[2023_07_07_02]福島第一原発汚染水海洋放出に加担するIAEAとメディア 太平洋諸国フォーラムが6月30日に海洋放出反対の声明 海洋放出で“水の惑星”地球の敵になる日本 「福島原発に溜まっている水はれっきとした放射能汚染水」小出裕章氏 「メディア改革」連載第130回 (下) 浅野健一(アカデミックジャーナリスト)(たんぽぽ2023年7月7日)
 
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福島第一原発汚染水海洋放出に加担するIAEAとメディア 太平洋諸国フォーラムが6月30日に海洋放出反対の声明 海洋放出で“水の惑星”地球の敵になる日本 「福島原発に溜まっている水はれっきとした放射能汚染水」小出裕章氏 「メディア改革」連載第130回 (下) 浅野健一(アカデミックジャーナリスト)

 
◎ 岸田氏は5月7日から8日に韓国を訪問した際、尹錫悦大統領との会談で、韓国の専門家らによる視察団の現地への派遣に合意。韓国の視察団は5月21日から25日まで来日し、福島原発を訪問し、汚染水を浄化する設備(ALPS)や、「処理水」を保管するタンクなどを確認した。
 日本の報道各社は、政府に従って「処理水」(Treated Water)という用語を使っているが、尹氏は首脳会談でも従来通り「汚染水」(Contaminated Water)と表現。
 韓国の政府・メディアは今も「汚染水」(最近、政権党内で「汚染処理水」と呼び始めた議員もいる)と表現している。

◎ 韓国では、市民・労働者・政権反対党政治家らが連日、ハンストなど様々な反対運動を展開している。共同通信によると、安全性への懸念の高まりから、塩の買いだめをする人や水産物の購入を控える人が続出している。
 韓国政府は不安感の払拭に躍起で、6月15日から処理水に関する記者会見を平日は連日行い、日本の意向に沿って、「科学的、客観的に安全」と宣伝している。
 しかし、世論調査会社「韓国ギャラップ」が30日発表した調査結果によると、海洋汚染が「心配だ」と回答した人が78%に上った。

 6月26日の朝鮮新報のコラム「春・夏・秋・冬」でも紹介されたが、韓国のネットメディア「市民言論ザ探査」は6月21日に公開した動画で、「日本外務省幹部A」がアジア開発銀行ABD)総裁と見られる浅川という人物の質問に答える形式の非公開対話の録音を文字化した。
 IAEAが日本政府の要求通りに動き、その中の重要人物(複数)に少なくとも100万ユーロ以上「政治献金(賄賂)」を渡したと告発している。日本外務省は事実ではないと反論した。

 本メルマガで詳しく伝えられているように、太平洋諸国フォーラムが6月30日に海洋放出反対の声明を出している。「中国、韓国と日本の漁協関係者だけが反対している」とするメディア報道は犯罪的だ。

◎ 私は4日、朝鮮新報の「沈黙の声」の連載に汚染水放出について記事を書くため小出裕章氏に取材した。小出氏からすぐにメールで回答があり、回答の内容は7月10日付での拙稿に掲載する。
 私のブログでも載せる予定だ。
http://blog.livedoor.jp/asano_kenichi/archives/31904449.html
 小出氏は今年1月に福島県三春町での講演で、汚染水放出について語っている。武藤類子氏の司会。その時の動画を以下のURLで視聴できる。
https://www.youtube.com/watch?v=rrXxlQuR8io

◎ 小出氏は5月と6月に、中国中央テレビと韓国KBSの取材を受け、韓国も中国も原発を止めるべきだと強調した。KBSの取材には、「福島原発に溜まっている水はれっきとした放射能汚染水」「地球は水の惑星。放射能汚染水を海に流してはいけない」と指摘してこう述べた。

 「日本では原発の使用済み燃料はすべて再処理すると決められている。福島原発が事故を起こさなければ、使用済み燃料になった段階で再処理工場へ送られる予定だった。再処理とは使用済み燃料を高温の濃硝酸に溶かして、プルトニウムを分離する作業である。その過程でトリチウムは全量が水に移り、環境に放出される。六ヶ所村に計画されている再処理工場がもし運転を始めれば、1年間に800トンの使用済み燃料を処理し、毎年18ペタベクレルのトリチウムを環境に放出することで原子力が成り立っている」

 「もし、福島のトリチウムを海に流してはいけないということになれば、再処理工場の運転もできなくなり、日本の原子力は崩壊する。そのため、漁民がどんなに反対しようが、世界の国がどんなに抗議しようが、日本というこの国は放射能汚染水を海に流す。(もちろん、私がそれを是としているわけではない。)」

 「福島の汚染水の問題は、今それが安全か否か(被曝に安全などないが…)ではなく、それは日本の原子力の死活問題に関わっているということだ。今、福島の汚染水の海への放出を許し、原子力を延命させてしまうなら、将来もっと大量のトリチウムが海に流されることになる。それを防ぐためにも、福島にある汚染水を海に流させないようにしたい」

◎ 小出氏の説明で、政府と電力資本が、六ヶ所村再処理工場のために、海洋放出にこだわることがわかる。
 福島のトリチウムを海に流してはいけないということになれば、再処理工場の運転もできなくなり、日本の原子力は崩壊するというのだ。
 私たちの力で、原発をすべて廃炉にしない限り、放射能汚染水を海に流すことを止められない。
 民意を無視して原発政策を大転換している自民・公明野合政権を殲滅(せんめつ)し、反原発の民主的政府をつくろう。
KEY_WORD:汚染水_:FUKU1_:ROKKA_:廃炉_: