[2023_12_20_10]中国内陸部で地震 127人死亡 20人行方不明 救助活動続く (NHK2023年12月20日)
 
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中国内陸部で地震 127人死亡 20人行方不明 救助活動続く

 4時42分
 中国内陸部の甘粛省で18日夜遅くに起きた地震で、死者の数はこれまでに127人となり、20人が行方不明になっています。被災地は厳しい寒さの中、停電や断水が起きているうえ、余震が相次いでいて、厳しい環境での救助活動が続いています。
 中国地震局によりますと、18日午後11時59分ごろ、日本時間の19日午前1時前に、内陸部、甘粛省の臨夏回族自治州を震源とするマグニチュード6.2の地震がありました。
 中国の国営メディアによりますと、これまでに甘粛省で113人の死亡が確認され、536人がけがをしたということです。
 損壊した建物は15万5000棟余りに上っているということです。
 また、隣接する青海省でも14人が死亡、198人がけがをし、死者の数は甘粛省と合わせてこれまでに127人となっています。
 このほか、青海省では土砂崩れに巻き込まれ、20人が行方不明となっているということです。
 被災地では寒波の影響で最低気温がマイナス10度を下回り、厳しい寒さになっているうえ、停電や断水が起きていて、現地からの映像では被災した人たちがたき火で暖をとる様子がみられます。
 また、国営メディアによりますと、日本時間の19日午後1時までの余震の回数は300回を超えています。
 中国政府は軍も動員して救助活動を行っていますが、厳しい環境の中での活動が続いています。
 北京にある日本大使館によりますと、日本時間の19日午後8時半現在、今回の地震で日本人が被害に遭ったという情報は入っていないということです。
 中国の国営メディアによりますと、習近平国家主席は関係機関に、全力で捜索と救助を行うとともに、適切に被災者の対応にあたり、住民の生命と財産の安全を最大限守るよう指示しました。

 救助隊が暗闇で活動 甘粛省の被災地

 国営の中国中央テレビは、甘粛省の被災地で救助隊が暗闇の中、活動している様子を伝えています。
 映像からは救助隊ががれきの中で倒れ込んでぐったりした人を運び出している様子や、けがをした男性の腕を抱えて助けている様子がわかります。また、救助隊ががれきの中に取り残されている人がいないかどうかを確かめるため、サーチライトで捜索している様子もわかります。
 住宅の中を撮影した映像からは、天井に大きな亀裂が入り、一部が床に落ちて散乱しているのが確認できます。

 地震で発生した土砂崩れの被害も 青海省の村

 国営の中国中央テレビは、中国内陸部の青海省にある村で、地震によって発生した土砂崩れの被害の様子を伝えています。
 上空から撮影した映像には住宅などが建ち並ぶ一角に大量の土砂が流れ込み、あたり一面を覆っている様子が写っています。
 複数の建物が巻き込まれ、屋根のあたりまで土砂に埋まってしまった建物や、押し流されて原形をとどめていない建物も確認できます。
 現場には逃げ遅れた人たちが取り残されているとみられ、救助隊が重機などを使って土砂を取り除き、行方不明者の捜索と救助にあたっています。

 震源地の甘粛省 臨夏回族自治州 建物倒壊するなど大きな被害

 今回の地震の震源地で多くの被害が出ている甘粛省の臨夏回族自治州は西側で青海省と接しています。標高は平均で2000メートルほどですが、州全体の面積の9割を山岳地帯が占めていて、起伏の激しい地形となっています。
 年間の平均気温は6度から10度ほどとなっている一方、冬は寒さが厳しく、過去にはマイナス30度となったこともあります。少数民族の多い地域で、州内にはおよそ40の民族が暮らしているということです。
 今回の地震では建物が倒壊するなど大きな被害が出ていますが、中国メディアは地元当局の調査の結果、農村部の古い住宅の多くに耐震対策が施されていないと伝えています。

 日本大使館 “日本人被害の情報入っていない”

 北京にある日本大使館によりますと、日本時間の19日午前11時現在、今回の地震で日本人が被害に遭ったという情報は入っていないということです。引き続き、情報収集を進めるとしています。
 また、日本大使館は甘粛省や青海省の被災地に住む日本人や日本人の旅行者に対して、余震などに注意を呼びかけるとともに、被害に遭ったり、被害の情報を見聞きしたりした場合は大使館に連絡するよう呼びかけています。
 岸田首相がお見舞いのメッセージ

 中国内陸部の甘粛省で起きた地震を受けて、岸田総理大臣は19日夜、習近平国家主席と李強首相宛てにお見舞いのメッセージを出しました。
 この中では、「犠牲になられた方やご遺族に哀悼の意を表するとともに、被害に遭われた方々に対し、心からお見舞いを申し上げます」としたうえで「わが国として必要な支援を行う用意があります。被災地が1日も早い復興を遂げることをお祈りします」としています。

 台湾 蔡英文総統「必要な支援を提供したい」

 中国の甘粛省で起きた地震を受け、台湾の蔡英文総統は自身のSNSに、中国で使われている簡体字で、「亡くなられた方々とご遺族に哀悼の意を表します」とした上で、「必要な支援を提供したいと思っています。救助と復興が進み、一日も早く、日常が戻ることを願っています」と投稿しました。
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