[2022_10_22_07]福島原発 地下水に金属溶かす細菌 デブリ劣化促進も(産経新聞2022年10月22日)
 
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福島原発 地下水に金属溶かす細菌 デブリ劣化促進も

 東京電力福島第1原発(福島県大熊町、双葉町)の周辺地域の地下水に、鉄などの金属や、核燃料のウランを溶かす細菌が含まれていることを東京工業大などの研究チームが確かめた。福島原発には燃料のウランやさまざまな金属などが溶けて混ざり合い、固まったデブリが存在し、影響を受ける可能性がある。
 研究チームが令和2年、原発から約10キロ離れた同県富岡町の地下水に含まれる微生物を調べると、金属腐食の原因になる細菌が多く含まれていた。培養実験では鉄を劇的に酸化させる働きも確認できた。追加実験でウランを溶かす細菌も見つかった。日常的に地下水が流入する第1原発でも、同じ細菌がいる可能性が高いとみられる。
 細菌など微生物には強い放射線を受けても活動する種類がいる。海外では、原発事故で溶け落ちたデブリの劣化を細菌が早めたとする研究もあり、東電は対策を取る。ただ、条件次第ではデブリが部分的に溶け出すと考えられている。広告研究チームの大貫敏彦東工大名誉教授は「リスク管理の観点から、長期的に微生物を監視することが必要だ」と指摘している。
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