[2024_01_21_08]能登半島は「空白地帯」 地震調査委、活断層評価が後手に(毎日新聞2024年1月21日)
 
参照元
能登半島は「空白地帯」 地震調査委、活断層評価が後手に

 05:00
 能登半島地震で被災した石川県の地震想定が、四半世紀前から見直されていなかった。能登半島における国の活断層評価が後手に回ったことが背景にあると指摘する専門家もいる。実態はどうなっていたのか。

<スクープ>石川県、M7.0地震想定、四半世紀見直さず 津波は震災後に変更
 なぜ、石川県は地震想定を四半世紀見直さなかったのでしょうか。検証しました(全2回の2回、1回からつづく)。
第1回・「何とかなると…」 地震想定を見直さなかった石川県の「思い込み」
第2回・能登半島は「空白地帯」 地震調査委、活断層評価が後手に
【図解】 能登半島の活断層 群発地震のイメージ

 「もっとちゃんとやればできたかもしれない。残念に思っている」。15日の政府の地震調査委員会の記者会見で、委員長の平田直・東京大名誉教授は肩を落とした。
 その理由は、能登半島における、調査委による活断層の評価が間に合っていなかったことにある。被災した石川県が、自ら地震想定を見直さなかった理由に挙げたのも、この点だった。
 調査委は、活断層を3種類に分け、今後の発生確率などを評価する「長期評価」を行ってきた。
 @M7以上の地震を起こす陸域の活断層(主要活断層)A主要活断層より小さいM6・8以上の地震を起こす陸域と沿岸部の活断層BM7以上の地震を起こす海域の活断層――だ。
 主要活断層は全国に114あるが、能登半島では陸域には一つも見つかっておらず、@はそもそも対象外だ。
 Aは対象が多いため、全国をエリアで区切ってまとめて調べる「地域評価」を実施し、九州▽中国▽四国▽関東――の4地域の評価が、2013年から順次公表された。現在は近畿を評価中で、能登地方を含む中部は後回しになっていた。
 Bは17年に始まり、22年に九州・中国地域の日本海側の評価を公表した。現在は近畿沖から順次、東に向けて進めている最中で、能登半島沖は、公表時期の見通しすら示されていない。
 つまり、能登半島は国の評価の「空白地帯」となっていたのだ。
 この理由について調査委事務局は「評価のための研究の蓄積や議論に時間がかかっていた」と説明する。
 今回の震源断層のような海底活断層は直接見ることが難しく、音波探査をした後に地質調査を行うため、陸域での調査に比べて時間がかかる。さらに沿岸部の浅い場所では、大きな船による調査が難しいという。
(後略)
KEY_WORD:能登2024-海域活断層の評価が後回し_:NOTOHANTO-2024_: