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●初めに
 今年(2022年)の11月14日に起きた地震が三重県南東沖が震源であるにもかからず、東日本が強く揺れたということで、異常震域という用語がテレビ・新聞によくでてきました。この用語に関連することを各種記事から、以下にまとめたので、参考にしてください。  まず、この異常震域という用語は1926年頃の気象庁の雑誌にあるように、ほぼ100年くらい前から使われていたことがわかる。
 生越忠さんが、原発の耐震設計に使われる金井式(函数のパラメータに震源距離がある)について批判をしている。この異常震域という現象、言い換えれば、震源距離と揺れの強さが単純に反比例しないということから、金井式は破産していると結論付けている。
 地震学では300kmよりも深い地震を「深発地震」としている
 異常震域現象は深発地震でよく発生する。地震動をあまり減衰させない海洋プレートにそって地震動が伝わる。震源の真上は地震動が減衰しやすい上部マントルが主なため、震央ではあまり揺れないのに、遠く離れたところで良く揺れるという現象が起きる。
 記事の中では、この異常という形容詞について、素朴な疑問を呈しているものがあった。「“異常震域”といわれると何か異変が起きているのでは…と思ってしまいますが、地震現象としてはたびたび発生しているので異常ではありません。」というように、異常という言葉の持つインパクトのため、異常という形容詞があるのに関わらず、内容的には異常ではありませんと言い換えるという、曖昧な用語であることは確かだと思います。
 私見ですが、異常震域という現象は、原因についてほぼ解明していると思われるので、100年近く使われている用語ですが、海洋プレート内で地震動があまり減衰しないことから起きる現象であることから、ちょっと長いですが、「海洋プレート地震動未減衰現象」とかどうでしょう。

 ※下記の記事抜粋の中の赤色アンダーラインは編集者(地震がよくわかる会)で加えたものです。なお、文中にある”※”以降の文章は編集者のコメント等になります。

●異常震域の模式図

●異常震域の震度分布図
2021年9月29日に日本海中部で発生したM6.1、深さ394km、最大震度3の地震
[気象庁の 震度データベース から引用]


●異常震域現象が起きた地震の一覧

■1984/01/01 三重県南東沖 M7.0 深さ388q 最大震度4
■1994/07/22 ウラジオストク付近 M7.3 深さ552km 最大震度3
■1994/10/04 根室沖 M8.2 深さ28km 最大震度6
■2002/06/29 ウラジオストク付近 M7.0 深さ589km 最大震度2
■2003/11/12 三重県南東沖 M6.5 深さ395km 最大震度4
■2006/06/12 大分県西部 M6.2 最大震度5弱
■2007/07/16 京都府沖 M6.7 深さ374km 最大震度4
■2015/05/30 小笠原諸島西方沖 M8.1 深さ682q 最大震度5強(※)
       ※当地震の余震の深さが751q、世界最深の地震だった。
■2019/07/28 三重県南東沖 M6.6 深さ393q 最大震度4
■2021/09/14 東海道南方沖 M6.0 深さ385km 最大震度3
■2021/09/29 日本海中部 M6.1 深さ394km 最大震度3
■2021/10/21 東海道南方沖 M5.6 深さ356km 最大震度3
■2022/05/09 遠州灘 M5.2 深さ341km 最大震度2
■2022/11/14 三重県南東沖 M6.4 深さ362km 最大震度4


●記事一覧

( 1 ) 気象庁 1926/05/01 異常震域を表せる地震記象(*)について_石川高見_気象庁_驗震時報第2巻_pp.7-15

    (*)地震記象(じしんきしょう)とは地震計に記録される
        地震動の波形記録のことである。(Wikipediaより)
 本邦の常磐地方又は東京湾より北東沿岸の北関東地方に於ては八丈島付近の地震又は日本海方面に発した地震に際して他の地方に少しも人身感覚がないのに此地方のみが独り飛び離れて地震を感ずることがある。そして斯かる異常の震域を成す地域は一定した地方である。
 最近の二、三年間に於けるだけでも左の表にある様にあえて珍しいことではない。
(後略)

■1984/01/01 三重県南東沖 M7.0 深さ388q 最大震度4
■1994/07/22 ウラジオストク付近 M7.3 深さ552km 最大震度3
■1994/10/04 根室沖 M8.2 深さ28km 最大震度6

( 2 ) 地震基礎 1997/11/20 震源・震源域

 地震が発生したとき、その地震を発生させた活断層の最初に破壊した点を「震源」、震源の真上の地表の点を「震央」という(図1)。また、一般に震央付近の地域を「震源地」ということがある。震央までの距離を「震央距離」、震源までの距離を「震源距離」という。

( 3 ) 新社会 1997/11/25 地震列島日本 原発が危ない! 生越忠さん 日本列島どこでも強い地震の危険性
 耐震設計審査指針(78年制定、81年改定)の策定前の原子炉は、敷地基盤の最大加速度振幅(Amax、単位=ガル)、また策定後は敷地碁盤の最大速度振幅(Vmax、単位=カイン)が求められている。
 これらの数値は、マグニチュード、震源距離、卓越周期の函数による「金井」と呼ばれる経験式によって計算されるが、AmaxもVmaxも、とくに大陸プレート内地震の場合、震源距離よりも断層距離(起震断層からの距離)の方にいっそう大きく左右されるので、計算値を震源距離の函数とするのは妥当ではない。
 金井式はさらに、(1)震源距離が小さい場合は適用し難い、(2)地盤条件がまったく考慮外に置かれている、(3)異常震域の問題も完全に無視されている、といった決定的な問題があり、完全に破産している。
 「金井式」の破産は、1994年7月22日午前3時38分ごろ、ウラジオストク付近を震源とする地震の際の地震波の伝わり方によって証明される。
 この地震の震源の深さは約560km。地震の規模はマグニチュード7.8と推定され、かなり大型の地震だった。
 この地震の特徴は、震源がウラジオストク沖の日本海で起きたにもかかわらず、東京や小名浜は震度3で、日本海側の秋田、新潟、輪島、鳥取は震度1だったこと。日本海側で起きた地震なのに、まるで太平洋側で起きた地震のように感じるこのような現象は「異常震域」と呼ばれ、地球の表面を覆う巨大な岩盤であるプレートが犯人。

( 4 ) 環境新聞 1999/09/01 原発の耐震基準に不備 地質の違いで発生の異常震域考慮せず 生越・和光大元教授
 耐震設計の元になる計算式は原子力発電所耐震設計技術指針(電気協会)に明記される「村松方式」と呼ばれる計算式で敷地の被害を想定するが、その際、敷地の震度の高低を大きく左右する要素になる「震源の深さ」が考慮されていない。また、地下300メートルの硬石からなる岩盤に設置した地震計の観測結果に基づき考案された「金井方式」で耐震の最強地震を考えるが、実際の原発の基礎岩盤は軟石で最大深度40メートル程度。同方式はこの「地質の違い」か考慮されていないほか、震源距離が短いと震度が異常に高くなる「異常震域」も考慮されていない。

( 5 ) 東大出版 2002/05/27 日本海東縁の活断層と地震テクトニクス

■2002/06/29 ウラジオストク付近 M7.0 深さ589km 最大震度2

( 6 ) 防災科学 2002/07/06 2002年6月29日 ウラジオストク付近の地震
 日本時間の2002年6月29日午前2時19分ごろ,ロシア連邦・ウラジオストク(Vladivostok)付近の深さ590kmでマグニチュード7.2の地震(気象庁震源情報による)が発生し,北日本から東日本の広い範囲で有感となりました。

■2003/11/12 三重県南東沖 M6.5 深さ395km 最大震度4

( 7 ) 資料情報 2006/01/19 女川原発の耐震設計に関する公開質問状
また、震源深さが深いほど地震動強さが大きいことも当時すでに明らかであった[8][9][10][11][12]。東北日本での深発地震の特性についてもすでに研究されており[2]、これらの研究成果に注目しておれば、沈み込んだプレートにおけるプレート境界地震やスラブ内地震が敷地境界へ及ぼす影響を過小評価することはなかったと私たちは考えるが、いかがか。
 したがって、女川原子力発電所に関する耐震設計の安全審査には重大な瑕疵があると私たちは考えるが、いかがか。

■2006/06/12 大分県西部 M6.2 最大震度5弱

( 8 ) 朝日新聞 2006/06/12 九州・中四国、震度5弱 静岡まで広範囲に揺れ 「異常震域」遠くても強い揺れ
 今回の地震は、探さ約146km、深く挑み込むフィリピン海プレートの内部で起こった。内陸の浅い地震と違い、プレート付近の深い地震は、プレートを伝わって揺れが遠くまで伝わりやすい。
 地震は一般的に、震源の真上の震央で揺れが強く、震央から離れると震度は同心円状に小さくなるが、今回は、震度の大きい地域が東に偏った。震央により近い福岡市が震度2なのに、震央から離れている愛媛県今治市や広島県呉市で、震央近くの大分県佐伯市で観測された震度と同じ震度5弱を観測した。このように、震源から遠くても、震度が震源に近い場所より大きくなる地域は「異常震域」と呼ばれる。

■2007/07/16 京都府沖 M6.7 深さ374km 最大震度4

( 9 ) G-maブ 2011/01/01 ★大災害データベース/近年の日本の強震録(2001年〜2010年)

■2015/05/30 小笠原諸島西方沖 M8.1 深さ682q 最大震度5強(※)
    ※当地震の余震の深さが751qとなり、世界最深だったことが分かった。

( 10 ) 朝日新聞 2015/05/31 小笠原沖M8.5 震度5強、関東でも 広範囲で長い揺れ
 気象庁によると、震源の深さは約590km、地震の規模を示すマグニチュード(M)は8.5(速報値)。日本周辺でM8.0以上を観測したのは、2011年3月の東日本大震災(M9.0)以来。M8.5は1885年以降でみても、東日本大震災に次ぐ2番目の規模だという。
 ただ、震源の深さは東日本大震災の24kmに対し、約590kmと深かった。東日本大震災は太平洋プレート(岩板)が沈み込む境界で起きたのに対し、今回は沈み込んだ先のプレート内部で起きたとみられている。地表から遠かったため、最大震度は5強にとどまった。
 阿部勝征・東京大名誉教授は「プレートの先端が割れて地震が起きたのだろう」と指摘する。纐纈一起・東大地震研究所教授は「深発地震としては最大級だと思う」と話す。硬いプレートを伝わる形で関東から東北に強い揺れが伝わり、広い範囲を大きく揺らしたとみられる。

( 11 ) 気象庁 2016/06/24 よくある質問集_震度・マグニチュード、その他

震央付近では小さい震度であるにもかかわらず、震央から離れた太平洋側で大きな震度を観測する地震について教えてください。

 震源が非常に深い場合、震源の真上ではほとんど揺れないのに、震源から遠くはなれた太平洋側の場所で揺れを感じることがあります。この現象は、「異常震域」という名称で知られています。原因は、地球内部の岩盤の性質の違いによるものです。
 大陸プレートの地下深くまで太平洋プレートなどの海洋プレートが潜り込んで(沈み込んで)います。通常、地震波は震源から遠くになるほど減衰するものですが、この海洋プレートは地震波をあまり減衰せずに伝えやすい性質を持っています。このため、沈み込んだ海洋プレートのかなり深い場所で地震が発生すると(深発地震)、真上には地震波があまり伝わらないにもかかわらず、海洋プレートでは地震波はあまり減衰せずに伝わり太平洋側に揺れを伝えます。その結果、震源直上の地表での揺れ(震度)が小さくとも、太平洋側で震度が大きくなります。

( 12 ) NHK 2016/06/25 シュト子の首都圏防災ナビ>首都圏地震防災メモ>地震の基礎知識
 震源からの距離によって震度は異なります。マグニチュードが大きくても震源から遠ければ震度は小さくなります。マグニチュードが小さくても震源に近ければ震度が大きくなることがありますので、震源の情報についても注意を払って下さい。震源の深さによっても地表の揺れが変わります。震源が浅い地震は狭い範囲に揺れをもたらし、深い地震は揺れが広い範囲に及ぶという特徴があります。ただし、異常震域といって、岩盤の状況によって離れたところで、より揺れる現象がおこることもあります。

( 13 ) 小林行雄 2017/06/30 内陸地震が起こる原因はフィリピン海プレートにあった - 産総研が解明
( 14 ) マイペデ 2018/07/05 環太平洋地震帯
 太平洋の周辺をとりまく地震帯。世界の浅発地震の80〜90%,深発地震のほとんどが集中。火山帯,弧状列島(西側),高山帯(東側)と相伴い,前面に発達する海溝の沖側では浅発地震が多く,大陸内側へ向かうにつれほぼ45°の傾斜で地震が深くなる。

( 15 ) 島村英紀 2018/11/09 ルーマニアにしか起きない深発地震の被害
 10月末にルーマニアで深発地震が起きた。地震は遠くウクライナやブルガリアでも感じられた。幸いマグニチュード(M)は5.7と小さかったので、被害は壁が落ちたくらいで限られていた。しかし、皆が1977 年に起きたルーマニア大地震(M7.2)のことを思い出して背筋を冷たいものが走った。
 これらの震源の深さは約100km以上もあった。不思議なことに、これらの地震の被害は震源の上ではなくて、100km以上離れた首都ブカレストに集中していた。震源からブカレストまで伸びているプレートに沿って、強い地震波が上がってきたものだと思われている。

■2019/07/28 三重県南東沖 M6.6 深さ393q 最大震度4

( 16 ) ウエザー 2019/07/28 三重県沖の深発地震で異常震域 南海トラフ巨大地震とは別系統
 今回の地震は非常に深い所で発生する「深発地震」と呼ばれるものです。震源に近い東海や近畿で最大でも震度1程度となっている一方、関東や東北に強い揺れが到達しました。
 多くの地震では震央から同心円状に揺れの強い地域が分布しますが、今回の地震は震源が深かったことで、地震波が伝わりやすい太平洋プレートに近い地域が大きく揺れる「異常震域」と呼ばれる震度分布となりました。

( 18 ) 島村英紀 2019/08/23 「異常震域」起こす地下大震度の地震
 7月末に三重県の南の沖で地震が起きた。だがこの地震でいちばん揺れたのは三陸地方で震度4。一方「地元」の三重県や愛知県では、人々がまったく揺れを感じなかった。
 ところで、地震の波は、プレートに沿っては強く、プレートの上、日本列島との間にある上部マントルでは弱くなる。上部マントルは同じ深さのプレートよりは温度が高いので柔らかく、それゆえ地震波の減衰が大きいのだ。それゆえ、プレートに沿って地震波が上がってきた三陸地方で揺れが大きくなる。宮城県では震度4にも達したし、太平洋プレートに近い都内でも震度3だったから、深夜の地震で飛び起きた人も多かったろう。逆に、三重県など、震源の真上では、距離のわりには地震の揺れが小さくなる。これが今回起きた現象なのである。専門的には「異常震域」という。
 このような深い地震があることを最初に発見したのは気象庁にいた地震学者和達清夫である。1920年代の終わりのころだ。これが、その後急速に発展したプレート・テクトニクスの証拠になった重要な発見だ。こういった深い地震がおきることによって、プレートが約700kmのところまで潜り込んでいることがはじめて明らかになった。

■2021/09/14 東海道南方沖 M6.0 深さ385km 最大震度3
■2021/09/29 日本海中部 M6.1 深さ394km 最大震度3

( 19 ) 毎日新聞 2021/09/29 日本海が震源の地震で「異常震域」 太平洋側が揺れた理由とは
気象庁HPから
 震源は日本海だったが、震度2や3を観測したのはほとんど太平洋側。専門家によると、揺れがプレートを伝って広がり、震源から遠く離れた場所で揺れを感じる「異常震域」という現象だという。

■2021/10/21 東海道南方沖 M5.6 深さ356km 最大震度3

( 20 ) 島村英紀 2021/11/19 いまだナゾ多い「深発地震」 小笠原諸島西方沖で震源が世界一深い751kmメートル観測
 世界で一番深い地震が精密な解析でこの夏に分かった。深さは751km。これは余震で、本震は深さは680kmでマグニチュード(M)は7.9。本震の深さもいままでの記録を塗り替えた。震央(震源の真上の地点)は小笠原諸島西方沖だった。
 本震は2015年5月に起きたが、震源が深かったので被害は少なかった。だがMが大きく、47都道府県のすべてで有感地震の揺れ(人が感じる大きさ)が記録された。これは気象庁が1885年に地震の観測を開始して以降初めてのことだ。
 地震学では300kmよりも深い地震を「深発地震」としているが、地震はほとんどが浅いところで起きる。1976年から2020年までに記録された約6万回の中・大規模地震で、70km以深で発生した地震は18%に過ぎず、300km以深で発生したのは、わずか4%にすぎなかった。

( 21 ) 島村英紀 2022/01/21 深発地震後のプレート上のつながり
 2015年5月にマグニチュード(M)7.9の世界一深い地震が起きた東京・小笠原諸島で、今度は正月早々の1月4日に浅い地震が起きた。2015年の地震は深さが700kmを超えたが、今回は深さは77kmで、ずっと浅かった。二つの地震は、同じ太平洋プレートに載っている。このため、深い大地震が、今回の浅い地震を引き起こしたのではないかという学説が強まっている

■2022/05/09 遠州灘 M5.2 深さ341km 最大震度2

( 22 ) NHK 2022/05/13 「異常震域」とは…何が異常?
 “異常震域”といわれると何か異変が起きているのでは…と思ってしまいますが、地震現象としてはたびたび発生している(後述)ので異常ではありません。
 ではなぜ異常といわれるのか。それは通常は「震源の近く」であるほど揺れが大きくなるのに、「震源から遠く離れた場所」で揺れが大きくなるからです。字のとおり、「震域」つまり震度を感じる地域が「通常と異なる」ためです。

■2022/11/14 三重県南東沖 M6.4 深さ362km 最大震度4

( 23 ) 毎日新聞 2022/11/14 三重沖の地震、なぜ東日本が揺れた? 「異常震域」過去にも発生
 なぜ震源から遠く離れた東日本で揺れたのか。「異常震域」と呼ばれる現象が起きたことが、その理由だ。

( 24 ) テレ朝 2022/11/14 プレートの中を揺れが…震源の遠くで『異常震域』南海トラフとの関係は
 『異常震域』とは、プレートの中で起きた地震によって、震源の近くよりも、遠いエリアで強い揺れが観測される現象です。今回、愛知県、三重県では、震度1以上の観測はありませんでしたが、遠く離れた福島県、茨城県で最大震度4。東京23区など関東の広い範囲、宮城県でも震度3を観測しました。

( 25 ) TV静岡 2022/11/15 三重沖地震は「南海トラフ地震に直接的な影響ない」別のプレートで発生
( 26 ) ゲンダイ 2022/11/16 福島・茨城震度4の震源は三重県南東沖 首都直下地震との関連性は?
 気象庁によると「異常震域」と呼ばれる現象で、震源が非常に深かったためにプレートの内部を揺れが伝わって、広い範囲で揺れが観測されたのだという。武蔵野学院大学特任教授(地震学)の島村英紀氏が言う。
 「三重県南東沖は太平洋プレートが潜り込んでいる位置にあります。南海トラフの巨大地震に起因するフィリピン海プレートとは異なります。むしろ、『首都直下地震』の発生の呼び水になるリスクがあるとはいえます。太平洋プレートは東に行くほど浅くなっているので、北日本や東日本の太平洋沿岸に伝播しやすい。太平洋プレートの地震が起これば首都直下地震の引き金になる可能性があります」

( 27 ) たんぽぽ 2022/11/17 11.14三重県南東沖地震の謎−不思議な地震の謎 松元成一
( 28 ) ウエザー 2022/11/20 三重県南東沖で深発地震 典型的な異常震域
 三重県南東沖の深発地震では異常震域が良く現れます。多くの地震では震央から同心円状に揺れの強い地域が分布します。一方で深発地震では沈み込んだプレートに沿って強い揺れが伝わって、震源の遠方で揺れが大きくなる現象がみられることがあり、これを「異常震域」といいます。
 三重県南東沖以外では、オホーツク海や日本海、東海道南方沖、鳥島近海などで同様の深発地震の起きることがしばしばあり、数年に一度はマグニチュード6以上の規模の地震も発生します。

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