[2022_09_13_06]「将来のことをかんがえる前に将来が制限された」17歳の原告 9/7の311子ども甲状腺がん裁判第二回口頭弁論期日に参加して 冨塚元夫(たんぽぽ舎ボランティア)(たんぽぽ2022年9月13日)
 
参照元
「将来のことをかんがえる前に将来が制限された」17歳の原告 9/7の311子ども甲状腺がん裁判第二回口頭弁論期日に参加して 冨塚元夫(たんぽぽ舎ボランティア)

 
◎ 17歳の原告の少女は、「自分の考えかたや性格、将来の夢もじっくり考えるひまもなく、夢や可能性が限られたものになった」と言いました。「将来のことをかんがえる前に将来が制限された」と言いました。

◎ 傍聴席25に対し157人が並びました。先日の第一回期日では220人が並びました。
 原告弁護団は大法廷を要求していますが、裁判長に拒否され続けています。原告弁護団はまた、毎回原告本人の陳述を認めるよう要求していますが、これも認められていません。
 とりあえず、次回の期日では原告本人陳述は認められています。
 次回は11月9日水曜日です。

◎ 今日陳述した原告6番は17歳だそうです。大学受験をして公務員を目指しています。
 治療を続けるため安定した収入が必要だと考えているようです。
 現在17歳ということは原発事故のときは6歳だったのです。
 第一回口頭弁論期日で陳述した原告は原発事故のとき中学三年生でしたから、今日陳述した原告は原告の中で一番若いと思われます。
 それでも、甲状腺がん手術、再手術、アイソトープ治療等同じ経験をしています。
 こんなに若い女の子が老人の私が経験したことのないこんな苦労していると思うと、東京電力・国・原子力村の罪の重さを感じます。
 つい最近原告が一人増え、合計7人になりました。仲通り出身の女性だそうです。
 すでに甲状腺がんの手術をしたようです。原告同士励ましあって、助け合って乗り越えてほしいと思います。

◎ 裁判所で公判が開かれているとき、傍聴できなかつた150人ほどの人々は日比谷公園にある日比谷コンベンションホール大ホールでの集会に参加しました。ビデオが何本か上映されました。
 弁護団長の井戸謙一弁護士は、小児甲状腺がんと福島原発事故の因果関係はないと言う東電の準備書面に対する反論の概略を話されました。

◎ 東電の主張は政府、御用学者がこの間マスコミに流している政治的発言の繰り返しです。科学的根拠のない古いステレオタイプです。
 原爆のフォールアウト(死の灰)の残存放射能による被害者はいなかったと、いまだに言い続けている原子力村の馬鹿げた論理です。

◎ 原爆の残存放射能による内部被ばくが長い間(次世代を含めて)身体を傷つけ細胞を破壊することを認めると、毒ガス同様に非人道的兵器となり禁止されるからだそうです。(原爆はいまだに非人道的兵器ではない!?)

◎ 甲状腺がんの患者は原爆を手放さない軍隊・軍需産業の犠牲者です。
 17歳の原告の少女は、「自分の考えかたや性格、将来の夢もじつくり考えるひまもなく、夢や可能性が限られたものになった」と言いました。「将来のことをかんがえる前に将来が制限された」と言いました。
 なんと悲しい思考でしょう。
 でも現実を見つめて将来を考えているしっかり者でもあります。(彼女の録音メッセージはすぐに文章になると思います。ぜひお読みください)

◎ ビデオメッセージの中に、アイリーン・美緒子・スミスさんの話がありました。彼女は6月11日立教大学で行われた、「水俣と福島を結ぶ討論会」に参加して、政府大企業のごまかしの特徴をまとめて話しました。
 ごまかしに負けない対抗策も示してくれました。交流会では原告3人と話したそうです。原告の若者たちには頼もしい先輩です。
 弁護団も揃っています。井戸さん、河合さん、海渡さん、中野さん、田辺さん、古川さん、福田さん、只野さん、北村さんがこの日発言しました。この日は登壇しなかったですが、柳原さん、光前さんなどなど総勢17人です。
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