[2022_06_19_04]石川県珠洲市で震度6弱の地震 津波の心配なし(NHK2022年6月19日)
 
参照元
石川県珠洲市で震度6弱の地震 津波の心配なし

 2022/6/19 17:08 2022年6月19日 17時08分
 19日午後3時8分ごろ石川県能登地方で震度6弱の揺れを観測する地震がありました。この地震による津波の心配はありません。
 震度6弱を観測したのは石川県珠洲市です。このほか震度5弱を石川県能登町、震度4を石川県輪島市、また震度3を新潟県上越市、富山県高岡市 氷見市 射水市 舟橋村、石川県七尾市 羽咋市 かほく市 志賀町 中能登町 穴水町、福井県あわら市で観測しました。
 このほか石川県や新潟県、それに富山県などの広い範囲で震度2から1の揺れを観測しました。
 気象庁の観測によりますと、震源地は石川県能登地方で震源の深さは13キロ、地震の規模を示すマグニチュードは5.4と推定されています。

 石川県で震度6弱以上は2007年の「能登半島地震」以来

 石川県で震度6弱以上の揺れを観測したのは2007年3月25日に能登半島沖で起きたマグニチュード6.9の地震で、石川県の七尾市や輪島市などで震度6強の揺れを観測した「能登半島地震」以来です。
 気象庁によりますと、石川県能登地方では4年前ごろから小規模な地震の活動が確認され、おととし12月以降、活発化する傾向がみられていたということです。特に去年の春以降、震源が少しずつ変わりながら活動が活発になっており、去年9月には珠洲市で震度5弱の揺れを観測する地震も起きました。
 いっぽう、地震活動が活発になったおととし12月ごろから、地面が隆起する地殻変動も観測されていて地震との関連が指摘されています。地殻変動はことしに入ってからも続いていて専門家からは能登地方では今後も規模の大きな地震が起きるおそれがあるという指摘も出ていました。

 専門家「地震活動は活発 今後も激しい揺れに警戒を」

 能登半島で地殻変動の分析を続けている京都大学防災研究所の西村卓也准教授は「ことしに入って地殻変動のペースは落ちつつあったが地震活動は続いて活動が活発な状態には変わりなかった」と述べました。そのうえで「今後も同じ程度の地震が起こる可能性がある。内陸の直下で地震が続いているので今回のように揺れが大きくなりやすいため、今後も激しい揺れに警戒してほしい」と話しています。
 東京大学地震研究所の古村孝志教授は「石川県の能登地方では1年余り前から地震活動が活発になっている。今回地震が起きた場所もその領域で起きていて一連の地震活動と考えられる」と指摘しています。
 そのうえで「今回の地震は震源の深さがおよそ10キロと浅かったため、震度6弱という激しい揺れが局所的に観測されたと考えられる。震度6弱はブロック塀が倒れたり耐震性の低い建物が傾いたりするほどの揺れだ。まずは住んでいる場所など身の回りの安全を確認してほしい」と話していました。
 今後の地震活動については「大きな揺れのあとは地震活動が活発になりやすく、今後2日から3日は今回と同じ程度の揺れに注意してほしい。また今回地震が起きた場所は、地震が群発して起きている。一般的に活動が上がったり下がったりしながら長期間にわたって続くため、地震活動が活発な状態は今後しばらくの間続くと考えて警戒を続けてほしい」と話していました。

 震度6弱の珠洲市役所「激しい横揺れが数秒続いた」

 震度6弱を観測した石川県珠洲市役所の当直職員は「激しい横揺れが数秒にわたって続きました。物置に置いてあった洗剤などが落ちてくるなどして驚きました」と話していました。市役所は、被害状況など情報収集を進めているということです。
 また珠洲市の職員は「発生当時、市役所の3階にいましたが突然、突き上げられるような縦揺れが10秒から20秒ほど続いた。棚から書類やファイルがほとんど落ちていて下に散乱している状況です。現時点被害情報は入ってきていませんが、引き続き情報収集に努めたいと思います」と話していました。
 珠洲警察署の警察官によりますと「30秒ほど激しい揺れが続きました」と話していました。警察は、被害状況などを確認しているということです。
 珠洲消防署によりますと「短い時間だったが、強い縦揺れがあり、ものが棚から落ちたり、机の上のファイルが倒れたりしている。被害情報は今のところ入ってきていませんが、引き続き情報収集にあたっています」と話していました。

 防衛省 F15戦闘機が上空から被害情報収集

 防衛省は航空自衛隊のF15戦闘機2機を揺れが大きかった地域の上空に派遣し、被害の状況について情報収集を進めています。
KEY_WORD:石川県珠洲市_震度6強_:珠洲群発地震_:石川県能登_地震頻発_:NOTOHANTO_:NOTO_2022_: