[2006_03_25_02]志賀原発運転差し止め判決 女川再開に影響必至 住民「疑問に答えて」(河北新報2006年3月25日)
 
 耐震性の不備を指摘して北陸電力志賀原発2号機の運転差し止め請求を認めた24日の金沢地裁判決は、昨年の8・16宮城地震が東北電力女川原発の想定地震動を上回った事態を例に引いた内容だった。女川原発は三基のうち1号機はまだ停止したままで、運転再開前に女川町など地元で住民説明会が開催される予定。判決が鳴らす原発震災への警鐘は、運転再開論議の今後の展開に大きな影響を与えそうだ。

 8・16宮城地震で自動停止した三基のうち2、3号機は既に発電を再開した。東北電力は営業運転開始が1984年と最も古い1号機の耐震安全性評価を、定期点検に合わせて実施中だ。
 経済産業省原子力安全・保安院は1号機の耐震評価の検討を終えた段階で、県、女川町、石巻市との共催で耐震安全性についての住民説明会を開くことにしている。
 女川町議の一人は「説明会は今回の判決も踏まえた上で、住民の疑問に答える内容でなければならない。判決に住民がどう反応するか。1号機の運転再開に与える影響は大きい」とみる。
 判決に対する住民の反応はさまざま。同町女川浜の無職男性(63)は「国の基準を信じるしかない。2、3号機再開は国と地元自治体が慎重に協議した結果で安全だと信じている」と言う。
 自営業の男性(38)は「原告の人たちが不安を感じるのは当然のこと。女川原発の運転を続けるなら、町民も含めて運転状況を何重にもチェックする体制を整えるしかないのでは」と受け止める。
 女川原発の運転再開に抗議してきた「原子力発電を考える石巻市民の会」の日下郁郎事務局長は「予想外で驚いたが、住民の安全の側に立った判決でよかった。女川原発は国の古い耐震指針で建設され、10年20年と動いて設備も劣化している。東北電力も判決を尊重してほしい」と話した。
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