[2024_02_10_10]2024能登半島地震の実態_EALによる段階的避難/要配慮者は早期避難_山崎久隆_P70(たんぽぽ2024年2月10日)
 
参照元
2024能登半島地震の実態_EALによる段階的避難/要配慮者は早期避難_山崎久隆_P70

 14:70
[ 動画先頭:1:32:16〜 ]
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 というわけで原子力防災の基本は何かというと、こういうところ、これはおさらいになりますが、PAZとUPZが決められています。PAZの5キロ圏内というのは、原子力緊急事態が発生したら、直ちに避難を開始するか、または高齢者などは避難を開始するか、そうでない人たちは避難準備に入る。事実上すぐに避難避難開始になるのが、5キロ圏内、PAZです。
 原子力緊急事態とはどういうことかというと、冷却ができなくなりました、ということが一つ、それから、もう一つは電源が喪失しましたこの二つですね。
 全電源喪失と冷却不能というのは、同時に起きそうな気もするけれども、別々に起きたとしても、原子力緊急事態になります。
 そういう事態になったら放射性物質が拡散する前であっても避難開始なんですが、先ほど見たとおり、5キロ圏内から逃げようがありません。
 続いて、UPZ(5〜30km圏内)は、原則屋内退避です。昔は30キロ圏内から、どうやって逃げるんだみたいな議論をしてたんですが、国はなんと最近では、逃げるんだって言ったら、逃げてはいけない、中に留まれ、屋内待機だ。
 今、珠洲市や輪島市の家どうなっているかご存知ですよね。半分以上倒壊したり、あるいは倒壊免れた建物でも、窓やドアは破壊されていて、とてもじゃないですけれど、中は密閉状態にならない。
 学校もそうですよね。公共施設も市役所なんかも窓が壊れたところがいっぱいあります。結局、UPZというのは、屋内退避、放射性物質から逃げることですから、放射性物質が環境中に拡散しているときに、窓が破れているだろう、ドアが吹き飛んでいるなんて、そういう建物に屋内退避などできるわけがない。
 現実問題として、地震によって破壊された原発から、大量の放射性物質が放出されるというのは、日本の原子力災害の中でも最もポピュラーだと考えなくちゃいけない。
 原発だけが勝手に放出するというのはあまり考えられない。何かがきっかけでの何かは地震なんですよ。まあ、火山かもしれない。地震によって原発が破壊されたという時は、地震によって周りの住宅も緊急避難用の公共施設も破壊されているんです。
 道路も破壊されているんですよ。そこから逃げ出せない状態に封じ込められてしまうのが、現地の住民数万人から10万人です。その人たちをどうやって逃すのかということに関してこの国は完全に無力だったことが、今回の能登半島地震で証明されてしまったんです。


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