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[2025_06_24_05]難題続きのJR東日本 期待の山形新幹線E8系は走行できず 鉄道事業の課題はどこにあるのか?_小林拓矢(ヤフー2025年6月24日) | ![]() |
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参照元
06:30 6月17日、回送運転中のE8系で車両故障が発生し、宇都宮〜那須塩原間で停車した。また、同じ日にほかのE8系3編成でも車両故障が発生している。 JR東日本によると、補助電源装置が故障して主変換装置に電力が供給されなくなったため、主変換装置内にある冷却装置が動作せず、回路保護軌道が作動、モーターが駆動できなくなった。補助電源装置の故障原因の詳細については調査中であるという。 そのため、新幹線区間および在来線区間(山形新幹線区間)でのE8系の単独運転をすべてとりやめ、新幹線区間ではE8系とE5系の併結、在来線区間ではE3系2000番台による運転で、福島駅で接続し、福島〜新庄間では折り返し運転となる。 かなり、残念なことである。 E8系は新型の車両なのに…… 今回、回送運転で車両故障が発生したE8系は、川崎車両製で、6月10日落成、16日と17日に確認走行をしていた。まだ営業運転を開始していない車両だ。 E8系は、2024年3月から営業運転を開始し、現在E3系2000番台を置き換えている。2026年までに15編成導入する予定だ。 そんな新型の車両で、補助電源装置が故障という事態になってしまった。 期待の新型車両で、故障が発生し、その影響で東京と山形・新庄を直結できないという状況になってしまった。福島駅での乗り換えが発生し、新在直通運転のメリットが生かせないということになる。 しかも期待の新型車両は単独走行できない状況で、おそらく全車両の電源関係を確認しているのだろう。当該の車両は補助電源装置がどうなっているかを調べ、どこが問題かをチェックしている状況と思われる。 もちろん、交換しても同様の事態が今後発生しないように、不具合の箇所は徹底して調べなければならない。 ただ新幹線車両のこういった装置は、家電製品が故障した際の取替用部品のように、そう簡単に替えが準備されているものなのだろうか? 鉄道運行の難題が多く発生するJR東日本 JR東日本では、ここ数年鉄道運行上の難題が発生し続けている。新幹線では2022年3月の脱線事故、2024年1月には上野〜大宮間で架線故障、3月にはE3系がオーバーラン、9月のE5系とE6系の車両分離、11月にはパンタグラフ破損と架線損傷があり、2025年にもE5系とE6系が車両分離した。 在来線でもトラブルが多発しており、2023年には電化柱と車両が衝突、同年には同じ線路内に上り・下りの両列車が進入するという事態も起こっている。最近ではことし5月に新橋駅構内での架線断線があった。 現在、JR東日本ではより少ない人員でも鉄道事業を行えるよう、取り組みを進めている。ワンマン運転やメンテナンス作業への機械の導入、設備の状況をチェックする作業のシステム化などが次々に進んでいる。 JR東日本としては、鉄道事業は今後大きく伸びていくとは考えておらず、持続可能性を模索していると見ていい。 だがそのことが、鉄道事業で働く人の士気を損ねてはいないかという視点は、あってもいいのではないだろうか。企業の方針が、現場の士気を下げ、それゆえに鉄道運行上の難題が発生しやすい状況を生み出している可能性を、検証する必要はある。 現在、JR東日本では鉄道業務を担っている人に、複数の仕事をさせるようにしていると聞く。そのことが現場の人を疲弊させ、かつ伸びない事業だからということで積極的な施策は採用されない状況があると見ることも可能だ。 ビジネスの発展の前に、鉄道会社であるJR東日本はやることがあるのではないだろうか。 |
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KEY_WORD:東北-新幹線-新車両-トラブル_: | ![]() |
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