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[2025_02_08_05]英、ブルトニウム 廃棄へ 原発再利用方針を転換(東奥日報2025年2月8日) | ![]() |
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参照元
04:00 英政府は、原発の使用済み核燃料を再処理して回収したプルトニウムを地層処分場に廃棄すると発表した。混合酸化物(MOX)燃料にして再利用する方針を転換する。経済性などを検証した。保管する約140トンのうち、日本が再処理を委託した約21・7トンは廃棄対象外で、扱いは今後協議する。プルトニウムの再利用を目指す日本の政策にも影響を与えそうだ。 日本委託の22トンは対象外 プルトニウムは核兵器の材料になり、大量保有は国際社会の懸念を招く。英エネルギー安全保障・ネットゼロ省は1月24日、「無期限の長期保管は安全保障上のリスクと核拡散の懸念を将来の世代に残すことになる」との声明を出した。.. 声明によると、英セラフィールドに同国が所有するプルトニウムを、他の物質と焼き固めるなどして核兵器に使えないようにする。英原子力廃止措置機関(NDA)などが方法を開発。長期貯蔵後、地中に最終処分する。 英政府は、プルトニウムをMOX燃料として原発などで再利用する方針を優先的に検討していた。しかしMOX燃料工場は既に閉鎖。現状9基の原発のうち、 MOX燃料を使えるのは1基で消費も停滞している。工場を新設する費用も廃棄方針に影響したとみられる。 日本は2023年末時点で約44・5トンのプルトニウムを保有し、国内には約8・6トンを保管。海外では英国の約21・7トンのほか、フランスで約14・1トンを保管している。電気事業連合会は「日本の分は廃棄対象ではない。取り扱いはNDAと協議する」としている。 日本は30年度までに少なくとも原発12基でMOX燃料を使う計画だが、現状は4基にとどまる。経済産業省担当者は「日本の核燃料サイクル政策に変更はない」とするが、プルトニウム削減の道筋は見えない。 サイクル政策を巡っては、六ヶ所村に日本原燃の使用済み核燃料再処理工場、MOX燃料工場が立地する。しかし原子力規制委員会の審査が長期化し、いずれも操業のめどは立たない。 英国には、日本が委託した再処理で生じた高レベル放射性廃棄物(ガラス固化体)が約380本残る。プルトニウムは電気事業者に返還される一方、固化体は原燃の一時貯蔵管理施設(同村)に搬入されることになるが、再処理工場と設備の一部を共有するため操業を再開できず、日本への返還が滞っている。 プルトニウムの発電利用 プルトニウムは自然界にほとんど存在せず、原子炉内で核燃料のウランが中性子を吸収してできる。核分裂する際に熱を発生するため、発電にも利用できる。日本は、原発の使用済み燃料を再処理(化学処理)して取り出し、ウランと混ぜた混合酸化物(MOX)燃料として再利用する核燃料サイクル政策を掲げている。プルトニウムは核兵器の材料にもなるため、国の原子力委員会は2018年当時の保有量(約47・3トン)を超えないようにするとの指針を決めた。 |
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KEY_WORD:英国-再処理断念-プル廃棄_:ROKKA_: | ![]() |
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