[2022_01_16_03]奄美・トカラ・岩手に津波警報 最大3m予想 太平洋側広範囲で観測(毎日新聞2022年1月16日)
 
参照元
奄美・トカラ・岩手に津波警報 最大3m予想 太平洋側広範囲で観測

 気象庁は16日午前0時15分、奄美群島、トカラ列島に津波警報を発表し、ただちに避難するよう呼びかけた。午前2時54分には岩手県にも津波警報が発表された。気象庁によると、午前2時50分現在、鹿児島県奄美市小湊で最大1・2メートル、岩手県の久慈港で最大1・1メートル、東京都小笠原村父島▽和歌山県御坊市▽高知県土佐清水市など5地点で最大0・9メートルの津波を観測。北海道から鹿児島県にかけての太平洋側の各地でも0・5メートル前後の津波を観測している。津波は繰り返し到達しているとみられ、今後さらに高い津波が到達するおそれもあり、注意が必要だ。
 気象庁は、奄美群島とトカラ列島、岩手県で予想される津波の最大波は約3メートルとしている。気象庁によると、15日昼に南太平洋のトンガ沖で発生した海底火山の噴火が影響しているとみられる。気象庁は津波警報に加えて、北海道から沖縄県にかけての太平洋側の広い範囲に津波注意報を発表した。
 総務省消防庁によると、16日午前1時45分現在、青森、岩手、宮城、徳島、高知の5県で、約7万世帯に避難指示が出されている。
 鹿児島県警奄美署によると16日午前0時半現在、奄美市など奄美大島本島での被害は確認されていない。奄美市に住む男性は「ラジオで津波の情報を聞いたので高台に避難している」と話した。小笠原村役場と警視庁小笠原署によると、16日午前0時半現在、津波が観測された父島で被害の報告はないという。
 東日本大震災で津波被害を受けた岩手県沿岸地域では、避難指示が出された。陸前高田市は震災後にかさ上げした高田、今泉地区を除く市内の浸水区域に避難指示を出した。8カ所の避難所を開設し、1人が避難しているという。久慈市は海岸付近や海にいる人を対象に避難指示を出した。山田町と岩泉町、田野畑村でも避難指示を出すとともに避難所を開設。山田町では16カ所を開設し、8人が避難している。県などによると、これまでに被害の情報は入っていないという。
 一方、北海道えりも町は防災無線で沿岸部の町民に避難を呼びかけた。苫小牧市では午前4時の満潮に向け、防災担当職員4人が情報収集中という。浜中町は水門4基を閉じるなどの対応を取った。函館市は市役所に自主避難所を開設。同市によると、午前2時前の時点で15人の市民が避難している。【山田豊、安藤いく子、蓬田正志、山下俊輔、源馬のぞみ、真貝恒平】
KEY_WORD:トンガ_津波_:HIGASHINIHON_: