[2023_05_02_01]原子力分野の女性割合「15%」 OECD調査で最下位(静岡新聞2023年5月2日)
 
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原子力分野の女性割合「15%」 OECD調査で最下位

 日本の原子力分野で働く人に占める女性の割合は15%で、経済協力開発機構(OECD)原子力機関(NEA)が調査した17カ国で最も低かった。NEAが2日までに調査結果を公表した。平均給与は男性より26%少なかった。国の原子力委員会は「給与の低さは、上級管理職ポストに就く女性の割合が極端に低いことが一因」と分析した。
 調査に関わった原子力委の岡田往子委員は「より安全を目指す技術には多様性が必要。女性の能力を使わないのはもったいない」と話す。
 NEAは2021年に加盟国の状況を調査。日本は原子力規制庁、日本原子力研究開発機構、量子科学技術研究開発機構の3機関が回答した。
 17カ国の原子力分野の女性割合は平均25%。最も高いノルウェーは約60%、フランスや英国は平均程度で、日本は極端に低かった。昇進した人に占める女性の割合は平均で27%だが、日本は14%だった。
 給与データを提供した12カ国全体では、女性の給与は男性より平均5%少なかった。日本は男性の約4分の3にとどまり、男女間の差がより大きかった。
 NEAは原子力分野の問題として、緊急時対応やシフト勤務の厳しさ、女性リーダーの不足、原子力の仕事は男性がするものだという社会通念などを挙げた。
 今回の日本のデータは公的機関の職員だが、原子力分野で女性は非常に少ない傾向がある。男女共同参画学協会連絡会によると、21年に同会に加盟する国内の各学会の女性割合は平均14%で、日本原子力学会は5%だった。
 ただ最近は改善がうかがえる。NEAの調査で、新入職員に占める女性の割合は日本は27%で、17カ国の平均29%とほぼ同水準。日本原子力産業協会が昨年10月に東京と大阪で開いた合同企業説明会に参加した学生は計473人で、女性は24%だった。

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