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[2024_09_03_11]虚構の六ケ所村再処理工場_鎌田慧(東京新聞2024年9月3日) | ![]() |
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参照元
04:00 8月下旬、日本原燃は使用済み核燃料の再処理工場完成について「約2年半延期して2026年度中の完成を目指す」と発表した。延期は27回目だから、誰も驚かない。2年前も完成します、と言いながら「できませんでした」という記者会見。これまで27回もやってきたのだから、まるで狼少年の類いだ。 しかしイソップの寓話(ぐうわ)の最後には実際に狼が現れる。 それも悲劇だが、もはや完成を信じる人はほとんどいない。再処理工場の着工は1993年。31年たっても未完成。それでいて黒字経営。 全国の電力会社が資金を負担しているからであり、その原資は各家庭の電気料金でまかなわれている。 稼働しなくても、先延ばし平気な親方日の丸会社。 増田尚宏社長は「見通しが甘かった。今後は延びないで済む」(朝日新聞)、「審査に対する私の認識が甘かった。(今後は)地に足が着いた目標を示せるようにしたい」(東京新聞)。 どこか人ごと、地に足が着いていない漂流経営。 筆者は90年代から「再処理工場の黄昏」(『六ケ所村の記録』)と書いてきたが、電事連が構想を発表した当時(84年)の建設費は7千億円だった。いま事業費は15兆1千億円と算定される。 各原発は危険とはいえ自分の敷地内に使用済み燃料を貯蔵する準備を始めた。「もんじゅ」1兆円に続く、巨額の無駄遣いだ。 (9月3日「東京新聞」朝刊19面「本音のコラム」より) |
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KEY_WORD:再処理_完工27回目延期_:MONJU_:ROKKA_: | ![]() |
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