[2022_09_21_04]国と東電は「汚染水を陸上保管する大型タンク等は建てられない 海洋放出する他ない。」と言うなら、国家石油備蓄の空き容量に汚染水を貯めよ。とにかく海に流すな トリチウムの半減期12年を10回(120年)重ね、千分の一に減衰するのを待って海に放出することも出来る 荒木福則(神奈川県横浜市在住)(たんぽぽ2022年9月21日)
 
参照元
国と東電は「汚染水を陸上保管する大型タンク等は建てられない 海洋放出する他ない。」と言うなら、国家石油備蓄の空き容量に汚染水を貯めよ。とにかく海に流すな トリチウムの半減期12年を10回(120年)重ね、千分の一に減衰するのを待って海に放出することも出来る 荒木福則(神奈川県横浜市在住)

 福島第一原発事故汚染水を海に流さないで貯める所が有ります。
 国家石油備蓄の空き容量です。
 今、政府は、IEA加盟国の備蓄石油の協調放出により、国家石油備蓄から151万キロリットル放出しています。
 備蓄日数にして、145日分ある中の5日分です。9月末までに放出が終わり、タンクは空いた状態になります。今ある汚染水は約130万トン、備蓄日数でいうと4日分ですから十分、入ります。
 突飛に聞こえるかも知れませんが、そうではありません。
 その理由は三つあります。
 一つには 国家石油備蓄は、汚染水の処分について前面に立ち責任を取るという国が、備蓄基地を所有していること。
 二つには、備蓄基地の操業管理を、汚染水の所有者で責任をとる東京電力がやっていること。
 三つには、放出後の空き容量には石油以外の何かを貯めなくてはいけないこと。(石油は貯められない。空きっぱなしにも出来ない。)

 順に説明します。
 国家石油備蓄は、石油公団と石油元売りとの半官半民の石油備蓄会社に、国が所有する石油を寄託する形でしたが、特殊法人改革で、2001年に、石油公団が廃止され国の直轄事業となり、石油備蓄基地は資産移転され国の所有となりました。
 同時に、備蓄基地の操業管理業務は委託事業(JOGMECから再委託)となり、2018年から、国家石油備蓄基地10基地の内、陸上タンク方式の4基地を石油元売り会社に代わり東京電力(直接にはJERA)が受託しています。原発が動かず、仕事の減った東電に政府が便宜を与えたのです。
 国家石油備蓄は、1998年に5,000万キロリットルを達成して以後、同水準を維持していますが、備蓄の義務・目標量は、直近1年間の石油輸入量の90日分のところ、今、備蓄量は備蓄日数にして145日分にもなり、大幅に過剰です。
 3.11後、たびたび、事業仕分けや行政仕分けで、税金の無駄遣いを指摘され備蓄量を削減するよう命令が出ていますが、政府は実行していません。
 石油輸入量が減る中、備蓄日数は更に増えて行きます。従って、政府は、今回の放出の後の空き容量に石油を積み戻すことは出来ません。
 かといって空きっぱなしにすれば、税金の無駄が白日の下になります。石油とは別のものを貯めなくてはいけません。政府は今、空き容量をどうするか検討しています。全体の備蓄量の削減も検討課題としています。
 国が所有し東電が運営する国家石油備蓄基地の、空き容量は、正に、福島第一原発の汚染水タンク群の延長と言えます。
 政府と東電は、「タンクエリアが溢れる。陸上大型タンクは建てられない。海洋放出する他ない。」と言うなら、汚染水を福島第一から、この国家石油備蓄の空き容量に移し引き取らねばなりません。海洋放出を、あれほど簡単に閣議決定したのだから、この方針変更を同じように出来ないはずがありません。
 海底配管の突端からホースを伸ばして、沖合に一点係留ブイ払出設備を付けてタンカーで移送します。今やっている放出設備工事は無駄になりません。追加投資は40億円ぐらいでしょう。
 これほど過剰在庫だから、それを放出し、タンクの空き容量を更に増やすことは自由自在です。備蓄日数12日分の空き容量を加えて、「4日分、130万トン、期間40年」を一巡として、三巡を貯めて「先入れ先出し」で海洋放出すれば、汚染水が今後、1日100トンで発生し続けても、全ての汚染水について、40年の三巡で120年、トリチウムを半減期12年を10回重ね、千分の一に減衰するのを待って海に放出することも出来ます。
KEY_WORD:汚染水_:FUKU1_: