[2022_10_02_01]宮崎県日南市で震度5弱 気象庁「今後1週間程度注意を」(NHK2022年10月2日)
 
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宮崎県日南市で震度5弱 気象庁「今後1週間程度注意を」

 2日の午前0時すぎ、宮崎県で震度5弱の揺れを観測する地震がありました。この地震による津波はありませんでした。気象庁は、今後1週間程度は同じ程度の揺れを伴う地震に注意するよう呼びかけています。
 気象庁によりますと、2日の午前0時2分ごろ、鹿児島県の大隅半島東方沖を震源とするマグニチュード5.9の地震がありました。
 この地震で、
▽震度5弱の揺れを宮崎県日南市で観測し、
▽震度4を宮崎県の宮崎市と都城市、小林市、串間市、高鍋町、新富町で観測しました。
▽震度3の揺れを宮崎県のほか、鹿児島県や熊本県、大分県、佐賀県、それに愛媛県の各地で観測したほか、▽震度2や1の揺れを九州や四国、中国地方、近畿の各地で観測しました。
 気象庁の観測によりますと、震源地は鹿児島県の大隅半島東方沖で震源の深さは29キロ、地震の規模を示すマグニチュードは5.9と推定されています。
 気象庁は揺れの強かった地域では落石や崖崩れが起こりやすくなっているなどとしたうえで、今後1週間程度は最大震度5弱程度の揺れに注意するよう呼びかけています。

NHK宮崎放送局日南支局「約20秒間くらい強い横揺れ」

震度5弱の揺れを観測した宮崎県日南市のNHK宮崎放送局日南支局の記者によりますと、緊急地震速報とほぼ同時に、およそ20秒間くらい強い横揺れがあったということです。

 宮崎県で震度5弱の揺れ観測はことし1月以来 気象庁

 気象庁によりますと宮崎県で震度5弱の揺れを観測したのは、ことし1月22日に発生した日向灘を震源とするマグニチュード6.6の地震以来です。
 このとき、▽宮崎県延岡市と高千穂町、▽大分市、大分県佐伯市、竹田市で震度5強の揺れを観測しました。
 また、震度5弱を▽宮崎県都農町と椎葉村、美郷町、▽熊本県阿蘇市、産山村、高森町、▽大分県臼杵市、由布市、▽高知県宿毛市で観測しています。

 専門家「今後1週間程度 同程度の揺れ伴う地震に注意を」

 宮崎県で震度5弱を観測した地震について、東京大学地震研究所の古村孝志教授は「震源の深さと地震のメカニズムからすると、フィリピン海プレートと陸側のプレートの境界付近で起きた地震と考えられる。過去にもマグニチュード6クラスの地震が起きるなど地震活動が活発な地域だ。今後1週間程度は同じ程度の揺れを伴う地震に注意してほしい」と話していました。
 また、今回の地震と南海トラフ地震との関連については「今回の震源は南海トラフ地震で想定されている震源域からは少し南に離れているうえ、マグニチュード5クラスで津波は起こさず、この地域ではこれまでも繰り返し起きているような地震だ。ただ、今回の震源を含む日向灘から南西諸島は地震活動が活発な場所で、日向灘ではマグニチュード7を超える地震が起きる確率が高いと言われているため、この地震をきっかけに改めて備えを進めてほしい」と話していました。

 “今回は南海トラフ想定震源域の外で発生” 気象庁

 南海トラフの巨大地震について国は想定される震源域を駿河湾から日向灘にかけてとしていますが、気象庁によりますと今回の地震は想定震源域の外の南側で発生したということです。
 南海トラフの想定震源域でマグニチュード6.8以上の地震が発生した際などには、気象庁が臨時情報を発表して今後の巨大地震の発生の可能性を調査することになっていますが、今回は地震の規模が小さいうえ、震源の位置も異なるため対象にはなりません。
 一方、宮崎県では、沖合に位置する日向灘で過去にマグニチュード7クラスの大地震が繰り返し発生し、被害も出ています。
▽1968年にはマグニチュード7.5の地震が発生し、四国で最大3メートルを超える津波が観測されました。
▽1984年にはマグニチュード7.1の地震が▽1996年にはマグニチュード6.9の地震がそれぞれ発生しています。
 最近では2019年5月にマグニチュード6.3の地震が起き宮崎市などで震度5弱の揺れを観測したほか、ことし1月にもマグニチュード6.6の地震が発生して宮崎県や大分県で最大震度5強の揺れを観測しています。
 政府の地震調査研究推進本部は、今後、30年以内に日向灘でマグニチュード7から7.5程度の地震が起きる確率について80%程度と想定しています。
 今回の地震について気象庁は今後1週間程度は同じ程度の揺れを伴う地震が発生するおそれがあるとして注意を呼びかけています。

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