[2023_05_10_02]60年超運転の原発、10年ごとの「追加点検」義務付け 規制委決定(毎日新聞2023年5月10日)
 
参照元
60年超運転の原発、10年ごとの「追加点検」義務付け 規制委決定

 原発の60年超運転に向けた政府の法改正案に関連し、原子力規制委員会は10日、60年目以降は原則10年ごとに、現在40年超運転の際に義務づけている特別点検と同じ規模の「追加点検」を義務づけることを正式に決めた。
 現行制度では、原発の寿命は原則40年とし、範囲を広げて劣化状況を調べる特別点検を40年を迎えるまでに実施して規制委の認可を受ければ、一度だけ最長20年間延長できる。しかし経済産業省が主導してまとめた改正案では、規制委の安全審査や行政指導、裁判所の仮処分命令などで停止した期間は計算から除外できるとし、60年を超えても運転できるようにした。
 一方、規制委は、特別点検や追加点検は停止期間にかかわらず実施するとした。「停止中も設備の劣化は進むため」と規制委は説明している。
 ただ、追加点検を実施しても特別点検と同じ結果が得られることを事業者が証明できれば、項目を減らせるとした。対象となる項目や、証明のハードルについて山中伸介委員長は記者会見で「これからの議論になる」と述べた。さらに最新の知見も踏まえ、個々の原発の特徴に応じた点検を実施させる。
 老朽原発を運転延長した場合、最新の原発と比べて設計の古さも問題になる。規制委は、最新原発と設計にどういう差があるかを事業者に比較させた上で、規制委と事業者が公開の場で議論することも決めた。【土谷純一】
KEY_WORD:原発_運転期間_延長_: