[2023_06_05_06]核融合研究施設 最先端の実験装置の稼働始まる 那珂市(NHK2023年6月5日)
 
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核融合研究施設 最先端の実験装置の稼働始まる 那珂市

 次世代のエネルギー源として期待される核融合の研究を行っている茨城県那珂市の施設で、先月末から最先端の実験装置の稼働が始まり、ことし秋にも核融合を起こすために必要な「プラズマ」と呼ばれる状態を作り出す予定だということです。
 那珂市にある量子科学技術研究開発機構那珂研究所の実験装置「JTー60SA」は、650億円余りの予算をかけて日本とEUが共同で建設し「核融合」と呼ばれる反応を研究するものです。核融合は太陽などの星の内部で起きている反応で、人工的に起こすことで膨大なエネルギーを取り出せるほか、二酸化炭素や高レベル放射性廃棄物を出さない次世代のエネルギー源として期待されています。
 機構は5日、県庁で会見を開き、核融合を起こすために必要な「プラズマ」と呼ばれる状態を作り出すための実験を、先月30日から開始したと発表しました。
 「JTー60SA」は3年前に完成したものの、その翌年の運転中に装置の内部が損傷し、改修作業のため稼働が一時、ストップしていました。このため「プラズマ」を作り出すのは、当初の計画より2年半ほど遅れて今年秋になる見込みだということです。
 那珂研究所の東島智副所長は「有力な発電手段になるとみられる核融合炉の開発に向けた最初の実証ができると考えている。ようやく稼働させることができたので、2年前と同じことにならないよう今後も慎重に作業を進めたい」と話していました。
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