[2023_09_01_03]野村農相 “汚染水”発言 謝罪し撤回 野党側は追及の構え(NHK2023年9月1日)
 
参照元
野村農相 “汚染水”発言 謝罪し撤回 野党側は追及の構え

 2023年9月1日 12時20分
 野村農林水産大臣は福島第一原発にたまる処理水を中国が使う「汚染水」と発言したことについて謝罪し、撤回しました。野党側は「風評被害を助長しかねない発言だ」などとして、来週8日の国会の閉会中審査で追及していく構えです。
 野村農林水産大臣は31日、記者団に対し、東京電力福島第一原発にたまる処理水を中国が使う「汚染水」と発言しました。
 その後、野村大臣は「言い間違えたことを全面的に謝罪したい。福島県をはじめ関係者の皆さまに不快な思いをさせて申し訳なかった」と述べ、発言を撤回しました。
 与党内からは「日本産の水産物の輸入を停止する中国を利するような発言で、内閣支持率が低迷する中、最悪のタイミングだ」などと影響を懸念する声も出ています。
 一方、野党内からは「漁業関係者を風評被害から守るべき立場の大臣が風評被害を助長しかねないあり得ない発言だ」などと批判が相次いでいます。
 また、立憲民主党内からは辞任を求める声も出ていて、野党側は、処理水の放出をめぐって来週8日に行われる衆参両院の閉会中審査で大臣の資質などを追及していく構えです。

 野村農相 引き続き職務にあたる考え示す

 野村農林水産大臣は1日の閣議のあとの会見で、「処理水を汚染水と言い間違えたことについて、全面的に謝罪をして発言を撤回したところだが、福島の皆さまをはじめ、関係者の皆さまに不快な思いをさせて申し訳なかった」と述べ、改めて謝罪しました。
 そのうえで、進退について問う質問に対しては、「今回の反省を踏まえて改めて緊張感を持って水産事業者に寄り添った対策の職務にあたっていきたい」と述べ、引き続き職務にあたっていく考えを示しました。

 松野官房長官「発言は遺憾 改めて緊張感持って対策を」

 松野官房長官は閣議のあとの記者会見で「昨晩、野村農林水産大臣が全面的に謝罪し撤回したものと承知している。言い間違えとはいえ、発言があったことは遺憾であり、改めて緊張感を持って、水産事業者に寄り添った対策の実施に万全を尽くしてもらいたい」と述べました。
 その上で、1日朝、野村大臣から発言について報告を受け、適切に対応するよう指示したことを明らかにしました。

 各党の反応

 公明 石井幹事長「担当大臣として緊張感を」

 公明党の石井幹事長は記者会見で「今後はよく発言に気をつけて、しっかり仕事を続けてほしい。本人も確信犯的に言ったわけではなく、言い間違えてしまったと謝罪をしているので、担当大臣として緊張感を持って取り組んでほしい」と述べました。

 立民 泉代表「大臣の役割 果たせていない」

 立憲民主党の泉代表は記者会見で「不適切だ。水産業を担当している大臣で、意識を高く持っておかなければいけない人物が気の抜けた発言をしている。大臣の役割を果たせていない」と批判しました。
 また、野村大臣が先週、中国による日本産水産物の輸入停止について「想定していなかった」などと述べたことも踏まえ「大事な局面に緊張感を持ってことにあたっているように見えず、一連の対応は緩んでいる」と指摘しました。
 一方で、野村大臣の辞任を求めるかどうかについては「政権への影響を岸田総理大臣がどう判断するか注視したい」と述べました。
KEY_WORD:汚染水_:FUKU1_: