戻る 能登半島地震(2024)[最大震度7 M7.6]と濃尾・福井地震 戻る


○初めに
○2024年1月1日に石川県能登地方でマグニチュード7.6、震度7の大地震が発生しました。
 ここでは報道ではほとんど注目されませんでしたが、1月10日の原子力規制委員会の石渡氏の発言で、この地震と濃尾地震の関連について言及した箇所がありました。

○石渡委員
 今回の地震、マグニチュード7.6というのは、今まで観測された地震で、西日本でマグニチュード7.6を超える地震というのは、1946年の南海地震まで遡ります。あれは海溝型の地震ですけれども、今回のような内陸地殻内の地震でマグニチュード7.6以上というのは、1891年、明治24年の濃尾地震まで遡ります。ですから、そういう意味で、西南日本では100年に一度ぐらいしか起きないような大きな地震が起きたということだと認識をしております。

○原発の耐震性の議論をするときに、原発推進側はこの内陸最大の地震について、触れたがらないのはもちろんですが、反対派の方でも、濃尾地震に関しては、特別すぎる事例と思うのか、あまり触れる人は少ないように思います。
 私としては、原発の周囲をどれだけ調べようが活断層が必ず見つかるとは誰にも言えないのであれば、この内陸最大の地震が原発30km圏で起きると仮定して、原発が耐えられるのでは、大変安心なのですが、そういう議論には中々ならない中、濃尾地震について、石渡氏が言及したのは、今後の規制委の議論に注目が必要です。

○石渡委員が指摘するように、今回の地震が内陸地殻型地震の中では、大変大きなマグニチュードであることを示す表「地震年表_内陸地殻型地震」を以下に作成しましたので、参考にしてください。

○濃尾地震と福井地震の関連が深いという話があります。福井地震は濃尾地震の誘発地震ではという説、両方とも「新潟ー神戸ひずみ集中帯」に含まれることから、濃尾地震と福井地震の関連記事を以下のに紹介します。

○関東大震災が起きた時、濃尾地震がどう見えていたか、「濃尾大震災以来の震災である。」と記述があるように、1981年の濃尾地震以来、約40年ぶりの大震災であることが強調されています。

○阪神大震災が起きたあと生越忠さんの発言が興味深い。「しかし、御用学者たちはこの地震(濃尾地震)のことはいわない。さて、戦後最悪の被害地震とされていたのは、これまでは、福井地震であった。ところが、敗戦から50年目の1995年、戦後最悪の地震は、福井地震に代わって、兵庫県南部地震となった。」

○生越忠さんの活断層の定義がわかりやすい。「活断層とは、一般に、地質年代の最後の年代である新生代第四紀に活動したと見なされる断層をいうものであるが、耐震設計審査指針は、第四紀を、約180万年前から現在までの期間とする」

○生越忠さんの濃尾地震の震源断層の説明もわかりやすい。「濃尾地震の際に出現したものが最大で、変位量は、垂直方向に最大6メートル(水島地震断層)、水平方向に最大8メートル(根尾谷断層)に達した。」

○中越地震(2004)、中越沖地震(2007)を機に、「新潟ー神戸ひずみ集中帯」が注目をあびてきます。
「新潟北部から神戸市にかけて幅約100キロの帯状に広がる地域は、『新潟ー神戸ひずみ集中帯』と呼ばれている。GPS(全地球測位システム)観測などにより、幅100キロ当たり年1センチの割合で地面が縮み、他の地域よりひずみの蓄積度が数倍高いことが分かってきたためだ。阪神大震災や能登半島地震もこの集中帯で起きた。」

○東日本大震災が起きたあと、プレート境界地震の前後に集中して、北陸地方で地震が頻発するという話が、よくいわれるようになります。「48年6月の福井地震(M7.1)も昭和東南海の誘発地震」、「北陸地方にも大被害を出した濃尾地震は1891年で明治三陸沖地震の5年前だ。」「濃尾地震は1891年で明治三陸沖地震の5年前だ。」等々です。

○島村英紀さんが「日本史上、もっともナゾが多い巨大な地震がある。天正地震だ。」として、天正地震を濃尾地震を上回る内陸地震だったのではないかと紹介しています。「被害は、現在の福井県、石川県、愛知県、岐阜県、富山県、滋賀県、京都府、奈良県、三重県に広く及んだ。」「大地震の被害の広がりはマグニチュード(M)7.9を記録した1891年の濃尾地震よりもずっと大きかった」

○濃尾地震については2020年頃でも余震が観測されているというは驚きだ。「濃尾地震の震源域ではいまだに余震と思われる微小地震が数多く観測されているようです。」

○最近、気象庁の発表でよくでてくる女性(鎌谷氏)が、福井出身ということで、福井地震から74年ということで、インタビューを受けています。「ひずみ集中帯」に注意ということで、示唆に富む発言をしています。「福井で大地震が起きる可能性は」という記者の質問に対して、以下のように答えています。
 「現在の科学的知見からは地震の確度の高い予測は難しいと考えられており、日頃から備えておくことが大切。エリアで見た場合、新潟から神戸にかけて、ひずみの蓄積速度が速いと言われている帯状の領域『新潟―神戸ひずみ集中帯』がある。集中帯は両側(東西)からギューっと押されて地殻がひずんでいるが、福井県の大部分がこの領域に入っている。過去に新潟地震(64年)、兵庫県南部地震(95年)、新潟県中越地震(2004年)など大きな地震が度々発生し、福井地震もその一つ」

○原発と地震の問題については、1988年頃、故生越忠さんが、東京電力社長の故那須翔氏と対談したときの文が、今でも、輝きがありますので、最後に紹介させてください。

「最後に、日本の原発に地震による事故がまだ起こっていないことについて、貴下(※)がどう認識されているのかをおたずねいたします。
 この点について、私は、日本の原発の歴史がまだ浅いことと、昭和23年の福井地震を最後に、日本では1回の地震で千人を超える死者が出たような大被害地震がまったく起こっておらず、日本は全体として地震活動の静穏期に入っていることによるものと考えております。
 近い将来、日本が地震活動の旺盛期に突入し、終戦を挟んだ数年問のように、大被害地震が続発し、しかも、それらのうちのあるものが原発を直撃するといった事態もありえないことではないと思われます。
 貴下におかれては、こうした点にくれぐれもご留意のうえ、地震国日本の原発は、はたしてどこまで安全なのかを、慎重に検討されますことを、心から念願いたす次第であります。
(おごせ・すなお)」

(※)引用者注:ここでいう「貴下」とは東京電力社長の那須翔氏の意味です。

( 2024/2/6 地震がよくわかる会 I氏 記述 )
※記事の赤色下線は編集側(地震がよくわかる会)で加えたものです。


○地震年表_内陸地殻型地震

○地震名クリックで関連記事一覧を表示します。
○明治以降の地震の内、内陸地殻型かつマグニチュード7以上の地震を表示しています。
○マグニチュード降順です。
○登録地震件数は15件です。
○マグニチュード6以上(43件)の地震年表は コチラ
○全地震(182件)の地震年表は コチラ
 
発生日 地震名 その他の地震名 最大震度 死者・行方不明者(人) 特記 時分 緯度(度) 経度(度) 深さ(km) 全・半壊戸数
1891/10/28 濃尾地震 8 6 7273 6時38分 35.6 136.6 142177
2024/01/01 令和6年能登半島地震 7.6 7 1月12日時点 215人死亡 16時10分 37.5 137.2 15
1927/03/07 北丹後地震 7.3 6 2925 18時27分 35.6 134.9 17 5149
1930/11/26 北伊豆地震 7.3 6 272 4時2分 35 139 0 2165
1995/01/17 兵庫県南部地震 阪神・淡路大震災 7.3 7 6437 5時46分 34.6 135 16 249178
2000/10/06 鳥取県西部地震 7.3 6強 負傷者182人 13時30分 35.3 133.3 9.0
2016/04/16 熊本地震(2016年) 7.3 7 死者225人負傷者2753人 1時25分 32.8 130.8 12.5
1896/08/31 陸羽地震 7.2 5 209 17時6分 39.5 140.7 5792
1943/09/10 鳥取地震 7.2 6 1083 17時36分 35.5 134.2 0 7500
2008/06/14 岩手・宮城内陸地震 7.2 6強 23 8時43分 39.0 140.9 7.8 176
1872/03/14 浜田地震 7.1 不明 550 35.1 132.1 4049
1948/06/28 福井地震 7.1 6 3769 16時13分 36.2 136.3 0 35382
1914/03/15 秋田仙北地震 強首地震 7.1 5 死者94人負傷者324人 4時59分 39.5 140.4
1894/10/22 庄内地震 7 5 726 17時35分 38.9 139.9 3858
1961/08/19 北美濃地震 7 4 8
 

○関連する主な地震


=============================
●濃尾地震_
=============================
(1) 大阪朝日 1923/9/2 富士山を中心として 関東の天変地異 地震から海嘯 火災
○富士山を中心として 関東の天変地異 地震から海嘯 火災 列車の惨事 御殿場以東通信交通全く絶ゆ
 一日正午富士火山帯を中心としての激震は被害の範囲意外に広く本社は殆ど全滅せる通信機関の□を縫うてあらゆる方法により辛うじて収集したる各種の情報を綜合すれば沼津付近伊東御殿場、駿河駅、箱根、熱海方面の温泉地避暑地より横須賀、横浜、東京及び東京より中央、信越の各線に及び惨憺たる光景を呈するもののようで関西各地より打電せる無線電信も混乱のためか東京において更に応答せず憂慮にたへざるものあり、濃尾大震災以来の震災である。


(2) 福井防災 1948/6/28 福井震災


(3) 経営塾 1988/11/1 私の公開質問状ーその七 東京電力社長殿 生越忠 【Page 72】
COMMENT_
(4) ふえみん 1995/2/15 神戸株式会社が起した人災・阪神大震災 「地震と原発」で講演会 責任逃れする御用学者
 兵庫はマグニチュード7.2の地震だ。マグニチュード7という地震はそれほど珍しくない。
 日本最大の内陸直下型地震は1891年10月28日の濃尾地震で、マグニチュード8.0だった。日本の人口は当時三千数百万人だったが、7238人の死者を出した大きな地震だった。マグニチュードは0.2増えるとエネルギーの大きさが2倍になるから、兵庫の16倍の大きさだったわけだ。
 しかし、御用学者たちはこの地震のことはいわない。
 活断層がなければ地震が起こらないか
 活断層は地表面に現れて初めて分かるので、調べてもあるかどうか分からない場合もある。これまでも、活断層のかの字もないところで地震が起きている。1943年の鳥取地震はこの例。死者1083人を出した。


(5) 危険列島 1995/2/22 平成七年兵庫県南部地震が残した教訓 PAGE 278-279
◎日本列島の「終わりの始まり」を予告?
 さて、戦後最悪の被害地震とされていたのは、これまでは、福井地震であった。
 ところが、敗戦から50年目の1995年、戦後最悪の地震は、福井地震に代わって、兵庫県南部地震となった。

(6) 危険列島 1995/2/22 平成七年兵庫県南部地震が残した教訓 PAGE 268-269
 また、今回の地震についての報道のなかで、この地震による被害の大きさから、この地震を巨大地震と報じている向きもあるが、これもまったくの誤りである。それは「巨大地震」とは地震の大きさをあらわす正式の学術用語になっていないものの、おおむねM=7.8以上(人によってはM=7.6以上)の地震をいうものであり、被害規模の大きな地震をいうものではないからである。
 ちなみに、日本における最大の直下地震は、1891年(明治24年)10月28日の濃尾地震(M=8.0)であるが、この地震による死者は、岐阜・愛知両県を中心に、合計7273人に達し、今回の地震による死者の約1.5倍にもなったのである。

二、「今回の地震で、気象庁初の震度階Zが記録された」とは、どういう意味なのか
 ところで、Zという震度階は、1948年(昭和23年)6月28日の福井地震(M=7・1)の際の被害規模があまりにも大きかったことから、この地震の発生年の翌年の1949年に、気象庁によって設定されたもので、従前のYのうち、家屋の倒壊が30%以下の場合はY、30%以上に及んだ場合はZとされた。しかし、このZは、1949年以前の地震については、福井地震を含め、さかのぼって適用しないこととされたため、今回の地震に際して、初の適用となったものである。

(7) 危険列島 1995/2/22 技術の枠を結集した構造物の危険性 PAGE 206-207
 1、考慮すべき活断層とは?
 活断層とは、一般に、地質年代の最後の年代である新生代第四紀に活動したと見なされる断層をいうものであるが、耐震設計審査指針は、第四紀を、約180万年前から現在までの期間とするとともに、活断層については、「第四紀に活動Lた断層であって将来も活動する可能性のある断層をいう」と限定的に定義した。

地震名:福井地震
発生年月日:1948.6.28
震央位置(北緯):36度10分
震央位置(東経):136度12分
規模(M):7.1
震源深さ:0
死者数(人):3769
震源断層の活動度:B〜C

(8) 危険列島 1995/2/22 技術の枠を結集した構造物の危険性 PAGE 202-203
 ○考慮すべき直下地震をM=6.5に限定したことの「怪」
 しかし、全国各地に起こった既往の内陸直下型地震のなかには、前記の濃尾地震(M=8.0)を最大として、M=6.5以上のものが枚挙にいとまがないほど存在している。戦後最悪の被害地震である福井地震(M=7.1)は、福井平野の直下で起こった典型的な内陸直下型地震であるが、この地震による死者数(3769人)は、戦後に起こったいずれの海洋型地震によるそれをはるかに上回り、内陸直下型地震の恐ろしさをきわめて明瞭に示す結果となった。

(9) 危険列島 1995/2/22 技術の枠を結集した構造物の危険性 PAGE 200-201
 地震断層は、すでに述べたように、M=6.5以上、震源深さが20km以浅の内陸直下型地震が起こった場合に、しばしば出現する。そして、日本では、これまでに21例が知られているが、濃尾地震の際に出現したものが最大で、変位量は、垂直方向に最大6メートル(水島地震断層)、水平方向に最大8メートル(根尾谷断層)に達した。また21例のうち、海洋型地震によるものは、安政東海地震および関東大地震の際に出現した各1例ずつがあるだけで、さらに、21例のうち17例までが、M=6.5以上の地震に際して出現している。
 しかし、現在の地質学あるいは地震学の水準では、地震断層の出現しそうな場所、出現した場合の延長距離や変位量などの予測は、まったくできない。

(10) 危険列島 1995/2/22 技術の枠を結集した構造物の危険性 PAGE 172-173
 最後に、日本の原発に地震による事故がまだ起こっていないことについて、貴下(※)がどう認識されているのかをおたずねいたします。
 この点について、私は、日本の原発の歴史がまだ浅いことと、昭和23年の福井地震を最後に、日本では1回の地震で千人を超える死者が出たような大被害地震がまったく起こっておらず、日本は全体として地震活動の静穏期に入っていることによるものと考えております。
 近い将来、日本が地震活動の旺盛期に突入し、終戦を挟んだ数年問のように、大被害地震が続発し、しかも、それらのうちのあるものが原発を直撃するといった事態もありえないことではないと思われます。
 貴下におかれては、こうした点にくれぐれもご留意のうえ、地震国日本の原発は、はたしてどこまで安全なのかを、慎重に検討されますことを、心から念願いたす次第であります。
(おごせ・すなお)
(※)引用者注:ここでいう「貴下」とは東京電力社長の那須翔氏の意味である。

(11) 松田時彦 1995/12/20 地表の地震断層と地下の震源断層
 このような地裂線は、それをさかいとして土地が系統的にくいちがっているので、地質学でいう断層の一種です。このばあいのように、地震のときに地表に出現した断層のことを地質学者は古くから「地震断層」とよんできました。地表で観察されたということがだいじなので、「地表」をつけて「地表地震断層」ともいいます。大部分の地震断層は、震源断層の一部あるいは大部分が地表まで達したものと思っていいでしょう(図10)。震源断層につながらない根無しの地震断層もあるかもしれませんが、一般に小規模です。わたしたちは、このような一貫した性質をもつ地裂線を震源域で見つけたとき、それは地震波をおこした地下の震源断層の一部が地表に現れた地震断層であると考えます。
 地震断層は、これまでにも日本列島の直下でおこった大地震(ふつうM7前後以上)のときに現れています。濃尾地震のときの根尾谷断層はその好例ですが、それ以後にも、1896年陸羽地震(M7.2)、1927年北丹後地震(M7.3)、1930年北伊豆地震(M7.3)、1943年鳥取地震(M7.2)、1945年三河地震(M6.8)などのときに明瞭な地震断層のことがあらわれました。


(12) 反原子力 1996/10/20 第一分科会_神戸からの声_地震と原発__生越忠さん講演
 ところが、神戸新聞などの一部マスコミは、「気象庁初の震度階Z」というべきところを「史上初の・・・」というふうに誤って報道したことがありました。
 しかし、震度階Zが設定されたいきさつから考えると、福井地震の震度階は、発生当時はYとされていたものの、この地震による被害があまりにも大きかったためZが設定されたのですから、現在では当然、Zと読みかえなくてはならないものとなります。また、1949年以前の地震のなかにも、YをZと読みかえなくてはならないものが沢山あり、私が勘定したところでは、1891年10月28日の濃尾地震(M=8.0)以降の約100年間に、少なくとも20以上を数えることができます。
 いずれにしても、兵庫県南部地震が発生する以前にも、Z相当の地震は数多く起こっていたのですから、神戸新聞などが報道したような「史上初の・・・」という表現は、明らかに誤っていることになります。

(13) 新社会 1997/11/25 地震列島日本 原発が危ない! 生越忠さん 日本列島どこでも強い地震の危険性
 阪神大要災(兵庫県南部地震、M7.2)のあと、政府や電気事業者、原発推進の学者らは「震度階七相当の地震動に揺られても絶対に大丈夫」と断言した。
 しかし、日本における直下型地震の最大規模のものとしては、濃尾地震(1891年、M8.0)があり、地震波として出されたエネルギーは、兵庫県南部地震の16倍にも及ぶ巨大地震だった。

(14) 北国新聞 1997/12/30 加賀−福井−濃尾平野 巨大活断層帯が存在 金大、京大がデータで裏付け
 加賀市沖から福井、濃尾平野にかけて日本屈指の巨大活断層帯が存在することが29日までに、金大理学部、京大防災研究所による過去3年間の地震活動データでほぼ裏付けられた。今月19日に起きた加賀市沖を震源とする地震もこの断層帯が原因と推定され、両大学の地震研究者は百数十キロに達するとみられる断層帯の監視活動を強化する一万、石川、福井、岐阜など各県の共同調査の必要性を指摘している。
 金大理学部などが指摘する活断層帯の上では明治24(1891)年に死者七千人余を数えたマグニチュード(M)8・0の濃尾地震、昭和23年にはM7.1の福井地震が発生している。


(15) 環境新聞 1999/9/1 原発の耐震基準に不備 地質の違いで発生の異常震域考慮せず 生越・和光大元教授
COMMENT_
(16) 福井新聞 2006/12/8 中部・近畿圏 直下地震 地盤弱い地域 震度7 中央防災会議 初の予測公表 東南海より早期か 中部・近畿圏の地震
 中部・近畿圏の地震
 内陸型の大地震では、過去に伊賀上野地震(1854年)、濃尾地震(1891年)、北丹後地震(1927年)などがある。100−150年周期で発生する海溝型の東南海・南海地震の前後約60年間に起きているケースが多く、内陸型と海溝型の関連が指摘される。阪神大震災(1995年)などの発生を踏まえ、政府は「東南海・南海地震が活動期に入った可能性が高い」としている。


(17) 毎日 2007/7/17 ひずみ集中帯で多発 「中越は活動期」証明 海底断層調査は不十分
 新潟北部から神戸市にかけて幅約100キロの帯状に広がる地域は、「新潟ー神戸ひずみ集中帯」と呼ばれている。GPS(全地球測位システム)観測などにより、幅100キロ当たり年1センチの割合で地面が縮み、他の地域よりひずみの蓄積度が数倍高いことが分かってきたためだ。阪神大震災や能登半島地震もこの集中帯で起きた。
 過去の地震の発生状況を見ると、北陸信越地域と同様に、近接した地域で大きな地震が頻発する傾向がある。例えば、西日本の日本海側では1872年〜1948年、浜田地震(島根県)▽北丹後地震(京都府)▽鳥取地震(鳥取県)▽福井地震(福井県)ーとM7級地震が頻発した。
 地震予知連会長の大竹政和・東北大名誉教授(地震学)は「中越地域は地震の活動期に入ったと指摘してきたが、証拠がまた増えてしまった。中越地震や今回と同規模の地震が、数年後など比較的短期間に起こる恐れがある」と警告する。


(18) 中日新聞 2011/7/4 どの活断層も危険性 遠方でもずれ発生 高まる発生確率
 1944年12月に三重県沖でプレート境界型の昭和東南海地震(M7・9)が発生した際、一カ月後の45年1月に三河地震(M6.8)が発生。2306人が死亡し、七千戸超が全壊したとされる。さらに、48年6月の福井地震(M7.1)も昭和東南海の誘発地震だと考えられている。


(19) よせ新聞 2012/4/15 再稼働以前の問題だ 連動地震の危機が迫っている1
 特に気になるのは、太平洋のプレート境界地震が起きる前後に集中して北陸地方で地震が起きていることだ。
 先の福井地震も、その前年に東南海地震が起きている。能登半島沖地震は今回の東北地方太平洋沖地震と時間的にとても近い。
 さらに、富山県と岐阜県にまたがる全長70キロに及ぶ跡津川断層こよる巨大地震は、1858年の安政年間、つまり安政東海地震の4年後に起きているし、北陸地方にも大被害を出した濃尾地震は1891年で明治三陸沖地震の5年前だ。
 数年の時間差をもって、太平洋の巨大地震と連動すると考えて不自然では無い。最近になって地震が増えたように感じるのは、たまたま50年続いた地震静穏期が終わったということだろう。

 若狭湾にも、防潮堤は存在しない。耐震補強も進んでいない。金沢などの町屋は、観光地としては魅力的だが地震対策の目で見れば絶望的な密集状態だ。
 福井地震(1948年)や能登半島沖地震(2007年)はあったものの、大さな津波を伴う災害ではなかった。しかし歴史をさかのぼれば、北陸地方も大規模震災の経験がいくつもある。
 特に気になるのは、太平洋のプレート境界地震が起きる前後に集中して北陸地方で地震が起きていることだ。
 先の福井地震も、その前年に東南海地震が起きている。能登半島沖地震は今回の東北地方太平洋沖地震と時間的にとても近い。
 さらに、富山県と岐阜県にまたがる全長70キロに及ぶ跡津川断層こよる巨大地震は、1858年の安政年間、つまり安政東海地震の4年後に起きているし、北陸地方にも大被害を出した濃尾地震は1891年で明治三陸沖地震の5年前だ。


(20) 気象庁 2016/6/24 ホーム>知識・解説>よくある質問集>地震について
断層とは何ですか?
 地震は、地下の岩盤が周囲から押されることによってある面を境としてずれる現象のことをいいます。このずれを断層といいます。通常、地層は水平に堆積しています。地震による岩盤のずれによって、この層を断ち切るためにこのように呼ばれています。断層は面的な広がりがあり、断層面といいます。震源の深さが地表に近くなると断層が地表にまで現れることがあり、兵庫県の淡路島の野島断層や岐阜県本巣市の根尾谷断層が有名です。

(21) Wikipedi 2016/7/10 地震の年表(日本)
COMMENT_
(22) ジオぎふ 2016/7/15 根尾谷地震断層(水鳥の断層崖)
 根尾谷断層が1891(明24)年に動いたことで形成された根尾谷地震断層を代表する場所であり、国の特別天然記念物「根尾谷断層」として指定されており、約500mにわたり約6mの縦ずれにより形成された断層崖である。
 この断層崖は濃尾地震断層系を象徴する場所になっているが、全体としてみるとかなり局地的で特殊な原因で起こった縦ずれ運動で形成されたことになる。なお、この断層崖の地下の様子は「地震断層観察館」で見学できる。


(23) いちろう 2016/9/1 (危険!!)基準地震動が過小評価されている_ちょぼちょぼ市民連合
COMMENT_
(24) 島村 2017/2/10 繰り返されてきた連動地震の恐怖
 日本史上、もっともナゾが多い巨大な地震がある。天正地震だ。
 天正13年11月29日、いまの暦では1586年1月18日に起きた地震。被害は、現在の福井県、石川県、愛知県、岐阜県、富山県、滋賀県、京都府、奈良県、三重県に広く及んだ。
 現在の富山県にあった木舟城は、液状化であっという間に姿を消したと言われている。城主ら城内の人はもちろん死亡した。
 大地震の被害の広がりはマグニチュード(M)7.9を記録した1891年の濃尾地震よりもずっと大きかったことになる。濃尾地震は日本最大の内陸地震で、被害の範囲は岐阜、愛知、滋賀、福井の各県に及んだ。死者行方不明者は7000人以上、全壊家屋は14万戸以上にも達した。
 だが、天正地震には、濃尾地震のときにはなかった津波が日本海岸の若狭湾、太平洋岸の三河湾の双方を襲って多くの溺死者を出すなど、津波でも大被害を生んだ。
 昔だから正確なマグニチュードは分からないが、とんでもない大地震が日本の中央部を襲った可能性がある。
 じつは、濃尾地震も内陸直下型地震としては異例の大きさだった。内陸の地震としては地震学の常識より10倍もエネルギーが大きな地震が起きたのだ。このため、複数の断層が連動したのではないかという学説もある。

(25) アエラ 2019/3/30 日本は地震対策を過信していた? 被害広げた「2大神話」の存在
COMMENT_
(26) たんぽぽ 2019/8/24 「地震・環境・原発研究会」と私 たんぽぽ舎30周年記念に寄せて 杉森弘之 (茨城県牛久市議会議員)
COMMENT_
(27) たんぽぽ 2019/8/27 たんぽぽ舎のフィールドワーク 根尾谷断層、浜岡、東海、足尾銅山(鉱毒事件)を歩く
COMMENT_
(28) 福和伸夫 2020/6/29 いまだに続く東日本大震災の余震、長引く超巨大地震の影響
 ちなみに、濃尾地震の震源域ではいま(2020年)だに余震と思われる微小地震が数多く観測されているようです。濃尾地震の約50年後の1945年には、濃尾地震の震源域の南東側でM6.8の三河地震が、1948年には北西側でM7.1の福井地震が発生しました。

(29) 伊方原発事務局 2020/8/1 ガルでみる日本の最大地震動 現実の地震動と原発の耐震性を比べてみました
 日本の一般建築物の耐震基準は大地震で人と建物に深刻な被害が発生するたびに改正強化されてきました。
 建築基準法は、1948年の福井地震をきっかけに1950年に制定されます。戦後間もない圧倒的な住宅不足の実情を踏まえ、人命保護と財産保全を目的に最低の基準を定めた技術法令でした。この建築基準法に重大な改正をもたらしたのが1978年の宮城県沖地震です。1981年には新耐震基準が誕生。「震度5強程度の中規模地震では軽微な損傷、震度6強から7程度の大規模地震でも倒壊は免れる」強さにすることを義務づけました。

(30) 東京 2021/2/16 終わらぬ恐怖 「今回ほど大きいものが来るとは」
COMMENT_
(31) 福井新聞 2022/6/28 福井県の大部分は大地震が起こりうる「ひずみ集中帯」 福井地震74年
 1948年6月の福井地震から6月28日で74年となった。気象庁で地震、津波の情報発信の最前線に立つ鎌谷紀子・地震津波監視課長(55)=福井県越前市出身=は「福井県は大きな地震が起こるポテンシャルが高い領域に含まれている」と指摘し、日頃からの備えが大切と呼びかける。
 今後、福井で大地震が起きる可能性は。
 「現在の科学的知見からは地震の確度の高い予測は難しいと考えられており、日頃から備えておくことが大切。エリアで見た場合、新潟から神戸にかけて、ひずみの蓄積速度が速いと言われている帯状の領域『新潟―神戸ひずみ集中帯』がある。集中帯は両側(東西)からギューっと押されて地殻がひずんでいるが、福井県の大部分がこの領域に入っている。過去に新潟地震(64年)、兵庫県南部地震(95年)、新潟県中越地震(2004年)など大きな地震が度々発生し、福井地震もその一つ」

 ◇新潟―神戸ひずみ集中帯
 新潟から神戸に延びる地殻の変形(ひずみ)が特に大きい領域。領域の境界線は明確になっていないが、東西から押す圧力によって、幅が年間1〜2センチずつ縮まっているという。国土地理院の鷺谷威氏(現名古屋大学減災連携研究センター教授)らが、全国に設置されたGPS(衛星利用測位システム)を用いた研究で2000年に提唱した。


(32) 島村 2022/9/30 台湾で地震が2回 「南海トラフ」と同じような地震が起きる
COMMENT_
(33) 共同 2023/2/25 トルコで断層9メートル超ずれ 内陸地震で世界最大級か
 マグニチュード(M)7.8〜7.5だったトルコ・シリア大地震では活断層によって地表が最大約9.1メートルずれたことが、産業技術総合研究所(茨城県)による25日までの分析で判明した。地震後に撮影した航空写真を分析した。日本の観測史上最大の内陸地震で、1891年に岐阜県などを襲った濃尾地震(M8.0)の約8メートルを超える。近藤久雄主任研究員(古地震学)は「内陸の地震で水平方向のずれとしては世界最大級だろう」としている。

(34) 島村 2023/7/28 関東大震災から100年まで1カ月 地震予知の歴史
COMMENT_
(35) CBCニュース 2024/1/4 南海トラフ巨大地震 約50年前 「中部地方」・「近畿地方」で大きな地震
 (田所敬一准教授)
 「今回の能登の地震が、南海トラフ地震を誘発するとうことはないと思う。ただ過去の事例を見ても、南海トラフ地震が起きる50年くらい前、中部地方とか近畿地方で内陸で大きな地震が起こっている」ことし、発生から丸80年を迎える、南海トラフ巨大地震の一つ、1944年12月の「昭和東南海地震」では、「津波」や「強い揺れ」で三重県を中心に大きな被害が出ました。その53年前には、岐阜県の根尾谷を震源に、マグニチュード8.0という史上最大の内陸直下型地震と言われる「濃尾地震」が起きています。(田所敬一准教授)
 「中部地方は特に活断層が日本の中でも密集した場所。(東海3県など)中部地方の他の地域でも内陸で大きな地震が起こるかもしれないので注意してほしい」

(36) 規制委 2024/1/10 規制委員会_令和6年能登半島地震における原子力施設等への影響及び対応_議事録
○石渡委員
 今回の地震、マグニチュード7.6というのは、今まで観測された地震で、西日本でマグニチュード7.6を超える地震というのは、1946年の南海地震まで遡ります。あれは海溝型の地震ですけれども、今回のような内陸地殻内の地震でマグニチュード7.6以上というのは、1891年、明治24年の濃尾地震まで遡ります。ですから、そういう意味で、西南日本では100年に一度ぐらいしか起きないような大きな地震が起きたということだと認識をしております。

戻る 記事終了 戻る