[2023_01_14_02]福島原発の処理水発生量が1日当たり100トンを下回ったことが判明 2022年、事故後初めて(東京新聞2023年1月14日)
 
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福島原発の処理水発生量が1日当たり100トンを下回ったことが判明 2022年、事故後初めて

 東京電力福島第一原発でたまり続ける汚染水を浄化処理した水(処理水)の1日当たりの発生量が、2022年は94トンと前年と比べて25%減り、事故後初めて100トンを切ったことが分かった。本紙が東電の公表資料を基に集計した。汚染水の発生源である雨水の建屋流入を防ぐ工事が進む中、雨が少なかったことが大きな要因となった。
 22年分の処理水の発生量は前年より約1万1000トン減り、約3万4000トン。17年の3分の1以下にまで減った。年間降水量は21年比で29%少なかった。22年と降水量が同程度だった18年と比べても、処理水の発生量は6割近く減った。
 東電は24時間体制で汚染水の浄化処理を続けており、汚染水の発生量は処理水の発生量とほぼ同じと想定できる。
 処理水の発生を抑えられたことで、保管するタンク(総量約137万トン)の残量に余裕ができた。本紙の計算では、1日当たり140〜160トンの処理水が発生した場合でも、タンク満杯は「23年11月下旬〜24年1月中旬」。1日当たり120トンの増加ならば、満杯は「24年3月中旬」となった。
 東電は昨年4月、タンク満杯の時期を、汚染水が1日当たり140〜160トン発生した場合は「23年秋ごろ」と見直した。それまでは「23年春ごろ」に満杯になるとし、海洋放出を急ぐ理由に挙げていた。
 東電が毎週公表する処理水の保管量から増加量を計算。降水量は、東電による原発構内の観測記録を基にした。(小川慎一)
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