[2025_02_01_04]東通原発建屋周辺3メートル超かさ上げ 東北電力 (東奥日報2025年2月1日)
 
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東通原発建屋周辺3メートル超かさ上げ 東北電力

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  東通原発敷地かさ上げイメージ

 東北電力が再稼働を目指す東通原発(青森県東通村)の津波対策として、原子炉建屋周辺の敷地を3メートル以上かさ上げする方針であることが31日分かった。津波対策の目安となる「基準津波」12.1メートルに対し、原子炉建屋の敷地は13メートルだが、より安全性を高めるため、盛り土で16〜18メートル程度まで高くする。7日の審査会合で原子力規制委員会に説明する。
 東北電によると、想定される津波高は太平洋に面した敷地東側よりも、陸地を遡上して南北側から回り込む津波の水位がさらに高くなると想定。原子炉建屋を挟んだ南北の敷地をかさ上げし、最大水位12・1メートルに対してさらに余裕を持たせたい考えだ。盛り土の幅は最大で数百メートル規模に及ぶもよう。
 かさ上げする場所にある倉庫などは移設する。整備後は盛り土の上に電源車や送水ポンプ車など、重大事故対策の設備を置く方針。
 東通原発を巡っては、東北電が「1千万年に1回程度発生する可能性のある津波」の検討を具体化した結果、敷地高さ13メートルを超える可能性が高いことが判明。津波対策を検討するため、2024年4月に目標工程を延期した経緯がある。約3メートルの防潮堤もあるが、東日本大震災後に緊急的に建てた設備のため、新規制基準に適合していない。
 「1千万年にl回程度」の津波に関しては高さを検討中だが、かさ上げも「効果的な部分はある」(東北電担当者)とみる。東北電は25年9月末ごろまでに安全対策工事の完了時期を示すとしている。
    (佐々木大輔)
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