[2023_11_30_01]耐震評価に数カ月 完成目標「かなり厳しい」 再処理工場巡り原燃社長(東奥日報2023年11月30日)
 
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耐震評価に数カ月 完成目標「かなり厳しい」 再処理工場巡り原燃社長

 日本原燃の増田尚宏社長は29日、六ヶ所再処理工場(六ヶ所村)を対象とした原子力規制委員会の設計・工事計画の認可(設工認)審査で、年明け以降に予定する耐震評価に「数カ月のオーダー(規模)で時間がかかる可能性はある」と明らかにした。工場の完成は2024年6月までを目安に「24年度上期のできるだけ早期」とするが、「今の審査がかなり厳しい状況にある」との認識も示した。
 青森市内で開いた定例記者会見で述べた。原燃は設工認で、建屋・機器の耐震計算に必要な「地盤モデル」を全面的に見直すため、26本に及ぶボーリングの追加調査を実施。多くの人員を投入し、想定より早く掘削や解析が完了したことで、新たな地盤モデルに関する規制委への説明を1カ月前倒しし、23年内に着手できる見通しとなった。
 一方、新たなモデルを踏まえた入力地震動の策定は24年1月以降を見込む。その上で建屋・機器の耐震計算に移るが、従来の評価と異なる結果が出ればさらに時間を費やす可能性もある。「最短で答えを出すにしても時間がかかる」とし、年明け以降、地震動や耐震の評価に数カ月間を要するとの見通しを示した。
 工場完成の目安とする24年6月末まで残リ7カ月。業界は「オールジャパン体制」(池辺和弘・電気事業連合会長)を敷き、電力各社から支援員を原燃へ派遣して審査対応を強化している。増田社長は「6月という目標に向かって検査などのやり方を工夫しながら頑張っていく」と強調した。
    (佐々木大輔)
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