[2025_10_29_10]韓国、原子力潜水艦の保有は保革問わず歴代政権の「悲願」 中国刺激に懸念の声も(産経新聞2025年10月29日)
 
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韓国、原子力潜水艦の保有は保革問わず歴代政権の「悲願」 中国刺激に懸念の声も

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 韓国の李在明(イ・ジェミョン)大統領は29日、トランプ米大統領との会談で、韓国の潜水艦への核燃料供給を認めるよう求めた。原子力潜水艦の開発・保有は保守・革新陣営を問わず歴代政権で検討されたが、頓挫を繰り返した。李政権は米軍の負担減をアピールして「悲願成就」を図るが、中国を刺激するとして懸念の声も上がる。

 李氏は会談で、「原子力潜水艦の燃料供給を受けられるよう決断してほしい」と要請した。通常動力の潜水艦では、航行能力に劣ると説明。北朝鮮や中国にも言及した上で、韓国が原潜で周辺海域の防衛にあたれば「米軍の負担も減る」と強調した。
 韓国による原潜開発の着手は、北朝鮮が核拡散防止条約(NPT)からの脱退を宣言した1993年にさかのぼる。周辺国の脅威に対応するため、当時の金泳三(キム・ヨンサム)政権以降、水面下で計画が推進されたが実現に至らなかった。技術面や財源の問題に加え、米側が核不拡散の原則を挙げて濃縮ウランの供給などを拒んだことが影響した。
 李政権は米中対立が激化する中、韓国が対中包囲網に加わる「米韓同盟の現代化」を新たな名目として、原潜利用を米国に認めさせたい考えだ。ただ、「現代化」は在韓米軍の活動範囲を半島以外に広げたい米国の主張を後押しする根拠ともなり、中国の反発を招きかねない。
 李氏は8月の訪米時、在韓米軍の「戦略的柔軟性」の強化について「米側から要求があるのは事実だが、簡単に同意しにくい」と述べた。(時吉達也)
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