[2023_07_20_04]処理水協議 中国応じず 日本、専門家レベル提案(東奥日報2023年7月20日)
 
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処理水協議 中国応じず 日本、専門家レベル提案

 政府が、東京電力福島第1原発の処理水海洋放出に反対する中国に対し、専門家や実務者しベルによる「協議の場」設置を提案していることが分かった。中国は現時点で応じていない。複数の政府関係者が19日、明らかにした。松野博一官房長官は記者会見で、日本からの水産物輸出の一部が中国の税関で滞留していると説明。関係者によると、中国側は検査のサンプル量を増やして規制を強化している。
 日本は科学的根拠に基づき、海洋放出を「夏ごろ」実施する方針。処理水問題を専門家の協議で扱うことで、政治問題化を回避したい狙いがある。
 松野氏は会見で、海洋放出に関し「中国から事実に反する内容を含む発信がされており、科学的根拠に基づく議論を強く求めている」と強調。国際原子力機関(IAEA)の包括報告書を踏まえ、安全性の説明を続ける方針を重ねて示した。
 日本側が想定する「協議の場」は、日中両国の専門家や関係省庁の幹部に加え、東電の技術担当者らが出席する形式。既に中国側に伝えている。
 日本政府は5〜6月に韓国政府に対する説明会を開催し、今月12日には外務省幹部らが香港政府向けの説明会に臨んだ。日本政府筋は「中国とも同様の枠組みを設け、継続的に議論したい。科学的、技術的な質問にも返答していく」と話す。
 中国では税関当局が今月から日本からの輸入海産物に全面的な放射線検査を始めたことが判明。官邸筋は 「全量なのか8〜9割なのか不明だが、検査量は増えている」との見方を示した。
 林芳正外相は14日、インドネシアで行われた中国外交担当トップの王毅共産党政治局員との会談で、処理水放出を政治問題化することに反対すると伝えた。王氏は「各国の懸念や専門家の異なる意見を直視し、(放出とは別の)各種の対処方法を科学的に検討すべきだ」と要求した。
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