[2025_01_24_02]費用かさみ続ける核燃料の「全量再処理」 利害絡んで進まぬ見直し(毎日新聞2025年1月24日)
 
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費用かさみ続ける核燃料の「全量再処理」 利害絡んで進まぬ見直し

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 原発の使用済み核燃料を再利用する核燃料サイクル政策をやめないと、国民の負担が肥大化する恐れがある−−。経済産業省の官僚6人が約20年前に非公式文書「19兆円の請求書―止まらない核燃料サイクル」で懸念したことが現実になりつつある。政府は再利用を徹底する政策を今も変えておらず、このまま突き進めばさらに巨費が必要となる。

 電気料金に上乗せされる費用

 原発でウラン燃料を核分裂させると核物質のプルトニウムが生じる。政府の政策は「すべての使用済み核燃料は、必ず再処理してプルトニウムを取り出し、再び燃料として利用する」というもので、「全量再処理」と呼ばれる。プルトニウムを使った燃料(MOX燃料)を原発で核分裂させて発電に再利用することは「プルサーマル発電」と呼ばれる。
 文書で「19兆円の請求書」とされたのは、電気事業連合会が算出し2004年に公表した資料「原子燃料サイクルバックエンドの総事業費」。核燃料サイクルに伴う六ケ所再処理工場(青森県)やMOX燃料加工工場の費用、関連の放射性廃棄物の処分費用を含み、06年から40年間分の費用が18兆8000億円と見積もられた。今日ではさらに、両工場の建設、操業など再処理に関わる費用だけで約3・6兆円増えている。
 「全量再処理」を徹底するには、使用済みとなったMOX燃料も、再び再処理(再・再処理)してプルトニウムの再利用を繰り返す必要がある。
 しかしこの使用済みMOX燃料は溶けにくく、…(後略)
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