[2023_03_05_02]原発60年超運転反対71% 世論調査「説明不十分」 9割(茨城新聞2023年3月5日)
 
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原発60年超運転反対71% 世論調査「説明不十分」 9割

 東日本大震災12年を前に本社加盟の日本世論調査会は4日、郵送方式で行った原発に関する全国世論調査の結果をまとめた。
 原発の運転期間を最長60年とする現在の制度を見直し、審査などで停止していた期間の分を延長する60年超の運転について「支持しない」が71%に上り、廃炉が決まった原発の建て替えなど開発・建設推進は「反対」が60%だった。
 岸田政権は東京電力福島第1原発事故以来の原子力政策を転換し、原発を最大限活用する方針。
 だが政府が「十分に説明しているとは思わない」が92%に達し、国民の理解を得られていない状況が明らかになった。
 原発活用方針を「評価しない」は64%、「評価する」は34%だった。
 福島第一原発でたまり続ける放射性物質トリチウムを合む処理水の海洋放出は「賛成」26%、「反対」21%、「分からない」が53%。
 放出に伴い「大きな風評被害が起きる」「ある程度起きる」は合わせて93%。
 放出に関する政府と東電の説明は「十分だとは思わない」が88%だった。
 今後の原発の利用は「今すぐゼロ」が3%、「段階的に減らして将来的にはゼロ」が55%。
 理由を2つまで尋ねると「福島第一原発事故のような事態を再び招く恐れがある」が最多で75%、「戦争やテロで攻撃対象になるリスクが高い」が32%、「地球温暖化対策は再生可能エネルギーで対応の賛否は「分からない」が53%を占め、賛成26%、反対21%だった。
 昨年の調査から賛否ともに減り「分からない」の割合が増えた。
 放出方針決定から間もなく2年となり、政府と東電は春から夏ごろに放出開始を目指すが、国民の間に理解は広がっていない。
 風評被害については、「大きな風評被害が起きる」17%、「ある程度起きる」76%、「ほとんど起きない」が最多の83%。「脱原発」「維持・活用」のいずれもロシアによるウクライナ侵攻の影響がうかがえた。
 東電が経営再建のため柏崎刈羽原発(新潟県)を再稼働させる方針について「理解できる」は59%、「理解できない」が40%。原発から出る高レベル放射性廃棄物(核のゴミ) 地下深くに埋める最終処分について「安全だとは思わない」 が78%に上った。
 東日本大震災と福島第一原発事故の被災地の復興は、合わせると57%が「順調に進んでいるとは思わない」と回答、「順調に進んでいる」は計41%だった。
 調査は1〜2月、全国の18歳以上の男女3千人を対象に実施した。(後略)
          (3月5日「茨城新聞」朝刊1面より抜粋)
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