[2021_12_08_10]日本原電敦賀事業本部を訪れた(福井県内) 敦賀原発2号機のデータ改ざんをただし、7つの質問文を渡す 地域共生部の山田清美さんほか2名が対応 (その2) 柳田真(とめよう!東海第二原発首都圏連絡会、たんぽぽ舎共同代表)(たんぽぽ舎2021年12月8日)
 
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日本原電敦賀事業本部を訪れた(福井県内) 敦賀原発2号機のデータ改ざんをただし、7つの質問文を渡す 地域共生部の山田清美さんほか2名が対応 (その2) 柳田真(とめよう!東海第二原発首都圏連絡会、たんぽぽ舎共同代表)

 ◎12月5日(日)の「老朽原発このまま廃炉!大阪集会」の後、大阪市内に一泊し、翌日6日(月)13時に、福井県敦賀市内にある日本原電敦賀事業本部を東京を中心に8人で訪れた。
 日本原電本店(東京のJR秋葉原駅近く)は、「新型コロナ」を口実にして、「とめよう!東海第二原発首都圏連絡会」の文書(署名や申し入れ文)を受け取らない。代わりに机が1つ、1階玄関に置いてあるだけ…という失礼な態度だが(但し、2年前の秋の申し入れは1階に何人か出てきた)、敦賀事業本部は、私たちの来訪を受け入れて(事前に電話で申し入れていた)、一定の質疑応答もできた。
 敦賀事業本部の「公益事業の会社の品位を守った当たり前の対応」に感謝します。
 なお、申し入れ・質問文への回答は、文書で2週間ほどでいただけるとのことでした。

 ◎ 申し入れ・質問文は以下の通り

日本原子力発電株式会社敦賀事業本部 様                2021年12月6日
とめよう!東海第二原発 首都圏連絡会

             申 入 書

 2020年2月の原子力規制委員会(規制委)審査会合において、日本原子力発電(原電)・敦賀原発2号機に関する地質調査データの書き換えが判明してから2年近くになります。
 原子炉建屋直下の断層について、活断層の可能性のある「未固結」記載から、可能性を否定する「固結」記載に書き換えるなど、80箇所も改ざんしていました。

 2号機の真下に活断層があることをなんとかごまかし、否定するために、意図的に変更されたものであるとの疑いが強まり、規制委は審査を打ち切り、原電に対し「品質管理調査」を開始することとしたのは至極当然であります。

 2020年12月から規制委による原電本店への立ち入り調査が行われ、そして2021年8月に規制委は2号機の新規制基準適合性審査の中断を決定しました。
 11月3日には規制委の更田豊志委員長は「審査を取り下げたほうがいいのではないか」とまで批判しています。
 8月19日付け日経新聞によると、「原電は書き換えについて『記載を充実させるため』と説明し、改ざんにはあたらないと主張する」とあります。
 これは改ざんを充実とすり替える論理であり、規制委も受け入れられない立場です。
 それだけでなく、原電自らも調べた結果、他の電力会社で同様のことは起きていないことを確認しています。

 「未固結」を「固結」に書き換えたところで、断層が動かなくなるわけではありませんし、「記載を充実」させてみたところで、真実である「活断層」の事実は変わらないことは、調査を行った原電自ら認識しているはずです。
 このような見え透いた言い訳での誤魔化しは、さすがに規制委に通用することはなく、更田委員長が「検査に入っても、なかなか満足な状態にならない」(11月3日東京新聞)と嘆くのも当然でした。

 さらに、9月27日付け朝日新聞では「原電は、わざと書き換えたのではないと説明している。社内調査に、担当者らは『書き換えてはいけないと思っていなかった』などと話したそうだ」と報じられています。
 これが事実ならば、科学的調査などは成立せず、いかようにも後付けで自分の都合の良い内容に改ざんできてしまいます。
 もう無駄な時間と資源を浪費するのは止めるべきです。
 更田委員長も11月2日に「原電は自らの組織の中で抜本的にゼロベースで見直すべきだ」として審査取り下げを勧告しました。
 結論は出ているのではないでしょうか。
 一刻も早く、原電はデータの改ざんを謝罪し、新規制基準適合性審査を取り下げて、敦賀原発2号機の廃炉を決定することを求めて、以下の質問を致します。

        ━━━ 記 ━━━

1.原電敦賀事業本部は、この改ざんについてどのように関わったのですか。

2.規制委は原電敦賀事業本部又は職員に対しても検査を行ったの ですか。

3.大事故に繋がる可能性がある改ざんを、敦賀事業本部は疑問に思わなかったのですか、また、こうした改ざんを知った後でも本店に修正を求めたりしなかったのですか。

4.本店が言う「書き換えてはいけないと思わなかった」とは、敦賀事業本部でも同様の認識だったのですか。

5.既に停止から10年経ち、原子炉を運転したことのない職員も増えてきたと思います。原発停止後に敦賀事業本部に就職又は配属された運転担当職員(主機操作員や補機捜査員、補習科員)は何人、何パーセントになりますか。また、こうした経験値の低下についてどのように対策しているのですか。

6.今回の改ざんに伴い失われた信頼は大きく、再稼働に向けた理解は大きく後退していると誰もが思います。事実関係を市民に明らかにするのは公益事業を行う電力会社として当然ですし、事故を起こせば重大な被害を被る人々に対しては義務です。事件関係の全ての情報を速やかに明らかにしてください。

7.最後に、断層上の原発などそもそも認められません。
 仮に原電が本当に活断層ではないと信じていたとしても、客観的には危険な断層上の原発であることは変わりはないのです。
 浦底断層など原電が認める活断層が活動した時、これら「活断層ではないと信じていた」断層が引きずられて動き、原子炉建屋や重要設備が損傷し、原子炉が破壊されたら、活断層であったかなかったかなどの議論は無意味になることは理解できると思います。
 このことだけでも原発を廃炉にする十分な理由になります。
 敦賀原発2号機を廃炉にするよう、重ねてお願い申し上げます。

 ◎ 次回(その3−最終回)は、敦賀事業本部でのこと、大阪の集会の内容、こんしん会の楽しさ、他
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