[2023_02_22_05]「原発60年超運転」制度検討チームが初会合 原子力規制委(毎日新聞2023年2月22日)
 
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「原発60年超運転」制度検討チームが初会合 原子力規制委

 政府が目指す原発の60年超運転に関連し、原子力規制委員会は22日、新たに作る規制制度の詳細を検討するチームの初会合を開いた。新制度について国民にわかりやすく説明する資料を1カ月後をめどに作成することや、基本的な枠組みを新制度に基づく改正原子炉等規制法の施行から半年以内に整理することなどを確認した。改正法案は開会中の通常国会へ提出される。
 会合では新制度について、@基本的枠組みA必要となる技術的検討課題B国民への分かりやすい説明――の3点を今後議論することとした。月2回程度のペースで会合を開き、必要に応じて事業者の意見を聴く。
 @については、原発に求める具体的な審査の基準、運用などを定めた政令や規則、審査基準、ガイドを整理する。運転開始から30年以降、最大10年ごとに事業者に作成を義務づける長期施設管理計画の具体的な内容なども検討する。Aは、運転期間60年超の原発に追加すべき検査項目の有無などについて議論する。
 また、Bについては規制委事務局の原子力規制庁の黒川陽一郎総務課長が「国民の唯一の疑問は、60年の上限が撤廃されて本当に安全なのかだ。その本質的な疑問に対して、逃げずに真正面から答えるべきだ」と発言。1カ月後をめどに、新制度の全体像や規制委の考え方、原子炉の劣化などさまざまな検査事項を説明する資料を作るという。
 規制委は13日に改正法案を了承したが、山中伸介委員長を含めた委員5人のうち、地震・津波などを担当する石渡明委員が反対を表明した。その後、岸田文雄首相は17日、西村康稔経済産業相と西村明宏環境相へ、新たな安全規制の具体化や安全審査に向けた体制整備を進めるよう指示。「国会審議などを通じてしっかりと説明できる準備を進めた上で法案の閣議決定を行うべきだ」との考えも示した。西村環境相から片山啓・規制庁長官にも伝達されている。【吉田卓矢】
KEY_WORD:石渡明氏原発60年超運転に反対_: