[2025_10_07_02]核燃料製造の原料ウラン、11年ぶり濃縮工場に搬入 原発2.5基分の年間必要量/青森県六ケ所村(東奥日報2025年10月7日)
 
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核燃料製造の原料ウラン、11年ぶり濃縮工場に搬入 原発2.5基分の年間必要量/青森県六ケ所村

 18:45
 日本原燃は7日、原発の核燃料製造に必要な原料ウラン(六フッ化ウラン)を11年ぶりに青森県六ケ所村のウラン濃縮工場に搬入した。カナダから鉄製容器のシリンダー50本を積んだ輸送船が同日朝、むつ小川原港に到着。原料ウラン50本分の濃縮による生産規模は、100万キロワット級の原発換算で約2.5基分の年間必要量に相当するという。原発の再稼働が徐々に進む中、原燃担当者は「この先も(核燃料製造の)需要が増えると見込んでいる」と述べた。

 原料ウランは原発を保有する電力会社が輸入。核燃料として使うには遠心分離機で濃縮する必要がある。原燃は新型遠心機の導入を進め、現在の生産体制は原発約1基分。年内には1基強相当に増えるという。
 シリンダーは円筒状で直径約1.2メートル、幅約3.8メートル。1本当たり最大12.5トンの原料ウランが入る。輸送船から陸揚げされ、トラックで午前11時10分にウラン濃縮工場へ搬入。作業員が放射線量などを確認し、クレーンや台車で貯蔵室へと移した。10日までの4日間で順次運び入れる。

 2011年の東京電力福島第1原発事故以降、核燃料製造の需要が低迷。ウラン濃縮工場は約6年間の停止を経て23年に運転を再開した。14年7月以来となった原料ウラン搬入を受け、原燃の西條政明執行役員・濃縮事業部長は「濃縮ウランの海外依存を極力少なくし、国内調達の割合を増やすことがわれわれの使命。遠心機の性能は世界最高水準にあり、さらに新しい遠心機も開発できれば」と語った。
 輸送船からの陸揚げ中、核燃料廃棄物搬入阻止実行委員会(古村一雄代表)はむつ小川原港周辺で緊急抗議集会を開催。同委員会などの20人余りが搬入反対や工場操業反対などを訴えた。

 原燃は28年度までに生産規模を原発3、4基分まで増やす計画。しかし県や村と約束した12、13基分相当まで規模を拡大する見通しは依然として立たない。一方、国内では既に14基の原発が再稼働している。
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