| [2025_11_10_01]道路を掘らずに地下土壌を「スキャン」 水道管劣化を費用30分の1で把握、産総研が開発_一居真由子(産経新聞2025年11月10日) |
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08:00 写真:実証実験で福岡市内を走行する装置。地中に電気を流し、土の質を把握して水道管の劣化を探る=同市東区(産業技術総合研究所提供) 地下に埋設された水道管の老朽化が全国的な課題となる中、産業技術総合研究所(茨城県つくば市、産総研)が、地面を掘ることなく、上水道管の劣化状況が把握できるシステムを開発した。無人走行車両から地下に電流を流し、土質の状況をスキャン≠キることで、管を劣化させる恐れのある土壌を見つけ出す仕組みだ。コストのかかる採掘をせずに効率的な管路更新が可能になることから、早期の実用化に期待が寄せられている。 土壌の特性から推定 カルガモの親子のように隊列を組んだ装置が道路を移動しながら地下の土質のデータを測定していく。福岡市で9月から、産総研が開発した「水道管腐食度推定システム」の実証実験が始まった。 産総研によると、前方の車両に電流の送信器、後方の車両に受信器を搭載しており、ローラー型の電極から地中に電気を流して土壌の質を把握する。水道管の劣化は材質や経過年数だけが要因でなく、周辺の土壌環境にも依存し、砂系より水分を含む粘土系の方が管が劣化しやすいという。こうした土壌は電気が流れやすい特性があり、地下の断面データを作成することで、水道管の劣化状況を推定する。 港湾都市である福岡市は海水を含む土壌が広がっており、管の腐食が進みやすい。また課題解決のために先進技術を積極的に取り入れていることもあり、実証実験の地に選ばれた。市内6カ所で測定した値と、実際に掘り起こして調べたデータを比較検証し、令和10年以降の実用化を目指す。今後は大阪市や横浜市でも実験を予定している。(後略) |
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