[2024_02_10_73]2024能登半島地震の実態_確率論的地震動予測地図2020版(J-SHIS Map 公開データより)_山崎久隆_P07(たんぽぽ2024年2月10日)
 
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2024能登半島地震の実態_確率論的地震動予測地図2020版(J-SHIS Map 公開データより)_山崎久隆_P07

 14:07
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 これは確率論的地震と予測地図2020年版ということですから珠洲の群発地震が起きるよりはちょっと前のものかもしれないですけど、ま、ただ、ほぼ同時に公開されているものだと考えていいでしょう。
 J-SHIS Mapって書いてありますが、要はこれは日本中あちこちどこがどれだけ揺れやすいか、そういうMapになるんですね。
 で、これが単なるあの参考図ではなくて、こういったものに基づいて、例えば、地震保険の料率で使われています。東京は地震保険の料率は大会んです。もっと高いのは確か神奈川だったかな。基準を1とするならば、東京1で神奈川1.2だったかな。1.2倍ということですね。
 それにたいして、北陸は地震が比較的少ないところだと思われていたんですね。低いんですよ、0.4とか0.8とか、そういうふうに、地震が比較的っ少ないと思われていたんですね。今も思っている人がいるかもしれないですけど。
 それはそうです。こうやって図を見ると、確かに赤く塗ってあるところあるんだけど、これ全部断層の上なんですね。だから、こういった既に知られている断層周辺はさすがに大きな地震が来るかもしれませんが例えばここ見てください、全然何もないです。
 断層あるんだけど、何も色塗られてない。あの黄色いっていうのはほとんど地震がないみたいなそういう印象ですから。そうなってくると、ここ地震ないよねって言ってるのに等しいわけですよ。
 実際にこういったもので、例えば色々な建築物に対しての耐震補強であるとか、耐震性能を高めなくちゃいけないという行政の補助、そういったものが、手やすいかどうかというのは、ある程度決まってきてしまいますね。

 東京などは、今回地震の前からも、木蜜住宅地帯をなくすということで、木蜜住宅地帯の耐震補強であるとか、あるいは防火改修にかなりの予算を割いてですね。百万円とか、そういうお金で、家屋、一般家屋の木造家屋の耐震強化であるとか、耐火性能を高める。そういうことに助成をしています。
 そういったところは、日本各地の地震が多いところをみんなやってたり、それから津波が来るようなところでは、高台に避難するための避難台を作ったりとか、そういった対策はみんな普通にやってますよね。行政が。 で、実際そういうことをやらなければ自治体の長が落ちると選挙でね、そういうような状況に段々なってきたというのが、東日本大震災後の日本の各地の状況なんですね。
 ところが北陸は悲しいことにですね、この警告が、地震があったのにもかかわらず、なかったので、か今聞くとですね、耐震化率1981年の今では古くなってしまった、新耐震と言われている耐震性能を持った住宅は40%台しかないんですね。半分以下なんです。
 そういう意味で言うならば今回の地震が、新耐震のものがもったのかと言われると、ちょっとそれは微妙なところはあるんですけれども。
 しかしながら、旧耐震がもうほとんどダメだったということが分かっているので、そういう旧耐震の建物が次々と倒壊していたっていうのは、やっぱり自治体もそれからの県とかですね、自治体もこの地域の地震評価やあるいは耐震性能を高めなくちゃいけないという。そういうう感覚がなかったのは、こういった図が公表されている。それも権威ある団体が出しているのですから、こういったところに惑わされているのではと、私は考えています。
 その中で、典型的なのは、志賀原発の周り、何もないんです。いい加減にしろってくらいね。さすがに柏崎刈羽原発って赤いですよね。なぜかというと、ここに中越沖地震の震源あるんですから、これを*したら、これとんでもないって話になります。
 でも、この前の前面海面に、またもう一つ大きな断層があるんですけれども、それについては評価してないらしくて、上越地域は赤くなってないとかね。そういう問題はありますけれども、ま、この辺ですね、この辺赤くなってられた問題ありますが、志賀原発の周辺の異様な黄色さというのは、大きな問題だと思います。
 ここにある邑知潟断層を巡って、実は裁判により、この原発が一度差し止められたんです。
 私もこの志賀原発2号機の差し止め訴訟に関わって、証言までしているので、よく覚えていますけれども、当時の裁判長は井戸謙一さん。井戸謙一さんと私は法廷の中で証人と裁判長という立場で向き合ったことがありますが、私の証言は地震ではなくて、志賀原発2号機、ABWRという原発ですが、ABWRという原発の工学的な危険性ということを、延々と証言した。一日証言したんですけども、それについては残念ながら判決の中ではさほど重要視されなかったという逸話はありますけど。
 しかしながら、井戸さんはですね、やはり電力会社の疎明すなわち証明ですね、証明がほとんどなっていないということで、とりわけこの邑知潟断層これが活動した時に、どれだけ志賀原発に影響を与えるのかについてほとんどまともな評価をしていなかった、ということが当時わかって、それによって2号機は運転することはできないということで、差し止めが成立し、一度は志賀原発2号機は、金沢地裁、ですけれども、差し止めの判決が出ているんですね。
 その後、名古屋高裁金沢支部でひっくり返されるんですが。
 そういう意味で言うならば、さらに言うと、これ判決が出たのが2006年、それで2007年になってこの耐震性強化の耐震バックチェックに基づく新耐震規制基準が決まってるんですよ、実はこの裁判の後に、経産省は驚いて、商業用原発で実は初めての敗訴だったんですね。
 しかも地震評価をめぐって敗訴ですから、これはやばいというふうになりまして、経産省の中で慌てて、もたもたやっている耐震性評価を加速せよと、ただちに耐震性評価の耐震バックチェックを完成させろという指令を各電力会社に飛ばすという事態になりました。

 そこでそれまで明確な記述が、要するに締め切りが決まっていなかった耐震パックチェックの締め切りが急激に定められて、2008年になったという経緯があり、その後に、名古屋高裁金沢支部で志賀原発の訴訟がこの邑知潟断層の評価を一応北陸電力が出したので、敗訴したという流れにはなります。
 というくらいに、原発の耐震性能を巡って焦点化した訴訟となり、その結果として、一度は私たち住民側の主張が通って、原発の差し止めが命じられた。その当該原発が志賀原発なんです。当時から北陸地方この辺一帯の地震動はとんでもないものがあるぞということは、地震学者の多くの人たちも主張していました。それから私たち反原発運動をやっている人たちの間でも、志賀原発のこの周辺断層の活動性あるいは地震が起きたらどうなるかということについて、非常に多くの議論をしてきたところです。
 だから、語弊のある言い方かもしれませんが、ある程度反原発運動やっている人たちにとってみれば、今回の地震が想定通りのものだった。


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