[2023_12_04_10]福島第1原発の北2キロの海水を独自調査 トリチウムやセシウムの濃度は?【動画】(東京新聞2023年12月4日)
 
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福島第1原発の北2キロの海水を独自調査 トリチウムやセシウムの濃度は?【動画】

 06時00分
 今年8月、東京電力福島第1原発で発生する高濃度汚染水を処理した後の水の放出が始まった。この水には、取り除けないトリチウムをはじめ、放出基準を満たしているが、セシウムやストロンチウムなどの放射性物質も含まれる。福島県いわき市の市民測定室「たらちね」や東京大大学院の小豆川(しょうずがわ)勝見助教(環境分析化学)らの協力を得て、10月に原発の北約2キロの海岸で採取した海水や湧き水を調べた。東電によるモニタリングの範囲内だったが、正確な値を得るためには手間と時間を要した。(山川剛史)

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 ◆分析結果が出るのに1ヶ月半

 優先的に測定してもらったが、セシウムとトリチウムの値を出すまでに1カ月半かかった。その代わり、トリチウムに関しては東電の迅速測定よりずっと低濃度でも検出でき、確実に値を得ることができた。ストロンチウムは、溶解、分離を繰り返すさらに複雑な前処理が必要で、結果はまだ出ていない。

 ◆トリチウム濃度は放出前より1ケタ高い水準

 トリチウムの値は、東電のモニタリングの範囲内だが、原発沖で続けてきたたらちねの測定値の中では1ケタ高い値。小豆川助教は「原発事故由来と断じるのは難しいレベルだが、監視を続けていくのは非常に重要」と話している。

(空中写真)
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