[2023_10_31_01]少数でも実行する 「放射能から子どもを守る母親の会」「核燃まいね(駄目)!」デモ 鎌田慧(ルポライター)(東京新聞2023年10月31日)
 
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少数でも実行する 「放射能から子どもを守る母親の会」「核燃まいね(駄目)!」デモ 鎌田慧(ルポライター)

 ガザ地区へのイスラエル軍の空爆が強まり、地上部隊の侵攻が近づいている。
 すでに双方合わせて6000人が殺害された。子どもの死者も多い。大殺戮(さつりく)がはじまるのかどうか。停戦の兆しはない。
 先週のこの欄で「停戦を祈るしかないのか」と書いたが、少数でも停戦を呼びかける集会を準備できなかったか、と反省している。
 ハマスにもイスラエルにも同調せず、 とにかく殺載を回避し、人質を解放する人道的な停戦をもとめる行動の準備をすべきだった。雑用にかまけていた。
 実は28日の土曜日、青森県弘前市。わたしの故郷だが、そこで少人数のデモがある。チェルノブイリの原発事故のあと「放射能から子どもを守る母親の会」が37年間、 315回。「核燃まいね(駄目)!」のパッチワークの垂れ幕を掲げて、目抜き通りを歩いてきた。デモといっても多いどきで50人、少ないときは3人。
 乳児をおんぶし幼児の手を引いて歩きつづけた。わたしも参加したことがある。
 母親の会を主宰する倉坪芳子さん(70)は「冬場に凍った路面で転ぶ人が出てきたりして、315回で終わりにします」という。3人でも5人でも中止しないで歩き続けて最後のデモ。
 太平洋岸の六ケ所村「核燃料再処理工場」に反対する母親の会に敬意を表し一緒に歩きます。少数でも継続してきたその気持ちを伝えたい。
 (10月24日「東京新聞」朝刊「本音のコラム」より)
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