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[2024_11_18_36]石渡明 会見 質疑応答4(日本記者クラブ_石渡明(前原子力規制委員会委員)_会見2024年11月18日) | ![]() |
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[会見動画頭出し]
15:30 質問 石川県の北國新聞の中山というものです。能登半島地震について、先ほど生きてるうちに目にすると思っていなかったというようなお話もあったと思うんですけれども、改めて先生金沢大学の教育も務めておられまして、能登半島のことをよくご存知だと思うので、能登半島地震に関する受け止めをもう少し聞かせていただきたいのと、今回の地震によって、その原発の審査にどういう影響があるのかというのをお聞かせ願いたいです。 あともう1つ石川県の志賀原発なんですが、元々、有識者調査団の方で、活断層を否定できないという結果が出まして、その後色々追加資料なんか、北陸電力から出て、で改めて審査した結果、活動性はないという結論が出たと思うんですけれども、その電力会社側のその対応状況について、先生の方でどう思われてるのか教えていただきたいです。 回答 はい能登半島地震の受け止めですけれども、まあ日本の地質というのはいわゆるフォッサマグナ、糸井川静岡線を境に東と西でかなり違うわけですよね。 で今までの大きな地震というのは、最近50年間ぐらいは、全て東日本で起きてきました。特にマグニチュード7.5を超えるような地震というのは、東日本あるいは北海道沖・千島沖で起きてきていまして、西日本では1960年代にマグニチュード7.5の地震が1回ありましたが、それ以後50年以上にわたって、60年ぐらいにわって、マグニチュード7.5を超える地震というのはありませんでした。 熊本地震も、阪神大震災、あれも7.3です。能登で7.5を超える地震が起きたのはですから、まあ5、60年ぶりです。西日本では、そういう意味で非常に珍しい。ではもっと前に、そういう大きな地震が起きてるかというと、これもあんまりないんです。 南海トラフはもちろんありました。これは昭和の戦争終戦前後ですね。1944年46年に東南海、南海地震あいついで、2年おいて起きました。でその前は明治時代に、濃尾地震とていうのがあった。これはマグニチュード8という内陸の地殻内で起きる地震としては、日本で最大の地震です。 この時大きな断層ができまして、根尾谷断層という、岐阜県に今でも断層の保存館がありまして、皆さんあそこへ行くと、断層がよく見えるようになっています。是非行ってご覧になったらいいと思うんですけれども。最大8mのずれが生じましたですから、今回の4mのずれというのは、それにつぐものです。 あれはマグニチュード8ですけど、今回7.6だから、だいぶ小さくなる。7.6と8と比べるとエネルギーは1/4です。それにも関わらず4mの隆起が非常に広い範囲であった。東日本で言いますと、1923年に関東大震災っていうのはございました。これは東京の人はもうすぐ起きるんのではないかと心配してるわけですけど、この地震はマグニチュード7.9でした。 それでこの地震の時に、実は地面の上でも断層が出たんです。それは三浦半島で、下浦(したうら)地震断層という地震断層が出ました。それから房総半島では、延命寺(えんみょうじ)断層というのが、館山のちょっと東で出た。その断層が出た距離が大体その海底の相模湾の断層から30kmのところの地面で、地震断層が出ました。 ずれは大体1mから2mぐらいです。それと同じような断層が、今回珠洲の若山川沿いで大体2mぐらいの断層が出た。あれの断層からの距離が20km弱ぐらいですかね。ですから、本当になんていうか今回の地震っていうのは、その規模から言って、関東大震災あるいはその西日本で言うと濃尾地震に匹敵するような、規模の地震が起きたいうことになります。 原子力規制にこれからどういう風に取り入れるべきかというのは、これは今一生懸命研究者が研究してるところですので、中々予断を持っては言えませんが、はっきりしていることは、当然地震動として志賀原発なり、他の原発にも取り入れなきゃいけません。 それは断層のモデルというものをしっかり作って、それによって、断層のどの部分から、どれくらいの強い地震波が出るかっていうのを、1区画1区画決めて、それを総合して、地震の波形を計算するんで、こういうことを毎回その発電所ごとにやっています。 ですから、当然今回の地震のその断層モデルというものをしっかりと決めていただく必要がある。 でこれを元にして地震動を計算しますので、これについては色々アイデアは出ていますが、まだ確定的ではないように思います。まだ解析の途上なんではないかなと思っています。 でそれを決定版を出していただいて、それを元にして計算をするということになります。 それから、隆起の影響については、先ほど申し上げた通りです。 あれは当然大きな影響ありますので、対策これについては、だから対策がある程度取れるということです。で幸いにして、今回の地震では液状化というのは、敷地内ではほとんど見られませんでした。 それから我々は敷地内断層の評価というのを行いました。でこれは、おっしゃったように最初は有識者の時は、これは活断層の可能性が否定できないという判断でした。 それはS1断層のその南の方の延長部でトレンチを掘ったわけです。山を掘って、その断層を出したわけで、そこでは全くずれていませんでした。 これは有識者も認めています。そこでは、全然ずれていませんでしたが、その問題はその原子力発電所を作った時のスケッチ、原子炉の直下で、トレンチを掘って、当然断層を調査した。 その時のスケッチが、いかにも断層がずれたような感じに見えるということで、保安院の時代から、これは活断層ではないかということを専門家の人が言って、でこれについてはもう露頭がないので、これは検証のしようがないんで、スケッチを見ても、なかなかよく分からないんです。 あれが本当に動いたのかどうかっていうのは、スケッチだけから判断するのは非常に難しい。で結局やはりその安全側に見るということで、特に地形をやっている人たちは、その海側にちょっと変な地形があるということを見つけて、でこの地形はもしかしたら断層が動いたのではないか、ということで、これは否定ができないということで、有識者の調査団の結論としては可能性がを否定できないと、ただし圧倒的にデータが不足しています、ということは評価書にも書いてあります。 こういうことについて、調査をしてくださいという、その講調の項目まで、全部書いてあります。で北陸電力は非常に真摯にそれを受け止めて、詳しく調査をしていただいて、特に断層に関しては、色々な大学の先生にお伺いを立てて、非常に詳しく調査をしていただいて、いわゆる先ほどのお話で、上載地層法と鉱物脈法があるとで、最初の結論は北陸電力は上載地層法でしかやってなかった。 それを鉱物法のデータをたくさん出された。これが決定的で、全然動いてないですよね、ということがはっきりしたわけです。鉱物脈はずれていないということは分かったので、それで我々はこれは活動性がないという結論にしました。 で今回あれだけの大きな地震が起きていて、いわゆるそのまわりの断層がお付き合いでお付き合い断層と言うんですけど、お付き合いで動くということがよくあるわけです。で今回我々は敷地内の断層あるいはその近くの断層がお付き合いで動く可能性があるから、よく調べてくださいということで、北陸電力にお願いして、1cmもずれていませんという結論です。我々が主に評価したものだけで10本ぐらいありますが、どれも全然動いていません。で我々の判断は間違っていなかったという1つの証拠になると思います。 |
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