[2023_12_06_03]核燃税収の「財政需要」主要内訳 原子力避難に774億円 県議会質疑(東奥日報2023年12月6日)
 
参照元
核燃税収の「財政需要」主要内訳 原子力避難に774億円 県議会質疑

 県が原子力事業者に課す核燃料物質等取扱税(核燃税)を巡り、小谷知也副知事は5日の県議会質疑で、5年間の税収約1255億円の算定根拠として事業者に示した「財政需要」の主要内訳は、原子力災害時の避難道や避難場所確保に約774億円と明らかにした。
 谷川政人議員(自民)の質問に答えた。小谷副知事は避難関連に加え、原子力施設の立地・周辺地域を中心とした定住促進や活性化に約364億円、環境放射線測定など安全対策に約108億円、立地に伴う広報広聴に約9億円とした。財政需要は、現行の5年間から279億円ほど膨らむ。
 避難道整備など立地・周辺地域が対象の項目が中心となるのは、原子力施設の立地に由来した財政需要に基づいて算定するため。一方、使途を定めない「法定外普通税」でもある。県税の一つとして一般財源に組み込まれることから、宮下宗一郎知事は一般質問で「(核燃税で)見込まれる財源も活用しながら、県民の所得向上、高齢者、若者、子どもが暮らしやすい環境づくりなどの施策を進めたい」と答えていた。
 ただ、事業者に示した財政需要の内訳では子育てや所得向上などへの活用について、直接的に説明した形にはなっていないという。
 県財政課は「(立地以外の)地域が埋もれてしまっては税を活用する意味がない。財政需要のうち、定住促進や産業振興は全県振興に資する部分があるので(知事発言と)かみ合わないものではない」とした。
 同日の県議会では、「ALPS処理水の海洋放出に伴う影響に対して確実な対応を求める意見書」の発議1件も可決した。
 (佐々木大輔)
KEY_WORD:ROKKA_:汚染水_: