[2023_05_01_02]飯舘村 帰還困難区域の一部 避難指示が解除(NHK2023年5月1日)
 
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飯舘村 帰還困難区域の一部 避難指示が解除

 東京電力福島第一原子力発電所の事故の影響で避難指示が出された福島県飯舘村の帰還困難区域のうち、一部の避難指示が1日、解除されました。
 これで原発周辺の6つの町と村に設定された「特定復興再生拠点区域」で、住民が居住できる地域に出されていた避難指示はすべて解除されました。
 飯舘村は、原発事故の影響で一時、全域に避難指示が出され、南部の長泥地区は、事故から12年たっても立ち入りを厳しく制限される帰還困難区域に指定されてきました。
 この地区のうち、およそ17%が国や村が先行して除染やインフラ整備を進める「特定復興再生拠点区域」に設定され、1日午前10時に避難指示が解除されました。
 また、隣接する拠点区域外の公園の避難指示も人が居住しないことなどを条件に同時に解除されました。
 拠点区域に通じる道路のゲートは、住民が見守る中、開放され、「帰還困難区域」と書かれた看板が撤去されました。
 これで、先行して除染などを実施する原発周辺の6つの町と村に設定された「特定復興再生拠点区域」で、住民が居住できる地域に出されていた避難指示はすべて解除され、今後はこうした地域の復興や、いまだ避難指示が残る地域の復興のあり方が課題になります。
 飯舘村の杉岡誠村長は「拠点区域の避難指示が解除され、感慨深い。きょうを新たなスタートとして住民とともに長泥地区を発展させていきたい」と話していました。

 【村で生活再開させる住民】
 鴫原清三さん(68)は、長泥地区の特定復興再生拠点区域に自宅があります。
 今はおよそ50キロ離れた避難先の福島市で暮らしていますが、原発事故前に行っていた花の栽培を国の実証事業に協力する形で長泥地区で再開させ、避難先から車で1時間ほどかけて毎週、通ってきました。
 これまでは、自宅を訪れる際には通行証の提示が、自宅に泊まるには事前登録が必要でしたが、1日からは自由に訪れて寝泊まりできるようになりました。
 鴫原さんは、村での生活を再開させたいと拠点区域の避難指示解除の時期が決まったあと、去年12月ごろから自宅の畳やクロスを張り替えるなどのリフォームを始め、30日終わったということです。
 今後は、避難先と村の2か所を拠点に、週の半分ほどを村で過ごしたいとしています。
 鴫原さんは「避難指示解除は一歩前進です。小さな頃から住んでいたところなのでやはりここに住みたいと思っていました。ここに住めば長生きできそうな気がします。ここで花を育てて花があふれるふるさとにするのが今の夢です」と話していました。
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