[2022_10_22_06]年間20ミリシーベルト以下は安全だからと避難者を帰還させたのは原子力災害対策特別措置法違反である 10/19井戸川裁判(福島被ばく裁判)第23回口頭弁論の報告 冨塚元夫(たんぽぽ舎)(たんぽぽ2022年10月22日)
 
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年間20ミリシーベルト以下は安全だからと避難者を帰還させたのは原子力災害対策特別措置法違反である 10/19井戸川裁判(福島被ばく裁判)第23回口頭弁論の報告 冨塚元夫(たんぽぽ舎)

 −本来は原子力災害対策特別措置法(原災法)に則って国が被ばく者の健康調査、治療をすべきだが、何もせず、本来あるべき医療体制が崩壊している。
 −福島第一原発事故後突然、年間20ミリシーベルト以下は安全だからと避難者を帰還させたのは原子力災害対策特別措置法(原災法)違反である。

 ◎ 初めに原告側弁護士から第26準備書面の説明 原告井戸川克隆前双葉町長と多くの双葉町民は1号機のベントによる被ばくと1号機の爆発物による被ばくをさせられた。
 その為さまざまな健康障害に苦しんでいる。健康診断を定期的に行い、医師の診断書も証拠書類として提出している。疫学調査により健康障害が被ばくが原因と証明されている。本来は原子力災害対策特別措置法(原災法)に則って国が被ばく者の健康調査、治療をすべきだが、何もせず、本来あるべき医療体制が崩壊している。

 ◎ 次に第29準備書面(その1)の概要説明、時間が限られていたので早口の陳述になった。
 原子力災害対策特別措置法に基づいて原子力緊急事態宣言が菅直人首相によって行われた。
 しかし前年に行われた原子力防災訓練の時は、原発から10km以内の住民を避難させると言ったのに、実際の緊急事態宣言では3km以内になった。
 さらに、原子力災害対策特別措置法では国の原子力災害対策本部は現地オフサイトセンターに原子力災害合同対策協議会を立ち上げ、住民を被ばくから守るための措置を行うべきであるが、実際事故が起こると合同対策協議会を創らず、住民を代表する市町村になんの情報も流さなかった。
 現地に来るべき原子力専門家も原子力安全・保安院の役人も来なかった。違法な任務放棄です。

 ◎ 国と東電は、違法に双葉町などの住民を被ばくさせた責任を認めず、井戸川さんの健康障害は放射能によるとは証明できないなどと言っている。これに対しては矢ケ崎克馬琉球大学名誉教授の論文に基づいて、放射線の電離作用による内部被ばくの深刻な影響を主張している。
 1999年9月30日のJCO臨界事故を深刻に捉えた国は、東海村などで被ばくした住民の補償を企業に義務付けることを含め、年間1ミリシーベルト以上の被ばくを住民に強いてはならないことを明確化して、原子力災害対策特別措置法を制定しました。
 福島第一原発事故後、突然20ミリシーベルト以下は安全だからと避難者を帰還させたのは原子力災害対策特別措置法違反である。

 ※ 次回の井戸川裁判口頭弁論は2023年2月8日(水)です。
 また井戸川さんの特別講演会「原発事故に抗う」が11月23日(水・休日)日比谷図書文化館大ホールで開かれます。ご参加お願い致します。
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