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[2025_10_06_05]田園都市線 渋谷−鷺沼 運転再開見通し立たず 列車衝突事故で(NHK2025年10月6日) | ![]() |
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参照元
00:32 神奈川県川崎市にある東急田園都市線の梶が谷駅で列車どうしが衝突して車両の一部が脱線した事故で、東急電鉄は列車どうしの衝突回避のために導入している自動列車制御装置の作動状況を中心に事故の原因を調べています。 田園都市線は、渋谷駅と鷺沼駅の間の上下線で運転できない状態が続いていて、再開のめどは立っていません。 5日午後11時すぎ、川崎市高津区にある田園都市線の梶が谷駅の構内で渋谷行きの各駅停車の列車がホームに進入した際に停車中の回送列車と衝突し、回送列車の一部が脱線しました。 各駅列車の乗客149人と、双方の列車の乗務員にけがはありませんでした。 国の運輸安全委員会は6日午前から調査官2人を現場に派遣していて、調査は午後5時半の時点でも続いています。 田園都市線は渋谷駅と鷺沼駅の間の上下線で始発から運転できない状態が続いていて、再開のめどは立っていません。 東急電鉄によりますと、田園都市線の1日の利用者数は、のべ、およそ116万人だということです。 事故当時の状況は [イメージ図] 東急電鉄によりますと、梶が谷駅は、下り線のホームを挟んで1番線と2番線が、上り線ホームを挟んで3番線と4番線の4つの線路があります。 事故当時、回送列車は本線に隣接する車両を一時的に止めておくための留置線で停車していたところ、10両編成の最後尾の車両が本線と留置線の間にあるポイント付近にはみ出し、各駅列車と衝突したとみられるということです。 回送列車は最後尾の車両の一部が脱線し、各駅列車は先頭車両から4両目までの右側面に損傷が確認されたということです。 また、国土交通省によりますと、回送列車は見習い運転士が運転していて、留置線に入る際に速度超過によるオーバーランを防止する信号を受信したため、所定の位置より手前で自動停止したということです。 一方、各駅列車の運転士は駅に進入する際、留置線にいた回送列車が通常よりも近い位置にあると感じ非常ブレーキを操作したものの間に合わず、衝突したということです。 会社によりますと田園都市線には留置線も含めて列車どうしの衝突回避のため「ATC」=自動列車制御装置が導入されていて、本来、今回の事故当時の状況では制御装置が作動して衝突前に列車が自動で止まる仕組みになっているということです。 このため東急電鉄は制御装置の作動状況を中心に事故の原因を詳しく調べています。 また、国の運輸安全委員会は6日午前から調査官を現場に派遣し、列車の損傷状況を確認したり、運転士への運転士への聞き取りを行ったりしていていまも調査が続いています。 田園都市線は渋谷駅と鷺沼駅の間の上下線で始発から運転できない状態で再開のめどは立っていません。 事故調査官「本日中の調査終了は困難」 午後5時、報道各社の取材に応じた小澤隆之鉄道事故調査官は、「脱線した場所の状況や車両の損傷状態などを中心に確認しており、原因については、申し上げる段階にない」と述べました。 今後の見通しについては、「衝突した部分をみることができないので、2つの車両を動かしてからもう1度現場で調査する予定で、調査の終了時刻は現時点で見通しは立っていない。運転士にもまだ話を聞いている段階で、本日中に終了するのは難しいと考えている」と述べ、調査は7日以降も続く可能性があるという認識を示しました。 [通勤・通学に影響広がる] 渋谷駅 朝も夕方も…バス停に長蛇の列 NHKのヘリコプターが、6日午前9時50分ごろにJR渋谷駅周辺を撮影した映像です。 駅近くのバス乗り場にはバスを待つ人が横断歩道をまたぐ形で、バス停からかなり離れた場所まで並び、長蛇の列ができていました。 6日午後5時すぎには、帰宅のバスを待つ人などで長い列ができていました。 世田谷区の60代の女性は「ふだんなら会社まで田園都市線で25分ほどですが4時間ほどかかりました。きょう1日、仕事にならなかったです」と話していました。 40代の男性は、「午前中はリモートで働いて午後から出社しました。仕事に影響が出るのでできるだけ早く運行再開してほしいです」と話していました。 電動キックボードの貸し出し 利用者相次ぐ 沿線では電動キックボードなどの貸し出しサービスを利用する人が相次ぎました。 電動キックボードなどの貸し出しサービスを提供する会社によりますと、6日朝から昼すぎにかけて田園都市線沿線でサービスの利用が相次ぎ、ほぼすべての車両が一時的に貸し出された状態になったということです。 このため会社では、ほかの地区から車両を移動させたり、予備の車両を補充したりして、利用可能な台数を増やす作業を行ったということです。 三軒茶屋駅の周辺で電動キックボードを利用した20代の男性は、「通勤で利用するのは今回が初めてですが、なかなか見つからず、20分ほど探し回りました。やっと見つかってなんとか出勤できそうで良かったです」と話していました。 沿線の大学では休講も 沿線の大学では授業を休講とするところも出ています。 ◇世田谷区に3つのキャンパスがある駒澤大学は6日は、すべての学部の対面授業を休講とすることを決めました。 ◇日本大学は世田谷区の三軒茶屋キャンパスにある危機管理学部とスポーツ科学部で、それぞれ終日休講することにしています。 ◇横浜市青葉区の横浜美術大学は、午前の授業はすべての学部で休講とし、午後は通常通り授業を行う予定だということです。 過去の列車どうしの衝突事故 列車どうしが衝突する事故はこれまでにも起きています。 2000年3月には東京・目黒区の中目黒駅の近くで地下鉄・日比谷線の最後尾の車両が脱線し、対向の列車と衝突して乗客5人が死亡、64人がけがをする事故が起きています。 また、2014年2月には川崎市中原区にある東急東横線の元住吉駅で、停車中の列車に後続の列車が追突し、乗客72人がけがをしました。 事故の原因は?「焦点はATC」 鉄道工学が専門の日本大学の綱島均特任教授は、「渋谷行きの列車のルート上には回送列車がいたため、本来ならばこの進路は取れないはずだ。進路が取れない場合には『ATC』=自動列車制御装置が作動して手前で停止するのが正しい運用になるので、今回、装置が正常に作動していたかどうかがポイントになる」と指摘しています。 その上で「自動列車制御装置の信号に何らかの不具合があって回送列車の停止位置がシステム側に伝わっていなかった場合や、人間の方でシステムを切り離して装置を使わずに一時的に運行していた場合も考えられる。なぜ衝突が起きたのかしっかり究明した上で、どういう対策をするかが重要だ」と話しています。 |
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KEY_WORD:東急-田園都市線-断線事故_: | ![]() |
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