[2023_09_15_03]原告側は被告東電の唯一の主張=「原告たちの甲状腺がんはスクリーニング効果によるもの」を否定する 9/13の311子ども甲状腺がん裁判支援集会に参加して思ったこと 冨塚元夫(たんぽぽ舎)(たんぽぽ2023年9月15日)
 
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原告側は被告東電の唯一の主張=「原告たちの甲状腺がんはスクリーニング効果によるもの」を否定する 9/13の311子ども甲状腺がん裁判支援集会に参加して思ったこと 冨塚元夫(たんぽぽ舎)

 ◎ 9月13日この日は83の傍聴席をめざして並んだ人は199人でした。
 前回より両方とも少し増えました。
 口頭弁論と同じ時間に、支援集会ではビデオが映写されました。
 司会は若いみのりさんで、支援集会参加者も若い人が増えています。
 ◎ 支援ネットワークの若い人たちは支援者を増やすために、7/28,29,30のフジロックフェスティバルに参加したそうです。
フジロックのご報告−311甲状腺がん子ども支援ネットワーク (311support.net)
 日本最大級で、延べ10万人以上が参加したようです。
 昔1960年代後半、アメリカでフォークソングフェスティバルに大勢の若者が参加し、ベトナム戦争反対を叫んだことを思い出しました。

 ◎ この日の法廷での争点は「小児甲状腺がん発生と福島第一原発事故の因果関係」でした。
 若い鈴木弁護士が抜擢されて陳述しました。
 被告東電は、小児甲状腺がんは原発事故で放出された放射能が原因ではないと主張していますが、では何が原因だと主張しているかというと、スクリーニング効果で、これが唯一の主張です。他の原因は主張していないそうです。

 ◎ 原告は事故の放射能による多発説(従来の100万人あたり2人に対し数十倍)ですから、このスクリーニング効果説を否定すれば東電は負けになるわけです。
 この説は、以前は精密な超音波(エコー)スクリーニング検査をしていなかったが、福島では大勢の子供におこなったので、いつもは出ない数字がでたという主張です。
 しかし福島県の県民健康調査では、がんまたはがんの疑いと判断された320人以上の当時18歳以下の子供たちは、エコー検査だけでなくその後の穿刺細胞検査や診断・手術を経てがんと判断されているわけですから、主張が不完全です。
 チェルノブイリ原発事故の時もこの説が主張されましたが否定され、IAEAでさえ事故による放射能説を認めました。
 このことに触れず、電離放射線国連科学委員会UNSCEARの説、福島第一原発事故で放出されたヨウ素131は100mSv以下だから癌になるはずがないという、古い説を持ち出しています。
 この古い説は広島・長崎原発での死者数とくに事故後数年以上後に死亡する人の数を減らすために、死の灰による内部被ばくを否定するアメリカ原子力委員会を引き継ぐUNSCEARのする説ですが、その後の科学の進歩に従って否定されています。
 集会で生で発言した奈良大学の高橋博子教授はこの件の専門家ですから、法廷でも証言してほしいと思います。

 ◎ 東電の主張「原告たちの甲状腺がんは、スクリーニング効果で、治療する必要のない潜在癌(がんもどき)を見つけているもの」に対し、原告側弁護団は、「潜在癌というならば、原告7人は手術する必要がなかったことになる。必要ない手術や過酷なアイソトープ治療をした福島県立医大などの病院は犯罪を犯したというのか」と求釈明を行っていますが、いまだに返答はありません。

 ◎ この日裁判長が交代したため弁論更新で、原告の証言を求めましたが、理由なく却下されました。
 しかし次回には実現する見込みです。
 次回期日は12月6日、その後は、3月6日、6月12日に決まりました。
 みなさまどうぞご参加ください。
 この日行われた支援者集会のアーカイブ配信はコチラからご覧ください。
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