[2024_01_10_14]志賀原発で想定超える揺れの強さ 1、2号機とも福島事故前の設定の甘さ露呈 核燃料冷却など安全は確保(東京新聞2024年1月10日)
 
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志賀原発で想定超える揺れの強さ 1、2号機とも福島事故前の設定の甘さ露呈 核燃料冷却など安全は確保

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 北陸電力志賀原発(石川県志賀町)で、能登半島地震で観測した揺れの強さを示す加速度が、設計上の想定を上回っていたことが分かった。東京電力福島第1原発事故前の見込みの甘さが露呈した格好だ。志賀町では最大震度7を観測。北陸電は使用済み核燃料の冷却などの機能は確保できているとしている。
 10日の原子力規制委員会の定例会合で、北陸電から報告を受けた規制委事務局が説明した。地震で志賀原発では1号機原子炉建屋地下で震度5強を観測。建屋の基礎の下で観測した加速度は、1、2号機とも設計で考慮した加速度をわずかに上回った。
 志賀原発は福島事故後に策定された、再稼働の前提となる新規制基準に適合していない。観測した加速度を、旧原子力安全・保安院時代に設定した数値と比較した。
 北陸電によると、志賀原発では変圧器の配管破損で油が漏れ、海にも漏えいした。使用済み核燃料プールの水の飛散や地盤沈下なども起きた。敷地前面では最大3メートルの津波を確認したが、敷地内の浸水はなかったとしている。(渡辺聖子)

 志賀原発
 北陸電が石川県志賀町に保有する。1号機(沸騰水型軽水炉、54万キロワット)は1993年、2号機(改良型沸騰水型軽水炉、135万8000キロワット)は2006年に営業運転を始めた。1号機は11年3月にトラブルで停止し、そのまま定期検査に入った。2号機は同月に定期検査入りして以降停止し、原子力規制委員会が現在、新規制基準への適合性を審査している。1999年6月に定期検査中の1号機で制御棒が抜け、炉心の一部で核分裂反応が連続する臨界状態になる事故が発生したが隠蔽(いんぺい)し、2007年になって公表した。
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