[2012_04_23_01]福島第一 耐震性低い設備30年放置 研究機関が指摘 外部電源喪失の一因に(中日新聞2012年4月23日)
 東京電力の担当者も参加した研究機関が三十年以上前、「耐震性が低い」と指摘した電気設備が福島第一原発で交換されないまま使われ、昨年三月の東日本大震災の揺れで倒壊、外部電源喪失の一因になっていた。
 福島第1原発事故では地震後の津波で配電盤などが水没したため、この電気設備が倒壊しなくても電源喪失を免れることはできなかったが、東電の安全対策の欠陥があらためて露呈した形だ。
 この設備は、外部電源を受電する「開閉所」の遮断器。福島第一原発では重心が高い「がいし型」が使われていた。
 電気設備の調査研究機関「電気協同研究会」の変電機器耐震設計審門委員会は一九七八年十月にまとめた報告書で、このタイプは地震の際に重量を支える支柱に大きな負荷がかかり、「耐震的には不利な構造で、実地震による被害も多く報告されている」と指摘。耐震性で有利なタイプとして、主要機器がタンク内に収められる「タンク型」を挙げていた。
 委員会には有識者や資源エネルギー庁、東電の送変電建設本部や工務部変電課の担当者が幹事や委員に入っていた。
 経済産業省原子力安全・保安院によると、全国の原発の大半はタンク型を採用。保安院は耐震性の高いものにすべきだとしている。
 東電は「設備は耐震基準を満たしていたが(揺れが)基準を上回り部品が破損、倒壊した。順次、耐震性の高いタイプに更新していた」と釈明している。
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