[2022_09_08_03]ザポリージャ原発、バックアップ用送電線も損傷…周辺住民に避難呼びかけ(読売新聞2022年9月8日)
 
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ザポリージャ原発、バックアップ用送電線も損傷…周辺住民に避難呼びかけ

 【ベルリン=中西賢司、キーウ=梁田真樹子】国際原子力機関(IAEA)は7日、ロシア軍が占拠するウクライナ南部ザポリージャ原子力発電所で、緊急時の原子炉の安定維持に必要となるバックアップ用の外部送電線の一部が、砲撃で損傷したと発表した。
 砲撃があったのは6日で、バックアップ用の送電線3系統のうち1系統と送電施設が損傷したという。同原発は、外部からの電力供給源として近隣の火力発電所との間で通常用とバックアップ用の送電線で結ばれている。通常用の送電線はこれまでの砲撃で全て損傷している。外部送電線とは別途、非常用自家発電機が機能しており、IAEAは「原子炉に直ちに影響するものではない」としている。
 ただ、自家発電は大量の燃料を必要とする。ウクライナ政府は、燃料が不足する事態となれば危機的な状況だとして原発周辺の住民に避難を呼びかけている。
 一方、ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は7日のビデオ演説で、東部ハルキウ州の一部地域を奪還したと述べた。また、南部クリミアで8月以降、露軍の軍用飛行場や弾薬庫などで相次いだ爆発について、ウクライナ軍は、7日に同国営通信に発表した論文で関与を認めた。一連の爆発は、南部奪還作戦を本格化させるための準備だったとみられる。
 タス通信によると、露プーチン政権与党「統一ロシア」は7日、ウクライナの占領地域でのロシアへの併合に向けた住民投票について「民族統一の日」にあたる11月4日の実施を提案した。ウクライナ軍の反攻を受け、9月にも実施するとしていた予定を延期していた。
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