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１０年ごとに「追加点検」＝原発６０年超運転で方針―規制委
　既存原発の「６０年超」運転を事実上可能にする法改正を巡り、原子力規制委員会は１０日、現行制度で４０年超運転を申請する前に行われる「特別点検」と同様の「追加点検」を６０年目以降、１０年ごとに義務付ける方針を決めた。
　東京電力福島第１原発事故後に定められた現行制度は、原発の運転期間を原則４０年に制限。規制委が認可すれば１回に限り２０年の延長が可能だが、新制度では審査などによる停止期間を算入しないことで、事実上の「６０年超」運転を認めることになる。
　規制委はこれまで、新制度に対応可能な規制の仕組みを検討。世界的にも例がない６０年超の原発に対する規制内容について議論を続けてきた。　
　規制委は、原子炉容器の主要材料や建屋のコンクリートなど広範囲で劣化の状況確認や予測を行う「特別点検」と同等の点検が必要と判断。６０年目以降、１０年ごとに原則として同項目の「追加点検」を義務付けることとした。
　さらに、気象条件の違いなど原発ごとに異なる劣化要因を踏まえた点検項目を追加することも求めた。
　改正法案は先月に衆院を通過。参院で審議が行われており、政府・与党は今国会中の成立を目指している。