[2023_10_05_02]汚染水の海洋放出は直ちにやめよ! 30年以上も世界の海を汚し続けるのか 「処理水」は事故原子炉とデブリにふれた汚染水だ! 「命のネットワーク」(たんぽぽ2023年10月5日)
 
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汚染水の海洋放出は直ちにやめよ! 30年以上も世界の海を汚し続けるのか 「処理水」は事故原子炉とデブリにふれた汚染水だ! 「命のネットワーク」

 東京電力は8月24日、福島第一原発事故による汚染水の海洋放出を開始しました。この汚染水放出は第一原発の廃炉完了まで30年続く予定です。
 しかし、忘れず思い出してほしい。故安倍首相は「コントロール下にある」と大ウソをついたが、圧力容器下部のデブリは13年以上たつ今も取り出す見通しは立っていません。
 30年以上、世界の海を汚し続けるのはほぼ確実で、被爆国日本は核の加害国になってしまったのです。
 開始前に東電の早川社長は福島県漁連を訪れ謝罪しましたが結局、漁民が「外れくじ」を引かされたのです。
 太平洋18の島国や沿海諸国の漁民たちも福島県の漁民同様、きびしい風評被害に直面させられています。
 韓国や台湾では連日、抗議行動が続いている。海は日本だけでなく世界につながっているのである。

 ◎「処理水」は事故原子炉とデブリにふれた汚染水だ!

 処理水は、通常の原発運転時の汚染水ではありません。メルトダウンした原子炉に地下水や雨水が流れ込み、あのデブリにふれた汚染水が現在140万トンたまっている。トリチウムを別にしても他の7割は基準越えの放射能に汚染されたもの。日本はそれを海に流すという人類史上前例のない暴挙に踏み込んでしまった。それを政府は「処理水」と言っているだけだ。
 そもそも放射能を消す力は人間にも自然にもありません。100年経っても10分の1にしかならない放射能は、長期にわたり人類と生物を被ばくさせ続ける。
 福島第一原発事故で大気中に放出された放射能は、セシウムだけでも広島原爆の168発分もありました。
 これだけ大気を汚染した上に、海まで汚染するのは許されません。
 IAEAは核兵器保持と核開発のための国際組織であり、そのため日本の暴挙を黙認しているだけです。

 ◎すべては原発回帰のため。3つの理由は大ウソ!

 海洋放出を急ぐ3つの理由が大ウソだったのは、大阪府立大名誉教授の長沢啓行さんが明らかにされました。
 1.タンクがいっぱいになる。⇒国道6号から東側の広大な敷地は中間貯蔵施設。ここでの処理はすでに終盤で、施設は続々と解体され空き地となっている。
 2.廃炉作業のための敷地が必要⇒急ぐ必要のない作業だ。乾式貯蔵施設は全く緊急性がない。そもそもデブリを取り出せる見通しがない!
 3.汚染水は今後も増え続ける⇒敷地の徹底舗装で雨が地下にしみこまなくなり、建屋の雨漏り修理や地下水くみ上げなどで雨水・地下水の建屋への流入量は年々激減。ゼロとなる見通しもある。
 それなのに汚染水放出を急ぐのは、核燃料サイクルの根幹=六ヶ所村再処理工場が動かないと各地の原発は使用済み燃料があふれ動かせない事態になるからです。
 毎年トリチウムだけでも18000兆ベクレルという大汚染をもたらす再処理工場のため、まず福島で海洋放出、というのが狙いです。その一方で、中間貯蔵施設への動きもはじまっています。<タナカ記>
  (「命のネットワーク」<石川県羽咋市中央町>2023.10.5発行  『命のネット通信』No73より抜粋) 「命のネットワーク」 HP http://inochi-no.net
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