[2021_11_02_03]敦賀原発2号機「申請取り下げたほうがいい」 断層データ書き換え問題で規制委員長が原電批判(東京新聞2021年11月2日)
 
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敦賀原発2号機「申請取り下げたほうがいい」 断層データ書き換え問題で規制委員長が原電批判

 原子力規制委員会の更田豊志委員長は2日の定例会合で、地質データに関する審査資料の不適切な書き換えが判明した日本原子力発電(原電)の敦賀原発2号機(福井県)について「(審査の)申請を取り下げた方がいいのではないか」と述べ、改善が進まない原電の対応を批判した。
 規制委は8月、審査資料の作成過程に改善が認められるまでの審査中断を決め、原電への検査を続けている。規制委事務局の原子力規制庁はこの日、今年4月に原電が提出した審査資料でもデータの透明性が確保されておらず、誤記や記載漏れが13カ所あったと、検査状況を報告した。
 更田氏は会合後の記者会見でも「検査に入っても、なかなか満足な状態にならない」と原電を批判。規制委に審査申請の取り下げを指示する権限はないものの、「審査の過程の議論に疑義があったのだから、一回仕切り直したほうがいい。自らの組織の中で抜本的にゼロベースで見直すべきだ」と強調した。
 原電は取材に「真摯に検査に取り組む」と答えるにとどめた。
 原電によるデータ書き換えは2020年2月の審査会合で、規制庁が指摘し判明。原子炉建屋直下の断層が地震を引き起こす活断層かを判断する重要な地点を巡り、ボーリング(掘削)で取り出した地層の状態を活断層の可能性につながる「未固結」から、可能性の否定につながる「固結」に書き換えるなどした。
 敦賀2号機原子炉建屋直下の断層は、規制委の専門家チームが活断層と指摘しており、審査で活断層と確定すれば廃炉を免れない。(小野沢健太)
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