頃の石川県能登地方の地震について
地震の概要
  検知時刻
  (最初に地震を検知した時刻)5月5日 14時42分
  発生時刻
  (地震が発生した時刻)5月5日 14時42分
  マグニチュード6.5(暫定値;速報値の6.3から更新)
  場所及び深さ 石川県能登地方 深さ12q(暫定値;速報値 深さ約 10kmから更新)
  発震機構 北西―南東方向に圧力軸を持つ逆断層型で、地殻内で発生した地震(速報)
  震度 【最大震度6強】石川県の珠洲市(すずし)で震度6強を観測したほか、東北地方から中国・四国地方にかけて震度5強〜1を観測

( 11 ) 防災科学 2023/05/05 強震観測網(K-NET,K-net)
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コード 観測 緯度  経度   N-S E-W U-D(*) 三成分 計測
    点名                    合成  震度
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ISKH01 珠洲 37.527 137.284 571 494 702   729  5.9
ISK002 正院 37.447 137.288 561 465 377   676  6.1
ISKH03 内浦 37.346 137.244 535 486 365   561  5.5
ISK001 大谷 37.500 137.177 378 452 240   531  5.5
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(*)N-S E-W U-D とは 南北、東西、上下の最大加速度(ガル)

( 12 ) ウエザー 2023/05/05 石川県能登地方でM6.5の地震 珠洲市で震度6強
 5月5日(金)14時42分頃、石川県で最大震度6強を観測する地震がありました。
 震源地:石川県能登地方
 マグニチュード:6.5
 震源の深さ:12km
 この地震により、日本の沿岸では若干の海面変動があるかもしれませんが、被害の心配はありません。

( 13 ) 日テレ 2023/05/05 今回震度は一連のもので最大規模 石川県能登地方で地震、珠洲市で震度6強
 石川県能登地方では、2020年12月から地震活動が活発となり、去年6月には珠洲市で震度6弱の激しい揺れを観測しました。今回の震度6強の地震は一連の地震活動で最大規模となります。

( 14 ) 毎日新聞 2023/05/05 珠洲市ではしごから転落、1人心肺停止 石川・能登で震度6強
 原子力規制庁によると、北陸電力志賀(しか)原発(石川県志賀町)は1、2号機とも定期検査で運転停止中で、異常は確認されていない。

( 15 ) 気象庁 2023/05/05 令和5年5月5日14時42分頃の石川県能登地方の地震について
( 16 ) 北国新聞 2023/05/05 珠洲で震度6強 1人死亡、13人搬送
 北陸電力によると、停止中の志賀原発1、2号機では、発電設備に異常は確認されていない。1号機の原子炉建屋地下2階の震度は3だった。

( 17 ) 産経新聞 2023/05/05 石川県で震度6強 「これまでで最大規模」平田直東大名誉教授に聞く
 この群発地震活動では、温泉水の分析から地下の何らかの流体の関与が原因として指摘されている。活動の領域が大きく4つに分かれていることや、そのそれぞれの領域の中で地震活動がより浅い場所に移動していることも判明しており、平田氏は「流体の関与を強く示唆するものだが、これで次にどのくらいの大きさの地震が起きるかということはわからない」と説明する。
 群発地震は、同規模の地震が長い期間にわたり継続するもので、本震の後にそれより規模の小さい余震が続いて減衰していくようなタイプの地震活動とは異なる。

( 18 ) 東京新聞 2023/05/05 大地震続く可能性あり 専門家、能登M6・5
 政府の地震調査委員会は4月、能登の地震について深さ20〜30キロにあった水が徐々に上がっていくのに伴い、震源も徐々に浅くなっているとの見解を公表。平田直委員長(東京大名誉教授)が「十分注意してほしい」としたばかりだ。

( 19 ) khb 2023/05/05 近年は地震活動が活発に…専門家に聞く 石川で震度6強1人死亡
 地震が発生するところが大体、深さ15キロぐらいなんですけれどもそれより深い、深さ20キロとか25キロのこの辺りのところにはですね、比較的、水が多く含まれるような場所があるというふうに考えられている。その水、流体というのは主に水なんですけれども、その水が基本的に周りの岩石より軽いので、何かのきっかけがあると浅い方に上がってくると。
 その上がってきたものが今回、深さが10キロとか15キロのところに到達して地震を引き起こしていると考えられます。普段は断層は止まっている訳です。断層がずれ動くと地震になる訳なんですけど、その断層を動きやすくする働きがあるんですね。水というのは例えば潤滑油みたいな役割を果たしているので、断層がそれまでガチッと止まっていたところを水によって断層を動きやすくしてしまうことがある」

( 20 ) 東京新聞 2023/05/05 自宅倒壊「もう住めぬ」 鳥居も倒壊、昨年に続き
 市内の須受八幡宮では、石灯籠や鳥居が倒壊した。秦恭通宮司(71)は「昨年よりも強い揺れで、恐怖感があった」。昨年の地震でも同様の被害に遭ったといい「せっかく修理したのに」と肩を落とした。

( 21 ) 毎日新聞 2023/05/05 「大きな横揺れ、四つんばいに」にぎわう観光地に悲鳴 石川震度6強
 同市の見附島では22年の地震で土砂が崩落する被害があった。近くの飲食店「見附茶屋」の女性従業員は「地震の後、島の周囲に濃い茶色の砂ぼこりが舞っていた。去年より規模が大きかったように見えた。観光客も多くとても心配だ」と話した。島の近くに妻とサイクリングに訪れていた埼玉県飯能市の男性会社員(60)は「今まで経験したことがない大きな横揺れで、地面に四つんばいになった。津波が来る可能性もあったと思うと怖かった」と話した。

( 22 ) NHK 2023/05/05 石川県珠洲市で震度6強の地震 専門家に聞く【QAで詳しく】
 Q4.活動活発化に「流体移動が関与」今回は
 Q.政府の地震調査委員会は、この地域での地震活動の活発化に「流体の移動が関与している可能性がある」とする評価をまとめている。今回の地震も、このメカニズムに関係していると考えられる?
 A.一連の地震活動は流体が影響していると考えられる。さらに詳しく見ると、一連の活動の中では、南の方から北の方に、深い方から浅い方に地震が移動してきているという事実がある。今回はいちばん浅いところで最大の地震が起きたと言えるのではないか

( 23 ) NHK 2023/05/05 【随時更新】被害の状況 石川県で震度6強 珠洲1人死亡22人けが
 大阪 阿倍野区にある高層ビル「あべのハルカス」では、地震の揺れを感知したことによる安全確認のため、2基あるエレベーターがいずれも停止しました。大型連休中とあって60階にある展望台は多くの観光客でにぎわっていて、午後4時ごろにエレベーターが運転を再開するまで、1時間余りにわたって地上に降りられなくなったということです。
 ビルを管理・運営する「近鉄不動産」によりますと、エレベーターの中に閉じ込められたり、けがをしたりした人はいないということです。

 東京電力によりますとこの地震で震度4を観測した新潟県刈羽村と震度3を観測した柏崎市にある柏崎刈羽原子力発電所は運転停止中で、周辺の放射線量を測定するモニタリングポストの値は通常の変動範囲だということです。
 また現時点で外部への放射能の影響はないということです。

 関西電力によりますと、福井県高浜町にある高浜原子力発電所と、おおい町にある大飯原子力発電所、それに美浜町にある美浜原子力発電所では、地震による異常は確認されていないということです。
 また、それぞれの原発周辺の放射線量を測定するモニタリングポストの値にも変化はないということです。

( 24 ) 毎日新聞 2023/05/05 専門家「群発地震、年単位で続く可能性も」 石川・能登震度6強
 ただ、これまでの群発地震では大きいものでもM5クラスで、最大のものは、2022年6月に最大震度6弱を観測したM5・4だった。今回の地震はM6・5で、エネルギーは約40〜50倍にもなる。
 東京工業大の中島淳一教授(地震学)は「M6を超える大きな地震が起きたことは驚いている」と話す。
 なぜこれほど大きかったのか。中島さんは「地下でこれまでよりも大きな断層のすき間に水が入り込み、断層の破壊につながった可能性がある」と説明する。

( 25 ) 読売新聞 2023/05/05 長周期地震動の緊急地震速報を初めて配信…2番目に大きい階級3を観測
 今回の地震では、2月から運用が始まった「長周期地震動」の緊急地震速報が初めて配信された。長周期地震動は高層ビルを大きく揺らすゆっくりした揺れで、石川県能登地方では、4段階で2番目に揺れが大きい「階級3」が観測された。

( 26 ) テレ朝 2023/05/05 「M7あり得る」なぜ珠洲市で地震続発?“流体地震”の研究者が解説
 2021年は、震度5弱の地震。そして、去年6月には、震度6弱と5強の地震が、立て続けに起きました。能登地方の地震活動は、ここ数年で活発化。それも、珠洲市に集中しています。大きな地震の震源の深さは、いずれも12〜14キロの範囲でした。
 今回の地震は、ここ数年に起きたものと、エネルギーそのものが違います。
 気象庁:「今回、マグニチュードが1.1(*)大きい。40〜50倍の大きさ。単純にエネルギーで比べた場合、40〜50倍」
(*)2022年6月のM5.4、最大震度6弱の地震との比較
 能登地方には活断層が多数あって、そもそも地震が起こりやすい場所です。2年半程前から地下に流体が上がってきました。なぜわかったというと、国土地理院が全国に1300カ所、独自でも4カ所、GPSを珠洲市に設置しています。このデータを見ますと、地面が7センチ隆起していたことがわかりました。それは、そこに流体が入って膨らんできて、隆起しているということがわかってきました。

( 27 ) 共同通信 2023/05/06 石川・珠洲で震度6強、1人死亡 建物倒壊も、一連の地震で最大
( 28 ) 毎日新聞 2023/05/06 地震、地震、また地震 眠れぬ夜、崖崩れ、断水…石川・珠洲は今
( 29 ) NHK 2023/05/06 珠洲市震度6強 見附島の一部崩れる 金沢市でも住宅被害
( 30 ) NHK 2023/05/06 珠洲市震度6強 国や市の職員が市内の橋やトンネル点検
( 31 ) NHK 2023/05/06 珠洲市の飯田港でコンクリートの岸壁隆起 数か所にわたりひび
( 32 ) 夕刊フジ 2023/05/06 石川で震度6強 災害史に詳しい専門家「大地震起きる周期に入った」と警鐘
 能登半島では、その後も震度5強など地震が相次いだ。夕刊フジで「警戒せよ!生死を分ける地震の基礎知識」(毎週木曜)を連載する武蔵野学院大学の島村英紀特任教授は、「能登はここ数年、群発地震が多く、原因の詳細は分かっていない。さらに規模の大きい地震も警戒しなければならない」と解説する。
 災害史に詳しい立命館大学環太平洋文明研究センターの高橋学特任教授は、「日本列島を東から押す太平洋プレートの動きが活発化し、(東日本の陸側の)北米プレートに影響したとみられる。太平洋プレートは(日本列島の南側にある)フィリピン海プレートも押すため、日本海側の動きは太平洋側とも連動する」と指摘する。
 高橋氏は「南海トラフ地震の前には新潟から鳥取までの日本海側で地震が起きやすい。また、最近は南海トラフの範囲に含まれる沖縄周辺や普段揺れが少ない徳島県北部でも地震が起きている。大地震が起きる周期に入ったといえる」と警鐘を鳴らした。

( 33 ) 共同通信 2023/05/06 地表に最大20センチのずれ 珠洲市、国土地理院が解析
 石川県珠洲市で震度6強を観測した地震で国土地理院(茨城県つくば市)は6日、珠洲市北部の地表が最大約20センチずれた可能性があると発表した。複数の山地で地すべりとみられる数センチの変動があることも分かった。人工衛星だいち2号の観測データを解析した。
 地殻変動を観測するGNSS連続観測装置によると、珠洲市内で、震源から約2キロの地点では約11センチの隆起を、約8キロ離れた場所では南西方向に約8センチのずれを観測した。データは今後精査する。
 能登地方では2020年12月ごろから地震活動が活発化しており、今月5日の地震までに珠洲市内では約4センチの隆起が確認されていた。

( 34 ) 日刊スポ 2023/05/06 写真ニュース 石川県能登地方で震度6強の地震

( 35 ) 読売新聞 2023/05/06 震度6強の珠洲、20cmの地殻移動…地震調査委「理解が及ばない現象起きている」
 これらの地震活動には地下の流体の移動が関与している可能性があることも、改めて指摘した。平田直委員長(東京大名誉教授)は記者会見で「地下では、まだ私たちの理解が及ばない現象が起きている。引き続き研究を深めていく必要がある」と述べた。
 臨時会では、今回の地震による地殻変動の観測結果も報告された。国土地理院が地球観測衛星「だいち2号」のデータを分析したところ、同県珠洲市北部の震源周辺が上向きもしくは西向きに約20センチ動いていたという。京都大は全地球測位システム(GPS)などの観測で、同市の観測点が西南西方向に約9センチ動いたと報告した。

( 36 ) 北国新聞 2023/05/07 【珠洲地震】惨状「負けとられん」輪島より被害「局地的」
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